前回はタキシード選びの基本的な考え方について紹介しました。さらに、タキシードはレンタルと同じ値段で良質なオーダーメイドができるため、サイズ感や品質のことを考えるとレンタルよりもオーダーメイドの方がおすすめだということも書きましたね。
今回はオーダーメイドでタキシードを用意するときのお店選びについてを解説していきます。どんなタキシードをオーダーするときにどんな店を選ぶべきなのか、3つの基準を紹介しましょう。
①写真で上品さが分かるブランド
タキシードがお洒落であるかどうか、というのは真っ先に上品さによって判別することができます。
上の写真のように、コンセプト写真からして上品でお洒落さが伝わってくるようなブランドはどうでしょう。こういったブランドは常に洗練されたセンスでタキシードを作っているでしょう。
さらに、この写真のブランドのような上品さ、もっと言えば余裕のある上品さはタキシードに使われている生地が上質さである証拠です。特に白のタキシードを見れば生地の上質さは火を見るより明らかです。控えめでありながらも華やかな光沢感は、間違いなく上質なウールによるものでしょう。
また写真のモデルが着ているタキシードのサイズ感も素晴らしい。採寸する人の腕が良い証拠です。さらに着こなしのセンスも非常に優れていますね。ガーデンで撮影しているグレーとホワイトの組み合わせは非常にナチュラルで柔らかな印象、右は都会的でありながらもエグゼクティブな着こなしです。
つまり写真で見てこのような上品さ、上質さ、優れたセンスが伝わってくるブランドであれば、まず間違いなく良いタキシードを作ることができます。こういったブランドに行き、「こういう場所で、こんな雰囲気の式を挙げる」と相談すれば、それにぴったりと合った上質なタキシードを提案してくれるはずです。しかもついでに言うのであれば、このブランドは一着、12万9000円で作ることができます。レンタルよりも安く、TOM FORDやBrioniなど一流のブランドに提供されているような生地メーカーの生地を使っています。
逆に写真で見たときにそのタキシードが下品にギラギラと光っていたり、過度な装飾がついていたりするブランドは、そういったタキシードをメインに扱っているブランドだということが分かりますよね。そういうブランドに行ってタキシードを作ると、失敗してしまう可能性が高いです。
②ブランド生地を打ち出しているところ
タキシードの上質さは生地から来ると、先ほど少し書きました。もちろん縫製も重要ですが、何よりも上質な生地を用いることによってタキシードは男らしい風格になり、さらにはエレガントな装いを提供してくれます。
ですから、オーダータキシードといっても、どんな生地を使うかさえウェブサイト上で紹介していないようなブランドは信用してはいけない場合があります。そういったブランドは、質の悪いポリエステルなどの生地を使っている場合があるからですね。
スーツと違い、一般的ではないタキシード。でもだからと言って、スーツだったら15万円出せば一流どころのブランドの生地を使ってオーダーメイドすることも可能なのに、ことタキシードになると1万円代の格安スーツに使われるような生地で15万円を取られてしまう。そんな悔しいことはありませんね。
ですからオーダーする店を決めるときには、良い生地を使っているということを確かめましょう。具体的にはホームページ上に生地ブランドの紹介(〜などの生地を使っています、選べます)があることをが重要な点です。生地のブランドなんか知らないよ!と思われるかもしれません。
その場合には、中堅の生地ブランドであるCANONICO カノニコ、REDA レダ、そして高級生地ブランドであるErmenegildo Zegna ゼニア、Loro Piana ロロピアーナ、Dunhill ダンヒルなどを覚えておきましょう。これらの名前のどれか一つ二つでもウェブサイト上にあれば、少なくともそのブランドは生地にこだわりを持っています。
③価格表示が分かりやすいところ
タキシードに限らず、スーツなどを含めたオーダーメイド全体に言えることですが、この業界は「実際に掛かるお金がいくらなのか」というのが非常に分かりにくい。理由は生地によって値段が大きく変わること。また、必須とも思われるようなオプションを別途にして本体価格を安く見せようとするタキシードブランドが多いからです。
そのため「タキシード10万円!」と書かれていて実際にお店に行き、店員に任せて作っているうちに20万円を超えていた……なんていうのはざらな話です。
ですからタキシードをどこでオーダーするか決める場合には、値段表示が分かりやすいところにしましょう。
最も素晴らしいのは価格一律のところです。このやり方をしているのは残念ながらごく一握りのブランドだけですね。度々このサイトでも紹介しているTHE GENTSは「どの生地を選んでも12万9000円」という非常に分かりやすい価格設定にしていますし、そのために日々非常に経営努力をされています。
それもそのはず、普通はその値段で作れるはずの無いブランド生地を足を棒にして仕入れてきて、しかも「お客様にとって分かりにくいから」という理由だけで価格を一定にしているのですから、会社にとっては大変でないはずがありません。
逆に安さばかりを強調しているブランドの中には、「ちょっと良いボタンは別料金だが、そちらにしないと恥ずかしい」「基本料金には縫製代は含まれない」「安い価格はポリエステル混のものなので、こっちの高いものにした方が良い」などといって、どんどん高くしていくようなブランドもあります。
店を選ぶ際には、料金表示に注意してみてください。
いかがでしたか?
今回はタキシード選びの中でも、オーダーするお店、ブランドを選ぶ際に気をつけるべきことを解説しました。ぜひ参考にして、タキシードを用意する際に役立ててください!