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ゼンハイザー HD650 レビュー

ゼンハイザーHD650と出会うまで

自分は地方に住んでるので、今まで長らくヘッドフォンと言えば『オーディオテクニカ』が最高音質と思いこんでいました。
あるとき大阪でゆっくり買い物できる機会ができ、ヨドバシカメラに行った所広いフロアの半分がオーディオ製品で埋め尽くされ、半端ない量の在庫・視聴機に驚嘆したことがあります。
ソニー パナソニック デノン オーディオテクニカなどなじみ深い国内のメーカー以外にも
AKG B&W Beyerdynamic SHUREなど海外の有名メーカーさえもフルラインナップで展示してあり、田舎の地元と違い全て視聴できることに感激しました。
数あるヘッドフォンを片っ端から視聴して回り、ひときはボーカルと楽器が綺麗で音の分離感があったのでHD650を選びました。

HD595 HD545 PXシリーズなどゼンハイザーのヘッドフォンを視聴したことろHD595はHD650に音の傾向が似ていてマイルドな感じが650より優れていました。
その後ゼンハイザーのフラッグシップであるHD800(実売16万円)も視聴させてもらいましたが、HD650とは比べものにならない程質感が高く、高音が透き通ってボーカルが目の前にいるような錯覚を起こしました。
オーディオテクニカやデノン、ビクターの10万円前後の超高級機種も視聴しましたが、そのときのHD800は一番印象に残りました。
ついクレジットカードで衝動買いしそうになりましたが、冷静にHD650の実売価格と比べると格段と高価なために諦めましたが・・・。

HD650outdoor

HD650の音質

肝心なHD650の音質に話を戻しますが
きれの良い低音と楽器の立体感がリアルに伝わってくるので、安いヘッドフォンから買い換えた自分にとってはあまりの音質の良さに驚きました。
1万円以下のヘッドフォンにある曇った感じが無く、スピーカーで聞いているような感覚です。
すでに高級なヘッドフォンを使っている人からすれば感動は薄いかもしれませんが、安いヘッドフォンからの買い換えだと衝撃を受けるはずです。
新品でおろしたてのHD650だと高音がキンキンしてボーカルの声が一部耳に刺さるように思えます。
ヘッドフォンアンプとの相性もありますが、そのてんは長く使っていくごとに馴染んで気にならなくなります。
実売4万円程度と価格からすれば十分に良いのですが、1年程使っているとバイオリンなどの弦楽曲が物足りなく感じます。
特にバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータなどバイオリンだけの楽曲は音に圧迫感があり透き通った楽器自体のつやを感じません。
ですので、クラシック向けのスピーカーを使っている人は一度その点を良く吟味して視聴することをお勧めします。

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HD650の装着感と外観

付け心地ですが、スポンジは少し固めで成人男性でしたらフィットすると思いますが、小柄な女性や頭が小さめの人はズレ落ちるようで注意が必要です。
圧迫感は少ないですが、自分の場合は1時間以上着けている痛くなってきます。

外観はドイツ製品なだけあり、武骨で工業製品的なデザインです。
塗装のむらや歪みなどはなく、ひとつひとつのパーツがしっかりと作り込まれている感じが伝わってきます。
またケーブルの取り替えができ、断線させた時も出費を最小限に抑えられます。
しなやかで3mとかなり長いです。アンプから距離が合っても聞けます。
リケーブルについてですが、HD650のケーブルはサードパーティ製品が少なく、価格も2万円~と非常に高価ですの。
ですのでお金があるのでしたらリケーブルしてまで使うよりHD800回を購入する方が良いと思います。

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ヘッドフォンアンプ必須(写真はHD650とHP-A7)

インピーダンス(抵抗)が300オームと非常に高いので、ipodなどのDAPに直差しやパソコンのジャックに指して使用すると音が曇った感じになり、性能の半分も発揮できないので同時にヘッドフォンアンプを購入される事をオススメします。
実際にHD650を持参してお店で視聴してみたのですが、低価格で高音質を実感できる機種とHP-A3やHP-A7当たりが最適かと思います。LUXMANのP-200やオーディオテクニカのAT-HA5000などの高級機は音がさらさらして、まるで高級なワインを飲んでいるような上質な音で良いのですがヘッドフォンの価格から考えると何倍にもなってしまうので費用対効果が割に合わないような気がします。
とりあえず鳴らすのであればHP-A3で十分ですが、いろいろ繋げたり高音質のDACとしても使いたいのであればHP-A7も後悔のない選択だと思います。
特にA7に関しては発売当初より値段がずいぶんと下がってHP-A3並の金額まで押し迫っているので。
アンプとHD650両方揃えると10万円近く掛かってしまいますが、部屋でヘッドフォンを使う機会が多い人には是非お勧めしたいです。

HP-A7-HD650

HD650(開放型)とMDR-Z1000(密閉型)の違い

HD650とMDR-Z1000を聞き比べると両方とも綿密で高解像度なのが分かる。
それでいて形式の違いやハウジングの違いなど、ヘッドフォンの設計思想の違いから音の作り方が大きく違ってくる。
MDR-Z1000は録音スタジオで、ヴォーカルの目の前でヘッドフォンを通して聞いているような音。それに対してHD650は一番良く多用する楽器のスケールの部分がウォームで穏やかに膨らみ、曇ること無く心地の良い柔らかさに感じる。そしてMDR-Z1000のように硬いストレートな低音ではなく、HD650特有のぼわっと膨らみつつも引き締まるというバランスの取れた体低音が感じられる。
パソコンでの打ち込みが多い楽曲はMDR-Z1000、クラシックやアコースティック、民族音楽のような楽器とヴォーカルが主な曲はHD650が向いていると思います。
どちらも値段帯で言えば同じでも、リスニングの目的や好きな音楽の特性に合わせて選ぶことをお勧めします。

MDR-1000andHD650

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