シャツにこだわろう!
スーツを着るにしろ、ジャケパンで着こなすにしろ、「あいつと自分の着こなしはなぜか違う……」と悩んでいる人は多いはず。同じ職場のお洒落な男を手本に自分も頑張っていいスーツを買ったし、着こなしも勉強している。なのになんとなく、自分よりあいつの方がお洒落なままだ。
そんな場合、違いはシャツにあるかもしれません。
「肌に近いものほど上質に」なんてメンズのドレススタイルではよく言われていますが、その理論でいくのであればシャツは一番上質にすべきアイテム。だって、トランクスをシーアイランドコットンのイタリア製にこだわるのは、まだもう少し後でも構わんでしょう。
スーツは全体の印象を決めるアイテムで、その重要さには多くの人が気づいています。ですからお洒落でない人、お洒落に興味の薄い人だってある程度はこだわる。だから差がつくのはその先、すなわちシャツです。お洒落な人でなければシャツはこだわれません。
シャツの襟が綺麗で立体的か、生地に高級感があるか、動作が軽快か?そういったわずかな差が少しずつ蓄積されて、お洒落かお洒落じゃないかというのは決まるわけです。
そういうわけで今回はシャツにこだわりたい人のためのおすすめブランド5選です。こだわり、というわけでちょっと高級なブランドが多いですが、知っておいて損はない、大御所ブランドばかりなので是非チェックしましょう。
FRAY フライ
シャツブランドの中でも断然知名度の高いフライは、マシンメイドながらも非常に上質な生地を使い、非常に精密な縫製でシャツを作り上げるのが特徴です。
もちろん手縫いのシャツには手間が掛かるし、それに価値があるのは間違いありませんが、フライのシャツはマシンメイドであることを感じさせない立体感をもっていて、それを体感すれば「マシンメイドだから」とひとくくりにしてしまうのは間違いだということに気づかされます。
先ほども書いたように、フライは非常に上質な生地を使います。これは他の有名どころのシャツブランドに比べても、飛び抜けて上質なものが多い。言うなればブリオーニやキートンといった既製服の世界で最高峰といわれるブランドの、一着7〜10万円するようなシャツと近い生地を使っていますね。これは番手が高いことはもちろんのこと、以外に耐久性があり、色も鮮やかです。
ハンドメイドという言葉に負けず、品質だけで勝負するというフライの姿勢は素晴らしい。そしてマシンメイドならではの耐久性の高さと、襟周りのシェイプの決まりやすさ、アイロンの掛けやすさもあって、世界中のエクスクリューシヴが大事な場で信頼するのはフライのシャツというわけです。
BARBA バルバ
洒落者達の定番のシャツブランドと言ったらバルバ。袖付けを手縫いで行い、上等な生地で仕立てられるバルバのシャツは値段と品質のバランスが良く、普段使いのシャツとして実力を発揮します。
特に襟やカフスなどはフラシ芯で非常に柔らかく仕上げられており、独特のリラックスした雰囲気をかもしてくれますね。手縫いのボタンホール、ボタン付けなどは着ていて嬉しいディティールです。
もちろんバルバ以上にハンドメイド、手縫いにこだわったシャツブランドは多数あります。しかしそれらは値段がずいぶんと高くなるし、アイロンは掛けにくく、洗濯の際にも気を使う。バルバはシャツにおいて一番重要な部分、すなわち袖付けを手縫いで行うことによって軽い着心地を実現しながらも、過度に手縫いに走ることなく、コストパフォーマンスを優先しているのが人気の理由です。
色々な高級シャツを買いあさりながらも、結局毎朝手に取って着ていくシャツはバルバが多い、という人は少なくないはず。「商品の品質というのはディティールだけでなく、扱い安さにもある」という考え方は間違っていません。
お洒落というのは極端になっていくと、道楽へと変わっていく。個人的にはその一線がバルバだと思います。
バルバのシャツは定番のソリッドカラーから、かなり派手なストライプまであります。ラウンドカラーやタブカラーといった襟型が得意なのも、このブランドの特徴です。
Attolini アットリーニ
アットリーニはナポリを代表するサルトリアで、ジャケットやスーツをメインとしているブランドです。世界中の洒落者から羨望のまなざしで見られるスーツやジャケットを作りだすこのサルトリアは、シャツもまた素晴らしい品質で作っています。
