彼氏や旦那にネクタイを贈りたい!
自分のネクタイのセンスを良くしたい……。そんなあなたのために、どうやったらセンスの良いネクタイを選べるのか、イタリア人男性に学ぶネクタイ学を紹介しましょう。
まずはシンプルで細かい柄を選ぼう
ネクタイを選ぶときにやってしまいがちなのは「柄でセンスを演出しようとする」という間違い。例えば何かのモチーフがあしらわれたネクタイにしたり、キャラクターの入ったものにしたりですね。
確かにネクタイの柄というのは、お洒落さを演出するうえで大きな役割を持っています。しかし本当は「ネクタイと着こなし全体でセンスを演出する」ということを意識すべきなのです。
ネクタイ単体で個性を主張しようとすると、どうも奇をてらった柄やモチーフを選んでしまいがち。
ですがイタリア人のファッションスナップを見ても、ネクタイの柄だけ個性を主張しようとしている人はあまりいません。むしろスーツやシャツ、ネクタイの組み合せでセンスの良さを主張するのがイタリア人の手です。
彼らが好んで選ぶネクタイは、小紋柄やドット柄などシンプルで小さい柄。
どちらもトラディショナルな柄ですし、一見すると個性がなくお洒落じゃないように見えます。しかしスーツやシャツと組み合わせたときには、非常にセンスよくまとまり、さらにスマートな印象になります。
また同じ小紋柄でも、小さな花柄のネクタイなどは、いろいろなシャツと相性が良いわりに、品があって洒脱感もあるのでおすすめできますね。
ちなみにこのネクタイのように織り柄が入っていて、光沢感が控えめになっているものは、少しカジュアルな雰囲気もあってスーツスタイルを軽快にします。またカジュアルなジャケットスタイルにも使いやすいので、おすすめです。
有名ブランドではなく、ネクタイ屋のネクタイを
ネクタイというのは非常にシンプルで、しかも需要が大きいアイテムなだけだり、ハイブランドやラグジュアリーブランドであればどこも必ず扱っています。
例えばエルメスに始まり、ブルガリ、ルイヴィトン、グッチ、フェラガモなど実際にはバッグブランドであったり、シューズブランドであったりするブランドも、まるでネクタイ屋さんのごとく沢山ネクタイを並べています。
ですがイタリアには数多くの、ネクタイ専門(もしくはネクタイから始まった)ブランドが存在します。そういったブランドの作るネクタイというのは、やはりハンドメイドであることが多かったり、使っているシルクの品質が素晴らしかったり、また非常に材料費や手間の掛かる製法をとっていたりします。
値段で言えば上に書いたラグジュアリーブランドと同じような値段ですが、その内訳にはブランド料というものが殆どなく、むしろ材料や手間にお金が掛かっているため、お買い得なネクタイが多いです。
また、柄も「いかにもブランド品」という感じがなく、上品です。
こういったネクタイブランドとして有名なものには、以下のようなブランドがあります。
・タイユアタイ
・フランコ ミヌッチ
・マリネッラ
・フランコ バッシ
・マタビシ
・ドレークス
・フィオリオ
などです。もちろん他にもたくさんの素晴らしいネクタイブランドがありますので、これらのブランドをもとに色々と調べてみると面白いでしょう。
スカーフのように軽やかなネクタイを選ぶ
ネクタイというのはなにか棒のようなもので、独特の細長い形をしていて……と思われる方が多いかもしれませんが、もともとは首にスカーフを巻いたことが始まりであることもあり、スカーフを折り畳んだようなアイテムでした。
それが量産するにあたって、より少ないシルクで、また誰でも結びやすく耐久性が高くなるようにと作られたのが現代のネクタイの形なんですね。
そういうわけで、本当に良いネクタイは上の写真のように、一枚のシルクのスカーフを折り畳んだような作りをしています。
これはセッテピエゲ(七つ折り)と呼ばれる製法で、シルクを通常のネクタイの倍以上使わなければいけないため、究極のネクタイとされています。
こういったネクタイはスカーフのように軽やかな印象で、何より工芸品のような美しさがあります。もちろん値段は3万円近いものも多くなりますし、耐久性、結びやすさ共に芯地の入ったものには劣ります。
ですから誰もがこういったセッテピエゲのネクタイを選ぶ必要はありません。しかし普通のネクタイを選ぶときに、どんなネクタイがお洒落なのかというのを知る意味でも、一度店頭で手に取ってみるのがおすすめです。
どんなスーツにも合うネクタイの色とは
そうは言っても、一気にネクタイを何本も買うわけにはいかない。
多くのネクタイを揃えるほど余裕がない……。もちろんネクタイを長く使っていくためには、数本を使い回していくのが一番ですが、中々そうはいかない人も多いはずです。
そういうわけで、どんなスーツにも合うネクタイが欲しい!というのが本音ですね。
ずばり言うのであればそれは、「紺のネクタイ」です。
本当はネクタイやシャツに合わせていくのがベストですが、紺であれば紺のスーツでもグレーのスーツでも違和感なく締めることができ、また使い方次第でブラウンのスーツとも合わせることができます。
例えば紺のネクタイを使ったおすすめは以下のような組み合せ。
・濃紺スーツ、白シャツ、明るめの紺のネクタイ
・グレースーツ、明るい青のシャツ、紺のネクタイ
・ブラウンスーツ、明るい青のシャツ、紺のネクタイ
季節感をネクタイで演出
さらに、イタリア人のネクタイ選びに注目してみると非常におもしろいことが分かります。
それはネクタイの素材で季節感を演出しているということ。特に日本ではあまり一般的ではありませんが、イタリアでは冬にはフラノやツイードといった冬時期のスーツ、夏にはリネンやコットンといった軽やかな夏用スーツを着るというのが非常に一般的です。
それに合わせてネクタイもまた季節感を帯びてくるのが、彼らの着こなしの特徴。
考えてみれば当たり前ですが、厚手のウールのジャケットを着てコートを着ているときと、リネンのジャケットをさらりと羽織っているときに同じネクタイでは、ちょっと面白くありません。
また特に冬物の場合、起毛生地のスーツにツヤツヤのシルク100%ネクタイだと、ネクタイばかりが光って浮いてしまうので、そのあたりも考慮に入れているのでしょう。
一般的な生地のスーツを年中通して着ている人は、色で季節感を調節するのが良いですね。
いかがでしたか??
今回はセンス良いネクタイの選び方を紹介してみました。
これまでの「この柄可愛い」「この色が好き」「このブランドなら良い」といったような選び方から、スーツの着こなし全体から考えるネクタイ選びができるよう、意識してみてくださいね!