せっかくイタリアに行くのだからファッション関係のアイテムをたくさん買いたい!
けどセールの時期でもないし、安く買えるところはないのか??と疑問に思ったあなたのために、イタリアのアウトレット事情を紹介します。普通はイタリア特派員の人が取材しますが、今回はいつもファッションのことばかりを考え、書いている「大人になれる本」の田中山本が直々取材!
なぜってイタリアに大人本駐在員はいないからね!でもおかげでかなり詳しく評価できるので、ぜひ参考にしてくださいね。
イタリアの代表的なアウトレットモールは2つ
イタリアでアウトレットに行こう、と日本人が考えた場合、候補にあがるのは2つ。
・フィレンツェ近郊のThe Mall ザ・モール
・ミラノからアクセスのSerravalle Designer Outlet セラヴァッレ・デザイナー・アウトレットです。
今回はこの二つの特徴と評価を、詳しく書いていこうと思います。
The Mall ザ・モール
The Mall ザ・モールはハイブランドばかりが集まったアウトレット。ターゲットは観光客にしぼられており、まったく観光客しかいないといった調子です。
グッチ、プラダを始めとして、ボッテガ・ヴェネタやTODS トッズ、フェラガモ、フェンディ、ディオールなど女性に大人気なハイブランド、トム・フォード、ゼニア、ロロピアーナなどのラグジュアリーブランドが勢揃いです。
商品はイタリアならではのものもあれば、日本で見かけたことのあるようなアイテムもあり。値段は日本のアウトレットでも同じような値段で買えるものから、ずいぶんとお買い得なものまであります。
特に言えるのはミュウミュウなど、靴系は日本よりも安く手に入る可能性が高い。またブラウスなども、日本に比べかなり安くなっています。
男性であれば、ゼニアのシャツやジャケットは日本とは比べ物にならないほど充実していて、選択肢が広い上に安く、日本のアウトレット価格からさらに30〜40オフで手に入るものも多いです。アルマーニは正直品揃えも日本と変わりませんし、値段もほぼ同じです。
このThe Mall ザ・モールは普通の人にとっては殆ど欠点のないアウトレットですが、例えばイタリア・ファッションが好きな男性などには全くおすすめできません。
なぜならイタリアでイタリア人が買うようなアイテムは殆ど扱っていませんし、ハイブランドの方もアジア市場を意識した製品ばかりだからですね。
例えばバッグを見てみましょう。イタリアのハイブランドのブティックでは、総本革の美しいボストンバッグが販売されていますが、The Mall ザ・モールではナイロンを使用した量産のものばかり。これは明らかに中国人観光客の好みに合わせた品揃えです。
ちなみにThe Mall ザ・モールの客は8割が中国人で、それ以外が日本人及び欧米人です。
Serravalle Designer Outlet セラヴァッレ・デザイナー・アウトレット
先ほどのアウトレットが観光客向けなのに対し、セラヴァッレの方は現地人が非常に多いアウトレットです。中国人観光客はほとんどおらず、日本人もなかなか見かけません。
さらに品揃えの方も、イタリアで人気なファッションブランドや現地の中堅ブランドなどが多く集まっています。ハイブランドの靴やバッグが欲しい人には「知らない、地味なブランドばかり」となること間違いなしですが、その代わりイタリア・ファッション好きにはたまりません。
例えばLARDINI ラルディーニのアウトレット。日本ではセレクトショップでしか買うことのできないこのブランドのジャケットやシャツを店舗で大量に見ることができ、さらにはアウトレット価格で買える。
こういったブランドが好きな人にはたまりませんね。
しかもその他BOGGIなど日本では殆ど手に入らず、イタリアで人気なブランドも多数入っていますが、こちらでは日本で3万円で売られているPT01などのチノパンと似たアイテムが5000円で買えます。またイタリア製シャツも日本では最低2万円ほどしますが、それだけあれば3枚か4枚は買えます。もちろんクオリティはベストではありませんが、非常に役に立つアイテムばかり。
