クラシックギター部に入るので、おすすめのクラシックギターを教えて欲しい!ナイロン弦のギターを弾いているギタリストには、そんな相談が時々舞い込んでくるものです。
部室にエレキギターやらエフェクターやらばかり置かれていて、部員が皆スタジオでとぐろを巻いているような激ユルのクラシックギター部であればともかく、全国大会を目指すような本格的なクラシックギター部に入る人は、少しでも良いギターを選びたいですよね。
今回はクラシックギター選びで悩んでいる人のために、初心者や入門用には少し高いけれど、良質でおすすめのクラシックギターを紹介します。
小平ギター
価格帯は一番安いモデルであるAST-65の65000円から最上位機種の150000円という、クラシックギターにしてはそれほど高くないものでありながらも、国産にこだわり続ける小平のギターは、入門クラシックギターとして非常に高く評価されています。
非常に良質な木を使って、手工的に丁寧に作られているので、ピッチも安定しており、練習していて音感が身に付きやすいギターですね。また最上位機種が15万円というのは、恐ろしく魅力的です。
他のメーカーであれば平気でうん十万円になってしまうような木材を使ったこのAST-150というモデルは、一度買ってしまえばある程度のレベルになるまで一貫して使い続けることができるので、逆に変な色気を出さずに済みます。
MATSUOKA 松岡良治
昔よりは品質が落ちた、と言われている松岡良治のギターですが、実際には10万円付近で選ぶことで、国産ギターのコストパフォーマンスの良さを体感することができます。5万円を切るような廉価モデルはメーカー名ばかりで売れているものが多く、あまりお勧めできません。
筆者が試奏したことのあるモデルは杉の木を表面に用い、ローズウッドを後ろと側面に使ったギターでしたが、非常に甘く繊細なサウンドが特徴でした。
音量や迫力で言えば他の国産ギターに準じるかもしれませんが、表現力と音色の綺麗さ、それから弾きやすさでは非常におすすめのギターですね。
Chai Yukinobu 茶位幸信
Chai Yukinobuはそれほど有名なメーカーではありませんが、定価10万円程度のものが中心でありながらもコンサートでソロ弾きしても通用するような素晴らしいサウンドを持つギターを作っています。
おすすめはNo.10。分厚いボディに松とローズウッドの木材で作られたこのギターは、定価10万円で全く他のメーカーのこの値段帯のギターとは比にならないほどの音量と音の深さを持っていますね。
特にテンション(張り)の強めの弦なんかと組み合わせて使ったときには、本当に前に出る音になります。テンションの強い弦だと、ちょっと左手の指が痛くなりますが、まあご愛嬌。No.10は柔らかい弦だとボディの余裕を生かしきれていない感じがして、もったいなく感じるのではないでしょうか。
新品は中々手に入りにくいレアなメーカーですが、もし状態の良い中古を見かけたら、是非チェックしてくださいね。
Antonio Sanchezアントニオサンチェス
国産のギターほどコストパフォーマンスの高さは感じられませんが、それでもやはり本場の一つとされているだけあっておすすめなのがスペインのクラシックギター。特にアントニオサンチェスは入門用のナイロンギターとしては非常に有名なメーカーですね。
値段帯は色々ありますが、おすすめは7万円〜10万円程度のものです。
クラシックギターで使うのであれば、おすすめは上の写真のように杉とローズウッドを組み合わせて作られたギターです。全体がやたら黄色やら白やらの木ばかりで作られているギターは恐らく、ギターを打楽器だと言ってはばからないフラメンコギタリスト達のためのものなので、避けておきましょう。
Paco Castillo パコ・カスティージョ
パコ・カスティージョもまた、スペインのフラメンコギターで有名なギターメーカーです。上の写真は、まんまフラメンコギターですが、このブランドのクラシックギターもまた、音量が出て弾いていて気持ちの良いギターが多いですね。
おすすめの値段帯は7万円ほどのもの。本格的な木材を使っていて、音色に個性が出てくる値段帯ですね。パコ・カスティージョは少し乾いた音色のモデルが多いですが、クラシックギターを練習していくのであれば、低音が良く出ているモデルや個体を探しましょう。
国産のギターは弾きやすさ、音の綺麗さなどが売りであることが多いですが、スペインのこれ系のブランドのギターは音のキレの良さが特徴だったり、良い意味で音が硬く抜けが良いものが多かったりするので、クラシックギター部など合奏で使う場合には、ちょっと考えてからですね。悪目立ちすると合奏が乱れます。笑
あまり厳しくない部活で人とは違ったギターを使いたい人や、個人で弾きたい人におすすめなギターメーカーですね。
いかがでしたか?
今回は入門におすすめだけど、しっかりとした作りで定評のあるギターメーカーを紹介しました。ぜひお店で試奏してみて、自分にぴったりのメーカーを見つけてくださいね!