今回は編集部の厳選、オススメの高音質イヤホンを紹介しますね!
高級な機種ですが、一度購入してしまえば何年も使用できます。特に移動時間が長い人や、イヤホンを使う時間が長い人にはオススメです。
オススメのイヤホンだけでなく、基本知識や選び方についても触れてゆきたいと思います。
SONY MDR-EX1000
モニターサウンドを高音質で楽しむにはEX1000がオススメ!
密閉型インナーイヤーレシーバーの最高峰として、2010年に発売されて以来長期に渡って人気を博しています。
新シリーズXBA-Z5などEX1000よりも高級なラインが発売されていますが、XBというのは低音を豊かに表現するモデルとして位置付けられているので、モニター向けの用途であれば現在でも素晴らしい能力を持った機種と言えます。
ただし、若干表現が淡白な傾向があり、あっさりとしすぎていると感じる人も多いはずです。
特にゼンハイザーのIE8、IE800などの昔から人気の重低音系のモデルや、オルトフォンのe-Q7など(少し過剰なくらいに)感動的な表現をするイヤホンからEX1000に移った場合、低音域やヴォーカルの声の質感などに物足りなさを感じるかもしれません。
EDMなどダンスミュージックやクラブミュージックを楽しむのであれば、ゼンハイザー・オーディオテクニカ・ソニー等の重低音モデルを選ぶと良いです。
オススメのジャンル:クラシック・ジャズ
Sennheiser IE80
ゼンハイザーのミドルエンドモデルであるIE80。
こちらも2011年に発売したモデルです。こんな話をするのもアレですが、機材古くね?と思われる方も多いはずです。
今回紹介する機種は全て所有している機材ですが、実のところ全て2年〜3年以上前に購入した品々ばかりであり、それからポータブル・オーディオの趣味から離れていました。
IE80は若干古いですが、現在でも発売されているので紹介させてもらいます。
さて、IE80ですが大人気のIE8から正常進化したモデルで、豊かな低音とディレイの少ない後の惹かない音はロックやEDMなど、アンプを通して大音量で聞く音楽に向いています。
もともと低音域というのは耳だけでなく、大型スピーカーを経て全身で感じるものなので小さなハウジングであるイヤホンで表現するのはとてもむずかしいものです。
元々マイクやレコーディング機材を発売していたドイツのゼンハイザーは、その低音域表現に関しては逸品です。
日本でもSOLIDBASS(ソリッドベース)など、オーディオテクニカが何年も前から低音系の機種を展開していますが、ゼンハイザーと比べるとクラブで箱なりを起こしているようなブーミー感でいま一歩な印象を受けます。
ゼンハイザーのIE80は手の届き安い3万円前後の値段帯でありながら、音質に妥協していないというのが素晴らしいです。
一方、少し低音が強すぎるので、長期間のモニタリングで疲れてしまうことがあります。
曲によって、また気分によっては再生機器の方のイコライジングで少し低音を下げると良いかもしれません。
オススメのジャンル:ロック・メタル・EDM・R&B・ダンスミュージック
Ortofon e-Q7
オルトフォンというメーカーをご存知でしょうか。
昔はコンコルドといったようなレコードの芯を販売していたメーカーで、日本でも未だ尚オルトフォンの芯を愛用しているオーディオファンが多いはずです。
また、2000年前後は同じ名を冠したコンコルド105、205、305と言ったコンパクトなブックシェルフ型のスピーカーもリリースしていました。
オルトフォンの特徴はまったりとしたサウンドに豊かな弦楽器の音とヴォーカルの声の表現力です。
日本人の母国語の発声音や、日本の感性に合わせてチューニングされたというそのイヤホンは、他のメーカーでは一切見かけることのない独特な表現をします。
低音が出るタイプではありませんが、「女性ボーカルの声」と「ピアノの音」、「バイオリンの音」に関しては高級イヤホンでも表現できないような魅力を表します。
