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【マニア向け】紅茶のテイスティング方法

お茶のストックに加え、インドから届いた80種類のダージリン。ついに全てテイスティングが終わりました。

やはり一日10種類以上のテイスティングは集中力も必要ですし、どっと疲れも出てきます。
紅茶のテイスティング方法について話したいと思います。

テイスティングカップと正しい選び方

上記の記事を読めばテイスティングカップと鑑定の仕方がある程度わかると思います。
美味しい紅茶を判別できるようにはどのような練習をすればよいか。

それは格別に美味しく、状態の良い紅茶を飲んで、自分の中で「ベスト」の定義を作る事です。
個人的な感想ですが、ダージリンやアッサムなどのノンフレーバード(オーソドックスティー)であれば、下記の販売者は良質と思います。
「リーフル」「ジークレフ」「ロンネフェルト」

リーフルやジークレフは、直輸入で最高品質に近いものを良心的な価格で販売しており、シングルエステート(単一茶園)の中でも特に良い物があります。
ロンネフェルトは単一茶園ではなく、ブレンドベースでメーカーティになりますが、ブレンドダージリンでありながら非常に良好なお手本のようなマスカテルフレーバーを楽しめたり、他の紅茶に関しても妥協のない品質の高さです。

しばしソムリエでは、第一アロマ、第二アロマ、第三アロマと表現します。
これに無理に当てはめるとすると。
第一アロマは品種本来の香り、つまりアッサムや中国種、クローナルから発する香気成分。第二アロマは酸化発酵の過程から生まれる香気成分、第三アロマは樽香など熟成由来ですが、仮にフルーツや香料などの着香とします。

すると、リーフル、ジークレフに関しては第二アロマ、ロンネフェルトはオーソドックスな第一アロマを覚えるにの向いています。マリアージュ・フレールなどブランドティーは第三アロマと言えそうです。

つまり、各それぞれの紅茶の中でも最高品質のものを、何杯も飲むと、自然と基準ができあがります。実際に、それらの紅茶を飲んでからインドから80種類輸入しましたが、良質でとても美味しいと思えたものは5種類程度です。
如何に日本人や他国のバイヤーが優れているかわかります。恐らく本当に美味しいものは既にインド国内には少ないのかもしれません。
フォションやマリアージュ・フレール、ナヴァラサなどに至っては契約茶園があり、一部買い取りや、生産したお茶を全て買い取る契約をしている会社もあります。

ですので、そういった日本で流通している美味しいお茶を飲むことからはじめます。
そして次に、環境を変えてみます。ティーカップを変えてみたり、抽出する水を変える、温度を変える、細かな事でも味が変化することもあります。
また抽出時間を無視することも大切です。以前、紅茶教室に参加したことがありますが、そこでは「必ずパッケージの時間通りに守る」と教えていました。
これではフォションのアップルティーは1分30秒〜3分淹れなければいけません。
相当温度が下がっていないかぎり、フォションのアップルティーは軟水(硬度100度前後)で標準大気圧であれば99~100度で1分もあれば十分に抽出できます。
ドロップする際に、優しく揺らすのか、そのまま注ぎ切るかでも味が変化します。
教室では軽くティースプーンでかき混ぜると教えますが、かき混ぜる必要が無いものもあるので、自分で判断する事が大切です。

また逆に、ダージリンの古い物や、そのリーフの状態によっては、なかなか開いて来ないものもあります。全然味も色も出ない場合は、温度を出来る限り上げたり、時間を5分以上にする事もあります。
そうすることでやっとリーフが開いてくる場合もあるのです。

そして意外にも誰も教えてくれないのが、「マズい紅茶」をどうするか。
マズイ紅茶を美味しくする方法など誰も教えてくれません。マズイと思う紅茶は、上記のような入れ方の変更をしてみて美味しくなるか試します。
それでもダメなら、茶葉を大量に使ってみるという方法もあります。
150mlで3gしか使わないものを、150mlで6gにして抽出時間を半分にしたり、更に倍にして半分の時間にしたりなど、非常識な方法を使うと急に美味しくなることもあります。それでもダメならフレーバードティーであってもミルクを足してみたり。色々と貪欲に挑戦してみましょう。

ということで、紅茶のテイスティング方法でした。

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「【マニア向け】紅茶のテイスティング方法」への2件のフィードバック

  1. 茶の香気は、萎凋、揉捻、ポリフェノール類の酸化(いわゆる「発酵」―厳密には「発酵」と言うのは誤り)を経て生成されているので、品種本来の香、つまり、他の品種との差異により特徴づけられる香も、必然的に上記の過程を経て生成される。よって、上記の第2アロマには上記の第1アロマに当たるものも多く含まれるし、上記の第2アロマでないと強いて言える香(酸化工程以前に発現した芳香物質に主としてよるもの)には、他の品種と共通で、第1アロマには入らないものもある。よって、上記の区別は、茶の場合、区別としてそもそも成り立たないと思われる。

  2. ワインでは可能な上記の区別の中、第1, 2アロマの区別を、茶には無理をしてもあてはめることはできない。ワインで第1,第2アロマの区別が可能なのは、製造前後での原料と生成物との芳香を独立に認識でき、生成物から原料の芳香を推測できるからである。原料となるぶどうの香は、生成物のワインとは別に認識可能であり、かつそれをワインに感じることは可能である。しかし、茶の場合、生成物の茶葉の芳香物質は萎凋、揉捻、ポリフェノール類の酵素酸化(いわゆる「発酵」だが、ワインの場合のような微生物による本来の「発酵」ではなく、製茶のこの工程を「発酵」というのは誤り)という製茶工程を通して生成されるものであり、摘んだ茶葉そのもの香を製茶した茶葉に感じるのは通常可能ではないだろう。例え、第1アロマを、生茶葉の香に基づいてではなく、他の品種との差異に基づいてのみ規定するとしても、それは第2アロマに包摂されてしまう(製茶後の香に品種固有のものと共通のものが含まれる)。(ちなみに、第3アロマを無理に茶にあてはめると、上記のようなものではなく、製茶した茶の経時的変化による芳香の変化ということになる。)

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