Titlo Classic ティートロ・クラシックの革靴

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ホールカットとハンドフィニッシュ

まっさらな何も無いところに「革靴」というものを思い浮かべたとき、あなたはどんな靴を空想するでしょうか。それは人によって異なることであり、そして非常に面白いことでもあります。

ある人は波打つような独特のシワと光沢感が特徴の茶色いオールデンを空想するかもしれません。またある人はクラシカルで紳士的なエレガンスを携えた黒いジョンロブのストレートチップを思い起こすでしょう。

そして私ならば、手塗り仕上げのホールカットを真っ先に思い描くはずです。

自分に限らず、イタリアのサントーニやスペインのマグナーニといったブランドの靴を常に憧れている人にとって、手塗り仕上げのホールカットというのは特別な存在です。そのシンプルでありながら美しい造形、少ないアイレットと細い靴ひも、そしてムラ感のある色合い。どれをとっても洒脱で、ラテン的な魅力があります。

今回はTitlo Classicのホールカットを紹介します。

Titlo Classic ティートロ・クラシック

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スペインといえばマグナーニという印象がありますが、実際には他にも沢山の良いブランドが存在します。しかも人気高騰中のマグナーニに比べると、上手くすればコストパフォーマンスが良いマイナーブランドも多い。

今回はマグナーニを検討していたため、そのあたりは非常に強く感じます。

少し話が逸れますが、マグナーニについてちょっと考えてみましょう。マグナーニには様々なグレードがあり、特に大きなのは「ハンドフィニッシュ」か「パティーヌ」か、また只のマッケイ製法かオパンケ製法かという差です。

そもそも高級靴であるベルルッティで有名なパティーヌというのは、革に色のついていない状態で靴を作り、その後に色を付けるという技法をとっています。色を何度も重ね塗りしていく必要があり、非常に手間が掛かるため、主に10万円〜の靴に用いられる技法です。

マグナーニもまたパティーヌを用いた靴で有名なブランドですが、実際には一般的なグレードのものはパティーヌではなく、ハンドフィニッシュで仕上げられているということです。このハンドフィニッシュは、もともと色のついた革で靴を作り、最後に手塗りで色に表情をつける作り方のことですね。

一見するとパティーヌのように美しい色むらがありますが、近い色から作っていくので、製作の手間は少し減ります。そういうわけで、定価5〜8万円程度のグレードにはこちらのハンドフィニッシュが施されている場合が多いのです。

次にオパンケ製法ですが、これは何も難しいことはありません。マグナーニ特有のこれですね。

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土踏まずの部分を手縫いにて仕上げています。意匠として非常に美しいという、単純な理由からと聞いています。

さて、このパティーヌとオパンケ製法を抜きにして考えた場合、本当にマグナーニを選ぶ必要があるのか、という疑問があります。今回はそういうことで、マグナーニではなくティートロ・クラシックなわけですね。

値段的に言えば3分の2ほどでおさまるTitlo Classic ティートロ・クラシックがマグナーニの代案になるのかどうか、ディテールを見ていきましょう。

珍しいグッドイヤーウェルト製法

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スペインやイタリアの靴といえば、マッケイ製法が主流です。サントーニを始めとして、一部の高級ラインをのぞき多くがマッケイ製法であることは皆さんもご存知でしょう。

そんな中、このTitlo Classic ティートロ・クラシックの靴はグッドイヤーウェルト製法を採用しています。最初に見たときは驚きますね。3万5000円という値段設定からして、日本製なのかと思ってしまうほどです。

とはいえ靴の良し悪しは製法だけで語ることはできません。実際にその仕上げを見てみます。するとこの革靴が、値段からは想像できないほど丁寧な作りであることが分かりますね。

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特にソールの糸を通す穴の部分は、靴によって仕上がりが異なります。ひどい場合では、まるきり加工面がギザギザだったりする場合もありますが、こちらのTitolo Classic ティートロ・クラシックはしっとりとした仕上がりになっており、丁寧さを感じます。