e-Q7と似た特性のスピーカーでオルトフォンのコンコルド205というスピーカーがありますが、こちらは実売6万円程度のコンパクト・ブックシェルフにもかかわらず、B&WのPM1というペア20万円以上のスピーカーより「声」の表現が得意なのです。
同じようにこのe-Q7はゼンハイザーのHD800など高級なヘッドフォンと比較しても色褪ない音色を発します。
ただ得意不得意が大きいため、苦手なジャンルが多いのが問題です。
10人中8人は「微妙かな・・?」と思うかもしれませんが、残りの2人は感動して何年でも愛用できるような製品です。
オススメのジャンル:女性ボーカル・ピアノソロ・バイオリン系・和楽器
イヤホン・ドライバーの種類
イヤホンの中にはドライバーという、振動板を震わせる機構が入っています。
お店などで実際に選ぶときや、カカクコムなどのネットでも頻繁に出てくる話題なので少し勉強しておくと良いです。
ダイナミック型
多くのスピーカーやヘッドフォン(オーバーヘッド)に採用される方式です。
電気信号を受けたボイスコイルが、振動板(ダイヤフラム)を前後に振動させることによって音を出します。
一般的にはパワフルで、低音の表現に豊かと言われています。
バランスド・アーマチュア型(BA型)
主にイヤホン(カナル型)に採用されるドライバーユニットです。
もともとは補聴器用として採用されていたものをオーディオ用に改良したもので、クリアで透き通った音を出します。
機構が小型で、1つのイヤホンにたいして複数のユニットを搭載できるのが特徴です。
つまり、ユニットにより音域を少しずつ変化させる事ができるので、細かい音を表現することができます。
ハウジング・ステムとは
イヤホンを構成しているドライバーユニット以外の部分についても説明したいと思います。
ハウジング
ハウジングというには、ドライバーユニットを収納している箱のような部分です。
スピーカーでいうキャビネット・エンクロージャーに当たる部分に似ていると言えます。
ただ、実はイヤホンの場合は音を反響させるのを目的としていません。
むしろ反響を少なくするのが課題となっています。内部残響と言って、ドライバーユニットから発せられた音がいつまでもハウジングの中に残って、次に出てくる音を濁してしまう事が音質の悪化につながる事が多いのです。
つまり内部残響を少なくするマグネシウムなどの特殊な金属の素材を用いて反響を消すというのが高音質に繋がります。
ハウジングの形というのもメーカーによって異なり、ここの形状によっても個性的なイヤホンが生まれますね。
ステム
ステムとはイヤーチップを装着する円柱型の部品の名称です。
アルミを綺麗に削りだされたりと、メーカーによっても素材が異なります。
カナル型イヤホンはイヤーチップを自由に変えれるように設計されており、自分の好みのものをはめる事ができます。
このイヤーチップというのが面白いことに音質の変化に影響があると言われています。
確かに素材によって音の通し方や反響の仕方が異なるので、実際に何種類か試しながら自分の好みの物を選ぶと良いですね。
高級なイヤホンには予め何十種類もイヤーチップが付属していることも多いです。
また、サイズによっても音質が異なりますので一番合うサイズを選んでステムにつけるとよいです。
ステムは音の出口となっているので、普段から清潔にしておくのが重要です。
ゼンハイザーやソニーなど多くのメーカーの高級イヤホンには、ステム部分の清掃キットが付属している事が多いので、それを利用するのが良いです。
ごく柔らかいブラシで汚れを落とすのも有効です。
スペック表の見方
イヤホンを選ぶときに重要なスペック表。
車などでも必ずスペック表がありますね。例えば、パワー(馬力)やトルク・乾燥重量など、こういったスペックをみるだけでなんとなく性能が分かります。
同じようにイヤホンでもスペックをみることによって、実際に試聴する前にもそのイヤホンがどのような特性かなんとなく分かるようになります。
また「高インピーダンス」のイヤホンは駆動力のあるポータブルヘッドフォンアンプが必要になる。など、そのイヤホンの性能を引き出すためになにが必要かも分かります。
周波数帯
イヤホンが再生できる音の幅を示す数値です。
