ビジネススーツの定番で、なんにつけても着こなしやすい紺スーツ。愛用者は多いはずです。
万能なスーツなので何を合わせても失敗することは少ないですが、それゆえにお洒落な着こなしというのは意識しないと難しい。というわけで今回はおさらいもかねて、紺のスーツの着こなし方を紹介します。
紺スーツ+白シャツ
白シャツというのは本来は難しいアイテムなのですが、まあ一般的にはどんなスーツともネクタイとも合わせやすいということで重宝されているアイテムです。ちなみに何が難しいかというと、スーツとネクタイとシャツそれぞれの質が良くないと、白シャツの場合少し貧相に見えてしまいやすいということ。また、白シャツはシンプルさゆえむしろ組み合わせに神経質にならないと、センスの良さを表現するのは難しいということです。
てっとり早くお洒落な着こなしにしたければ、むしろネクタイを無地にする方がよっぽど簡単です。
まあ、それはおいておいてまずは定番の紺ベースのレジメンタルと白シャツの組み合わせ。
やや物足りないくらいの着こなしですが、自信がなければこれでも構わないでしょう。レジメンタルのネクタイというのは日本のビジネスシーンでは定番のネクタイですが、国際的にはあまりビジネスや正式な場には適していないと言われています。イタリアなんかではむしろ、カジュアルな着こなしの際に用いられるのがレジメンタルですね。
正式な場に赴くとき、またフォーマルな場面でおすすめなのはドットや小紋柄ですね。
次はブラウンの小紋柄ネクタイを合わせてみましょう。
日本人は色々とブラウン=茶色が苦手です。例えば紺のスーツやグレーのスーツに合わせる革靴をブラウンにすれば非常にお洒落に決まりますが、多くの人は黒の靴を選びますね。ブラウンのジャケットなんかは通年お洒落に決まるアイテムですが、春夏に着ている人は少ない。
同じようにブラウンのネクタイというのは少し難しいものだと思われているようです。ですが実際には紺のスーツとやや明るめのブラウンを組み合わせるとコントラストがつき、非常にお洒落に決まります。このときのコツは、少し可愛さのある花などをモチーフにした小紋柄を選ぶこと。ブラウンというのはともすると落ち着きすぎてしまいますが、柄でポップさを少しだけ入れればバランスがとれます。
この際ベルトや革靴なども同じようなブラウンにしてあげると、よりお洒落ですね。
こちらは Titlo Classicの革靴です。なかなかお洒落ですが、お値段は3万5000円とこの外見にしてはお買い得。これまであまり靴にこだわったことが無かった人も、ネクタイに合わせて考えてみると良いでしょう。
また、紺のスーツだけの特徴として、シルバー系あるいはグレー系のネクタイを組み合わせると非常に知性的な印象になります。
シルバー系のドット、レジメンタルなどは冷静さを感じさせる着こなしになるので、是非チェックしましょう。
紺スーツ+青シャツ
割とフォーマル度が高く、失礼になることのない青シャツですが、意外と着ている人は少ない。実際には白シャツよりもスーツ姿に表情がつくので、青シャツはおすすめです。
まずは青シャツと紺スーツを組み合わせて、少し華やかさのあるオレンジ色系のネクタイを絞めてみましょう。
紺と青の統一感の中にオレンジがちょうどいい差し色となって、センスの良い華やかさが演出できます。堅い職場で大丈夫かどうかは分かりませんが、ある程度自由のきくところであれば、このくらいの着こなしの方が周囲と差がつくかもしれません。
ちなみに明るいブルーとブラウンの組み合わせは、イタリアでマローネ・エ・アズーロと呼ばれ非常に相性の良い組み合わせだとされています。「栗と空」てなほどの意味の言葉ですから、そのまんまですね。それを利用するのであれば、先ほどのブラウンのネクタイをこの着こなしにも使ってみましょう。
少し遊び心のあるような雰囲気ですが、お洒落です。この場合にも、革小物などの色を統一するとよりお洒落ですね。というよりむしろ、この着こなしほど統一感がある場合、靴が黒だと逆にちぐはぐになってしまう可能性があります。
また、青シャツだからこそ上手くいく技として、淡色のネクタイを使うというものがあります。