というのもアットリーニは以前、手縫いシャツの最高峰と呼ばれるアンナ・マトッツォと呼ばれるシャツ屋さんにOEM生産を任せており、それを研究したうえで現在自社工房内にて生産をしている。アットリーニもまた徹底した手縫いにこだわっており、そのシャツは「着心地さえも感じない」くらいに軽い出来映えです。
もちろん使っている生地は一流のものですが、かといって誰もが一見で分かるような贅沢で繊細な生地を使っているという印象はありません。ブリオーニやキートンのシャツはむしろパーティで映えるような光沢感ですが、アットリーニは少し違う。
どちらかといえば着ている本人がその肌触りを快適に感じ、それを着ていることで気分が良くなるような、そんなことを優先した生地という印象。もちろんこれは選ぶシャツによって違うかもしれませんが、アットリーニの目指すところはどちらかといえばそういうものなのではないか、と感じます。
そういうわけで一流のサルトリアが手縫いで作るシャツ、物のわりには安く4万円代から買えるので個人的にかなりおすすめです。
Borrelli ボレリ
ボレリは以前エルメスのシャツの供給元であったことでも知られるシャツブランドで、現在世界で最も素晴らしいシャツブランドの一つだと言われています。その理由はとにかく、安定した品質と手縫い、そして一流の生地です。
シャツブランドに限らず、イタリアの服というのは手縫いになればなるほど、品質が安定しない。そもそも同じファクトリーでも作る人が違えば微妙にスタイルが違ってしまうことさえあるわけで、それに関してはとやかく言わずに、むしろその個性を楽しむのがイタリア、特にナポリ仕立ての楽しみだと言われています。
しかしボレリは違います。シャツ界のKiton キートンとも言うべきこのブランドは、国際的な視野を持っており、手縫いでありながらも常に安定した品質で一級品のシャツを作っている。そこには甘さもなければ、誤差もなく、ただ職人の熟練した技だけがあるというわけです。
ボレリのシャツにはいくつかのラインがあり、それによって生地感やシルエットなどが異なってきます。ボレリのシャツの良さを感じたければおすすめはやはりフォーマルなシャツです。番手の高い生地を使って綺麗に仕上げられたボレリのシャツは、シルエットに無駄が無く、イギリスのシャツにも通じる凛々しさを持っていますね。
Charvet シャルベ
あんましイタリアのシャツばかりおすすめしていては怒られてしまいそうですので、最後にフランス屈指の高級シャツブランドも紹介しておきましょう。フランスの老舗、シャルベです。このシャルベというブランドのシャツは、かの有名なフランスのド・ゴール大統領や、これまた有名なケネディ大統領を顧客に持ち、王室関係者にも愛用者が多いと言われています。
なるほどその生地は大変上質で、縫製もマシンメイド主体ではありますが非常に精巧で、職人のこだわりを感じます。しかしそんなことよりもシャルベのシャツを見る上で重要なのは、その雰囲気です。
イタリアのシャツといえば高い位置に納まる大きい襟やスマートなウエストライン、ネクタイをしないで着ることも想定したシャツがメインです。その最大の特徴は男の色気を際立たせることにあるでしょう。しかしシャルベのシャツは見るからにフランス的な気品をたたえています。
まずはスクエアで、やや前に落ちた襟。これは第一ボタンまで絞めたときに美しく収まるシェイプです。もちろんネクタイをしても良いですが、第一ボタンまで留めたままネクタイ無しで着こなすのも、フランスシャツならではのお洒落ですね。
またたっぷりとした身頃やダブルカフスにはクラシックな気品を感じますね。普段はジャケットやスーツの下に。ふとした拍子、例えば部屋でジャケットを脱いだときに、見とれてしまうような優雅さ。まあなんともフランス的なエレガンテでしょう。
今回はシャツにこだわりたい人におすすめなブランド5選でした。
消耗品のくせにシャツの高いことと言ったら、まったくしょうがないですね。できればアウトレットなどを利用して、シャツを5〜6着まとめ買いすることです。バルバが平気で「樋口一葉さん」1枚くらいで売ってたりします、ここだけの話ですが。
まとめて買って着回していくと、シャツって意外にも消耗していかないものです。そして着た日に手洗いだけしてためておき、休日に平日に着た5枚のシャツを一気にアイロン掛けする。以前までは苦痛だったアイロン掛けも、愛着のある一流シャツなら至福の時になること間違いなしです。
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