大人になれる本でイタリアン・メンズファッションにはまった人はこちらのアウトレットしか無いでしょう。
他にも、このアウトレットにはブリオーニのような一流ブランド、サルトリア・ロッシなど質の良いドレスアイテムを扱うブランド、日本ではシップスとコラボをしているヴァルディターロなど、安く良いものが手に入るブランドが多数並んでいます。
ぜひチェックしてみましょう。
ちなみにハイブランド系レディースの靴やバッグなどはあまり充実しているとは言えず、そういったものが欲しい人には間違いなくThe Mall ザ・モールの方がおすすめです。
イタリアのアウトレットは安いのか
イタリアのアウトレットと言えば、格安でイタリアブランドのアイテムが手に入るイメージがありますが、実際には完全にブランドや物によります。
正直なところ御殿場プレミアム・アウトレットとそれほど変わらないブランドもあれば、そもそも日本ではアウトレットプライスで入手することのできないブランドもある。
ただ、全体的に言えるのはイタリアのアウトレットは割引率が低いことが多いです。特にセールの時期でなければ、40%から50%が普通。
いつでも〜80%でちらほらとセールをやっている日本のアウトレットよりも、お買い得感は少ないです。
しかし忘れてはならないのは、定価が日本と違うということ。
例えばイタリアのアウトレットでは定価およそ15000円のシャツが8000円ほどで売っていたりしますが、日本で買おうとすれば定価4万円はするようなものが多い。そういうところを的確に判断し、どれか得かを見極めることできる人に、イタリアのアウトレットはおすすめなのです。
また特にセラヴァッレの方は、イタリア系ファッションが好きな人には、選択肢が多いのが大きなメリットになるでしょう。
日本のアウトレットでは店の15分の1ほどしか置かれていない、わずかなイタリア系アイテムを漁っていることかと思いますが、イタリアに行くと殆どのブランドがイタリア製やイタリア的なディティールを持つ、ジャケットやシャツなどのドレスアイテムばかり。
ジャケパンに合わせやすいチノパンやスカーフなど、日本では選択肢があまりにも少ないものが、いくらでも選べる。さらにシャツやジャケットなど、日本では際物のかなり変わった柄や色のアイテムしかアウトレットに入りませんが、イタリアでは白シャツや紺のジャケットなど、オーソドックスで使いやすいアイテムがいくらでも選べる。
これはイタリアのアウトレットの大きな魅力です。
ただ先ほどからも書いているように、The Mallは特にハイブランドの商品はそれほど日本と変わらず、それほど得とも言えないことが多いです。そういうわけで、イタリアのアウトレットに言った人の感想をネットで見ると「たいしたものは置いてなかった」となるわけですね。
自分が何を探しているか、はっきりさせ、それでも行きたい人が行きましょう。
イタリアには街中にアウトレットがある??
実はイタリアにいくと、街中で時々outletの文字を見ることがあります。そう、街の中でまるで普通の洋服屋のような小さい店舗でアウトレット商品を売っている店があるんですね。
イメージで言うと、ちょうど日本の小さな古着屋さんをそのままアウトレット商品に買えた感じです。
そういったところで扱っているのは、グッチやプラダなどの服ではありません。
街中でイタリア人相手に売っているだけあって、イタリア人の好むものが多いです。
例えばフィレンツェにあるアウトレットのお店では、Jacob Coenヤコブ・コーエンのデニムやLARDINI ラルディーニのジャケット、Cruciani クルチアーニのニットなどといった、実力派ブランドのアイテムや、無名ブランドのものが並んでいます。
そのため、自分の目で見て服の善し悪しが分かる人であれば、かなりの掘り出しものを見つけられる可能性も高く面白いですが、ハイブランドが好きな人にはおそらく殆ど面白くありません。
いかがでしたか??
今回はイタリアのアウトレット事情を紹介してみました。ファッション王国であるイタリアに行くからには、ぜひお買い物を楽しんできてくださいね!