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マンションインテリアの基本

マンションインテリアの基本とは、「マンションインテリアの基本は無い」ということです。マンションの歴史としての草創期は1950年代に始まり、大衆化期したのは1960年代後半。つまり日本のマンション文化がスタートしてから、いまだ50~60年しか経っていないということです。西洋建築様式としては、ゴシック、ルネサンス、バロック様式を経て新古典主義、アールヌーボーと遷移してゆきました。1880年にはウィリアム・モリス率いるアーツ・アンド・クラフツという美術工芸運動が引き起こされ、世界的に瞬く間にアールヌーボーがヨーロッパの建築を席巻しました。

その後の20世紀、私達の世代では近代建築運動の時代に推移し、今までの有機的な造形では生産性や経済性に優れないという事でインターナショナル・スタイル、いわば、現在の高級ホテルのようなスタイルが主流となりました。
近代建築の三大巨匠として有名なル・コルビュジエはご存知かと思いますが、「住宅は住むための機械である」という標語はまさに近代建築を表しています。

日本では、大正時代になってから一部のインテリ層や中流階級以上の家庭で、欧風に憧れ和洋折衷様式の家屋を建てていましたが、依然として日本家屋が主流でした。転機となるのが第二次世界大戦による都市部の住宅の焼失で、高度経済成長の復興により今の”洋風住宅”の基礎ができました。

つまりマンションインテリア以前に、日本の”インテリア”という言葉自体が基本が存在しないのです。和洋折衷様式を引き摺った、米国とヨーロッパを足したような謎の様式が一般的になっているのです。オムライスやスパゲッティナポリタンのようなものです。

なぜ本格的な西洋建築が家庭に存在しないかと言えば、建築基準法と調度品による影響と言えます。地震多発する日本では、ヨーロッパのような石材を主体とする建築が不可能ですし、梁(はり)の問題もあります。次に室内調度品ですが、前途で述べた通りインターナショナル・スタイルによって、ゴシックやバロック、ロココ様式の家具の製造は少なく、彫刻や木材などの事情もあり日本で手に入れるのは難しい現状です。

ですので、本格的な西洋建築ではなく、見かけだけを真似した”洋風”の域を出れないのです。それを証明するかのように住宅建築も大量生産のパネル工法やユニット工法が主流となり、家具もイケアのような北欧家具を自称する中国製の量産品が一般になっているのです。

難しい話となってしまいましたが、理想的なマンションインテリアを実現するのであれば、雑誌やインターネットで自分にとっての”理想的な部屋”を見つけて、そのスタイルをできる範囲内で真似をするというのが最善と言えます。

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