こういったライトベージュなど極端に薄い色のネクタイというのは、白シャツと組み合わせるとあまりに印象が薄くなってしまいます。しかし紺と青で全体のトーンを落ち着かせた中に入れると、非常に良いバランスを作ってくれる。しかもネクタイがシャツの色よりも薄いことで、目新しさがある。自由のきく人には是非挑戦してみてほしい着こなしですね。
紺スーツ+ストライプシャツ
さて、少しでも紺スーツの着こなしに慣れてきたら、挑戦したくなるのがストライプのシャツとの組み合わせ。これは難しいものではありませんが、ある種のルールというかコツがあります。
それはまず、無地のスーツを使うこと。ビジネススーツの多くに採用されている幅の狭いストライプと、ストライプシャツの相性はごく控えめに言ってかなり悪いです。どちらも主張し合い、どちらも存在を邪魔し合ってしまう。無地のスーツ+柄シャツ+柄ネクタイは意外と上手く行くものですが、スーツがストライプになると、とたんに難しくなります。
ですからストライプのシャツを使いたいのであれば、できるだけ無地のスーツを用意すると良いでしょう。
さて、実際に着こなしてみましょう。まずはストライプシャツの名引き立て役である、小紋柄のネクタイを組み合わせてみます。
特に写真のように、無地にポツリポツリと小紋柄が入っているようなネクタイは、ストライプの主張を生かしながらもシンプルになりすぎない、素晴らしいアイテムです。逆に単体で無地のシャツに合わせると少し物足りないというか、間の抜けた感じになってしまうくらいですね。ストライプのシャツと合わせてこういったネクタイを用意するのがおすすめです。
また、ソリッド系あるいは織り柄系のネクタイはストライプのシャツで絶対失敗しないネクタイです。
こちらはヘリンボーンのような織り柄で、さりげなくレジメンタルになっているネクタイです。写真で撮っているので少し柄がはっきりしていますが、実際にはより無地に近い印象。こういった織り柄のものや無地、あるいはテクスチャーだけ入ったようなネクタイはどんなシャツに合わせてもうまくいく便利なアイテム。一本持っておくに超したことはありません。
ちなみに先ほど用いたオレンジ系の小紋柄ネクタイも、悪くない選択です。
小紋柄が少し細かいのでやや落ち着きがない印象もありますが、十分に許容範囲内と言えるでしょう。逆に少し幅の広めのストライプのシャツであれば、こういう細かい小紋柄のネクタイがよりお洒落に言えますね。
最後にストライプ+ストライプ(レジメンタル)も着こなしておきましょう。先ほどのグレー系のネクタイを使って。
難しいストライプ+レジメンタルですが、幅をしっかりと使い分ければ上手くいきます。すなわちこの場合、シャツのストライプの幅が非常に狭く細かいもので、ネクタイのストライプ(レジメンタル)が非常に太幅になっている。そのためメリハリがつき、意外とお洒落に決まるわけです。
スーツが無地だからこそ出来る技ですね。
変わり種の着こなし
最後に少し、変わり種というか遊び心のある着こなしも紹介しておきましょう。
まずはギンガムチェックのクレリックシャツを使った着こなしです。
お洒落ですね。クレリックシャツは正式な場では着るべきでないとされていますので、許される場所を考えて着るようにしましょう。またギンガムチェックは柄の主張がまあまあ強いので、組み合わせるネクタイはソリッド系や織り柄が良いでしょう。逆に小紋柄とギンガムチェックは柄の種類こそ違えどサイズが近いので、打ち消し合ってしまう可能性がありますから注意が必要です。
また、変わり種のネクタイとして、ニットタイも覚えておきましょう。
個人的には少し優雅さが足りないかな、という印象ですが、ニットタイはそのカジュアル感から、あまりかしこまった印象を出したくない打ち合わせなどで有効に使うことができます。また休日のジャケパンスタイルにも使いやすいですね。
それからニットタイの最も大きな利点はシワにならないことです。シルクのニットタイである程度品質の良いものは復元力が高く、ぐしゃぐしゃにして握りつぶしてもシワにならないので、長期の出張などにはうってつけのアイテムです。
いかがでしたか?
今回は紺のスーツに合わせるシャツやネクタイについてを考え、紺スーツの着こなしを紹介してみました。是非参考にしてくださいね!