最近の製品では、◯◯◯khzまで再生!などと、高周波数帯をPRする製品もありますが
人間の可聴域は20hzから20khzと言われているので、聞こえない音が出ても意味がありません。
ただ、子供は別でモスキート音と言って大人になると聞こえなくなってしまう音域があるようです。
大人には聞こえなくても、身体には影響があるので超高音域だけを聞きすぎるのは耳に良くないとも言われています。
インピーダンス
この数値が高いほどケーブルに乗るノイズを抑える事ができます。
もともと低インピーダンスのイヤホンが多かったのですが、出力の高いポータブルプレーヤーや専用のヘッドフォンアンプが増えたことから、各メーカーが音質を重視した高インピーダンス商品をリリースするようになりました。
例えば、beyerdynamic DT 880 PROやSennheiser HD650は各250Ω、300Ωと高インピーダンスに設計されています。
これはプロフェッショナルモデルでレコーディング・スタジオなどのラックに収納される専用アンプでの使用を想定しているためです。
同じようにイヤホンにも高インピーダンスのものがありますが、高出力のアンプを必要とします。
高インピーダンスのイヤホンをiPhoneやiPodなどのパワーのない再生機器に接続すると、音が極端に小さく聞こえたり、モヤモヤと雲が掛かったような悪い音質になったりすることが多いです。
ですので、高級イヤホンを購入するときには、自分の機材にインピーダンスがあっているかを確認しましょう。
感度(能率・出力・音圧レベル)
スタジオではレコーディング用のマイク(ダイナミック・コンデンサ)などで良く聞くワードですね。
ポータブルプレーヤーとイヤホンで聞く感度というのは、プレーヤーからの一定の電力に対してイヤホンから出力される音量を指します。
数値が大きいほど、効率よく大音量を表現できます。
例えばB&Wのスピーカー製品は能率が低いモデルが多く、アンプのボリュームを12時方向近くまで回さないと鳴らないような物が多いです。
スピーカーでは「鳴らせる」という表現がしばし用いられ、そのスピーカーを駆動できるか?がテーマとなります。
イヤホンでも感度が低いモデルであれば、高性能なプレーヤーが必要になりますね。
選び方まとめ
しばしネットで「◯◯◯こそ高音域なイヤホン」など言われることがありますが、自分が一番好きな音の製品を選ぶことが重要です。
それがもし、アップルの純正の白いイヤホンであれば、それで良いのです。
もちろん事前に調べる事は大切ですが、イヤホンを選ぶ最後は「自分自身が長期間使いたいか」を最重要に考えることが大切ですね。
好きな曲に対しての試聴が有効
どんなに優れたイヤホンであっても、得意なジャンルや苦手なジャンルがあったりするものです。
ですので、イヤホンを買う前は自分が一番好きな曲、また聞き慣れた曲で試聴するのが大切です。
これはオーディオ店での購入全般的に言えることで、高級オーデイオ店には自分のお気に入りのアルバムを持っていくのが一般的です。
ヨドバシカメラやビックカメラ、イーイヤホンなど沢山のイヤホンが並んでいるお店に、いつものプレーヤーを持って行き試聴しましょう。
高級品と安価な製品との比較
インターネット上だと高級な製品を持っている=偉いという風潮が少なからずありますが、実際に普段イヤホンを使うのは自分だけなので安くて良い製品があればラッキーなわけです。
つまり、試聴するときには最高級品をまず試聴して、その後に順番に価格が安いモデルを試聴してゆくと良いです。
そうすると5万円の商品に音質が似ている2万円のイヤホンがあるかもしれませんし、1万円程度で5万円の商品の9割近い音質を持ったものもあるかもしれません。
一眼レフデジタルカメラの世界でも、「シンデレラレンズ」などといって、価格の安いレンズが、超高級レンズをこす画質になる場合があるそうです。同じようにイヤホンでも超高級機種よりも魅力的なイヤホンが安い価格であるかもしれません。
いかがでしたか?イヤホンのオススメと選び方。
是非、試聴に行って自分にあったイヤホンを見つけて下さいね!!