
【レビュー】ヤマハ ミニクラシックギター CS40J【YAMAHA】
「本格的なアコースティックサウンドをコンパクトなボディで楽しむという新しいスタイルを提案するJr.シリーズ。優れた演奏性で、プレイヤーの体格を選びません。」
このJr.シリーズはそんなコンセプトから生まれました。
今回ご紹介するのはその中のナイロン弦クラシックギター、CS40Jです。
基本スペック
トップ材は経年変化を楽しむことのできるスプルース。濃い目のブラウンとオレンジの中間のような色味です。
サイドとバックは生産国であるインドネシアの木材、メランティを使用。共にグロス仕上げで、ツヤっ、テカっとしています。ネックはナトー、指板はローズウッドです。
made in インドネシアの文字が。
音叉マークは↑のような感じです。
ちなみに、2011年7月下旬以降に以下の点に仕様の変更があったようです。
・ヘッド形状、サウンドホール装飾を昨年発売したCGシリーズ同様のデザインに変更
・ヘッドに音叉マーク
・ネック背面をつや消し塗装に変更
写真では分かりにくいかもしれませんが、わたしの所持しているものはネックがつや消しタイプのため、2011年以降のものということですね。なるほど。
スケールは580mm、全長922mm。普通のギターのスケールは650mm程度のものが多いので、その小ぶりさを数字からも伺えます。ジュニアと付くだけあって本当にかわいらしいサイズ感なのです・・・。
専用サイズの簡単なソフトケースが付いてきて、すぐに一緒にお出かけできますよ。
価格からは想像できない丁寧な作りと独特の音色
メーカー希望小売価格16,000円(税別)という価格からは想像できないしっかり感。いざ弾いてみると、普通のガットギターをそのまま小さくした、という印象です。低価格ながらいいものを作ってくれるのは嬉しいですね。
音色は見た目の持つ印象どおり、やさしくやわらかい。小さいボディながら豊かな表情を持ち、明るくもしっとりした独特の音色。なぜか少し懐かしさも感じさせるメランコリーな音色です。ジュニアギターだから、とこの音色をただチープと言い切るには語弊があるでしょう。このギターでしか鳴らすことのできない音を、きちんと作り出しているのが素晴らしい点です。
筆者のもつギターはまだ、木の乾き具合が足りないかなあという音なので、これから少しずつ鳴らし続けてゆくことで出る変化も楽しみです。
青葉市子がライブやレコーディングなどで愛用
その才能で各界の大御所から注目を浴びるへブンリーボイスのシンガーソングライター、青葉市子がこのギターを愛用しています。以前、細野晴臣のラジオ番組にて青葉市子がゲスト出演した際、細野晴臣がこのギターの音色を褒める場面もありました。
↓のライブ映像では、青葉市子の演奏している様子を観ることができます。平賀さち枝が同じくナイロンギターを弾いているので、双方の音色の違いを味わってみてください。このミニガットギターでしか出せない音色を、より理解しながら聴くことができます。
映像でも確認できるように、サウンドホール付近にマイクが付いているようで、このマイクが良いのか、そのつけ方良いのか、それともギターがいいのか・・・、真相は分かりませんが、本当に甘くやさしい良い音で惚れ惚れしますね。いつかわたしも、このギターにマイクorピエゾピックアップをつけて試してみたいと思います・・・。
【平賀さち枝+青葉市子 – ひかりのふるさと @ 月刊ウォンブ! Vol.2】
楽しみ方、いろいろ!ちっちゃくても本格的なギター
トラベルギターはコンパクトでいいものの、形が特殊で結局弾きづらくてうーん、なんてこともありますよね。でも、このミニガットなら大丈夫。出かけ先でもしっかりめ弾きたい方にも良し、バリバリ弾く人が気分を変えて、気軽にぽろーんと弾くというのもおすすめ。
もちろんとりあえずギター買ってみたい、という方や子供の入門用にもいいですね。このギターで楽しくなってしまったり、物足りなくなったら本格的なものを買ってみるというのも良いでしょう。
使う人、シチュエーションに合わせて柔軟な楽しみ方を提案をしてくれる”ジュニアサイズ”の”大人”なギターといった感じでしょうか。
いかがでしたか?
このギターのあなたにぴったりな楽しみ方が見つけられますように。

