ゼニアのデニムの特徴
ゼニアはイタリアを代表する高級服地ブランド。良質な原毛を買い付けしたあと契約した「ミル」に生地として織ってもらい、それをコレクションとして発表するいわゆる「マーチャント・ブランド」です。
ゼニアのイタリアらしい繊細で艶やかな生地は全世界のスタンダードとなっており、日本を始めあらゆる国でデザイナーズブランドのテーラードウェアやセレクトショップのオリジナルスーツなどに使われています。
そんなゼニアも自社の生地を使って製造したスーツやジャケット類を展開しているのですが、今回のZZEGNA ジーゼニアは中でも、ゼニアの素晴らしい生地を生かしたモダンでカジュアルな服を中心とするブランドラインとなっています。
このゼニアのデニムの最大の特徴はやはり、複雑な光沢感と深い色味を持った生地でしょう。
デニムは様々なラグジュアリーブランドが扱っているアイテムですが、アルマーニやエトロなど他の有名イタリアブランドがデザイン性をメインに打ち出しているのに対し、ゼニアは非常にシンプル。しかしこのブランドのものほど生地のラグジュアリーな雰囲気を生かしてシンプルに美しい仕上がりとなっているデニムはなかなか見つかりません。
ただシンプルとは言っても色合いの表現は非常に手が込んでいます。例えば色の褪せた部分はブルーが強くなり、そうでない部分はビリジアンのような深い緑の色合いになっていますね。まるで深海のような色です。
ちなみにポケットのステッチがZになっているのも細かいことですが、嬉しいところです。
さらにディティールを詳しく見ていくと、このデニムが非常に股上の深いデザインとなっていることが分かりますが、これはこのデニムがジャケットスタイルなどに合わせてチノパンのように使われることを想定されているためですね。
そのためシャツをタックインして着るような綺麗めな着こなしには非常に相性が良く、逆にTシャツなどと組み合わせるのは少し難しいと言えます。
このデニムの詳細
ブランド Zegna ゼニア
種類 デニム
購入日 2014年7月2日
参考価格 38000円
ハイブランドのデニムの傾向
先ほども少し書いたように、デニムは様々なハイブランドやラグジュアリーブランドが扱っている定番アイテムです。もともとシンプルなデニムというアイテムの特性から、ブランドによって現れる個性が逆に目立ってくるのもおもしろいところですね。
参考までに代表的なハイブランドのデニムの傾向について、少し書いておきましょう。
◯アルマーニ
まずアルマーニには、デニムを扱うブランドラインが4つあります。アルマーニジーンズ、エンポリオアルマーニ、アルマーニコレツィオーニ、ジョルジオアルマーニですね。
アルマーニジーンズの低価格帯ラインは、いわばディーゼルのスタンダードなグレードと同じような品質。特別感はなく、アルマーニである必要はないかな、という印象です。アルマーニジーンズのラインでおすすめはイタリア製の上位グレード。こちらは生地や縫製のレベルが高く、ちょうどディーゼルのイタリア製グレードと同じくらいの品質です。なんとなく特別感のある、ダメージ加工が美しいデニムを探している人はこのラインが良いでしょう。
エンポリオアルマーニのデニムは、言ってしまうとロゴ代がやや高い印象。デニムのグレードはまずまずなので、他のブランドラインの方がおすすめです。
アルマーニコレツィオーニのデニムはシンプルなものが多い代わり、生地の質が良いものが多いのが特徴。もともとジョルジオのビジネスラインとして生まれたラインだけあり、アルマーニでありながらも上品で使いやすいものが多いです。
最後にジョルジオは、シルクなど特殊な素材を使った特殊なデニムが多い印象。いかにもアルマーニらしい特別なアイテムばかりなので、そういったものが好きな人にはおすすめです。
◯ディーゼル
ディーゼルはハイブランドと分類されることもあるデニムブランド。低価格ラインのデニムはこれといった特徴がありませんが、イタリア製のモデルになると複層的でデザイン性の高いダメージ加工の入ったデニムが多くなってくるのが特徴。
せっかくディーゼルを買うのであればこちらがおすすめ。
またディーゼルブラックゴールドはシンプルなデザインのまま、生地を良くした上品なデニムが多いです。
◯エトロ
エトロのデニムは非常に鮮やかな光沢感があったり、ペイズリーが浮かび上がるデザインになっていたりと個性的。シルエットも美しく生地にも高級感があるのでおすすめ。
値段帯的にはジョルジオ・アルマーニと変わらないものが多いですが、人と違うデニムが欲しい人にはダントツでおすすめしたいブランドです。