グッドイヤーウェルト製法はマッケイ製法に比べるとソール張り替えなどにも柔軟に対応できるため、アッパーが持つ限り長く使用できるという意味でもお買い得です。

また先ほどもチラと書きましたが、サントーニでもグッドイヤーウェルト製法のものは高価で、中々手が出る値段帯にはありません。イタリア本国でも、グッドイヤーウェルト製法のものは10万円〜でした。

そういった意味でも、いかにもラテン的な雰囲気を持ちつつもグッドイヤーウェルト製法で作られたこの靴は良い選択かもしれません。

柔らかく、日本人に合う履き心地

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上の写真は手頃な値段で手に入れることのできるパティーヌ靴として有名な、フランチェスコ・ベニーニョのレースアップシューズ。非常に鮮やかな色合いで美しいことこの上ない靴ですが、革は硬く靴は足を選びます。

具体的に言えば、親指の付け根部分あたりが非常に低いうえに硬いため、足ががっしりとした人の場合にはそのあたりが擦れて痛くなる場合があること、踝部分が擦れて靴擦れをしやすいことなどがあるのですね。

また土踏まずの部分は極端に細いため、足の平が広い人の場合には形が崩れてしまいます。もちろん履く人にもよるかもしれませんが、自分の場合にはまだ足に馴染みきっていないという印象です。

それに対し、こちらのTitlo Classic ティートロ・クラシックは非常に履き心地が良い。革が柔らかいだけでなく、日本人の幅広の足にも合う木型なのかもしれません。

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抜群のコストパフォーマンス

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イタリアやスペインの靴といったら選択肢は広く、いくらでも選ぶことができるでしょう。しかしそれを〜4万円で欲しい!となったときには、正直なところ多くを選ぶことはできません。特に有名どころの靴はやはり5万円〜となっており、ユーロ高の影響もあるためこれからしばらく値段が上がっていくことも予測されます。

そこでマイナー靴の登場なわけですが、正直なところどれを選んだら良いのか分からない人が多いはず。マイナーな革靴には非常に質の高いものもあれば、ちょっと残念なものもあります。

そんな中でこのTitlo Classic ティートロ・クラシックは十分におすすめできるクオリティです。もしもデザインに一目惚れをしたのであれば、間違いなく選んで後悔はしない品質だと言えるでしょう。

最後にこの値段帯でイタリアやスペイン製の輸入の革靴を買おうとしている人に、ちょっとだけお伝えしておきたいことがあるとすれば、それは3つほどあります。

①3万円代で選ぶこと

②ソールを見ること

③必ず実店舗で見ること

この三点です。

①に関してですが、最近では1万円代後半や2万円代でもインポートの靴などが売られています。これらは細工をして生産国をイタリアやスペインにしただけの粗悪な靴であることも少なくなく、正直おすすめできないものが多いです。特に一見良く見えても革の質が悪く、履き込んでも表情が出ずボロくなるだけの靴などが多いですね。3万円を超えてくると一気に革やソール、縫製などのクオリティは上がり、5万円以上になれば妥協のないものが手に入ります。

②ですが安いものでソールがゴムのものは、実用性の名の下にアッパーのレベル等も下げていることがあるため、あまりおすすめできません。また先ほど書いたように仕上げが極端に荒いものはスルーしたいところです。

最後に③ですが革靴、特に黒などのものは写真では革質がよく分からないものも多いです。また履き心地も想像以上に異なる場合があります。ぜひ実店舗で確認して、気に入ったものを買いましょう。今回の靴は新宿高島屋にて入手しましたが、やはり百貨店はある程度以上の品質のものを選んでいますので、値段に偽りのある商品は扱いません。逆に楽天市場などでは、「これはちょっと……」というものを平気で売っています。

いかがでしたか??

少し話の逸れるところもありましたが、今回はTitlo Classic ティートロ・クラシックの靴を紹介しました。素晴らしい靴ですので、ぜひ百貨店などでチェックしてみてください。

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