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メルカリ、ヤフオク、P2Pビジネスの登場によって、流動性の低い商品も資産になる?

メルカリやヤフオクのビジネスモデルは一般的にはCtoC(Consumer to Consumer・個人間取引)ビジネスと呼ばれています。今まではBtoC会社から顧客、または会社同士との商取引BtoBが中心だったものが急速に個人間のやり取りが盛んになっています。
『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』(田中道昭著、光文社新書、2019年8月20日)を読んで面白い表現があったのですが、これらの取引をCtoCではなくP2Pと表現していました。P2Pとはサーバーからクライアントに通信するという既存の方式ではなく、末端の対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴としています。ノードやハッシュなどの概要は省略しますが、一時期話題になったWinMXやWinnyなどは、中央サーバーが存在せずに末端のもの同士が対等に通信して、ファイル交換をできるようにした仕組みです。

メルカリやヤフオクは厳密にはP2Pとは異なり、会社のサーバーが通信を管理して手数料を徴収し、取り引きの安全性を確保しています。ですが、末端の利用者が対等という意味では的を得た表現といえます。
必ずしも「買い手が偉い」ということはなく、買い手も売り手も同じように公平性を持っています。メルカリは気に入らない値下げコメントであれば、拒否するだけでなく相手をブロックすることも可能です。ヤフオクも入札を拒否して取り引きできなくすることも可能です。

流動性の低い商品も資産になる

本書の一部に「資産の定義を変える」「価格の決定権をシフトする」などとメルカリのシェアリングエコノミーがもららした事象をリストしていますが、今までは新品で何万円もする服が飽きたらクローゼットの奥に仕舞われてしまうか、ゴミに捨てられていたものが、メルカリやヤフオクの登場によって「資産」に変化しました。

本書の途中で挙げられていた例ですが、ある女性は新品の1万円の服の購入に悩んでいたところ、メルカリを検索して7千円で売られていることを確認しました。その女性は安心して新品を購入したそうです。
これは、1万円の服を買ったとしても「7千円にはなるな」という資産の定義を脳内でおこなったからといえます。私自身の男性脳だと、7千円であるならそっちを買ったの?と思うところですが、男女の脳の違いも興味深いですね。また、このプライシングというのも個人間が「価格の決定権をシフトする」ということにつながっています。

いわば全ての世の中のモノやサービスが株の取り引きのように、需要と供給で均衡が取れるようになるということです。例えばトイレットペーパーの芯や空いた牛乳パック、空の卵のパックなど捨てられていたものが、「500円で欲しい!」という人が多く存在して、供給量を上回れば成立してしまうのです!
先ほどの1万円の新品衣類も売る人が多ければ、6千円・5千円・4千円と値段が下がっていきますし、逆に買い手の人数が多く売り手が少なければ、株のザラバ方式のように値段がつり上がっていきます。
これは「資産の定義を変える」「価格の決定権をシフトする」そのものです。

仮想通貨や株は、損する儲かるは別として流動性が高い金融商品といえます。売ろうと思えば仮想通貨は24時時間365日、株は平日の9:00~15:00に容易に現金化することが可能です。

目に見えていない「買い板」「売り板」が存在する

私は今年の3月にカワサキのZ900RSという、大型ネイキッドバイクを購入しました。
【カワサキプラザ】Z900RSの乗り出し価格はいくら? こちらに詳細がありますが、バイクの定価販売価格は1,353,000円です。車検や法定整備やセットアップでの乗り出し価格は1,430,545円、つまり約143万円です。

2021年3月には在庫が少しあり「なんだか人気らしい」という程度だったのですが、6月過ぎて夏になると中古の相場が一気に上がって走行距離1万キロ過ぎている年式に対して状態がイマイチな車両でさえ、140万円前後と新車と似たような価格になってしまいました。

「いや〜!Z900RS人気だな〜!」と思って、つい最近GooBikeをチェックしてみると新車が200万円超で販売されています。それでもドンドン売れていくようです。まだまだ新車で売っているのに、なぜここまで高騰しているか調べてみると、世界的な半導体の供給不足などの事情で新車の納車が遅れているそうです。
それでも、まさか春に143万円で買ったバイクが200万円になるなんて信じられますか?

裕福な中高年が「新車を待つくらいなら、お金を払う!」という強気の買いを行っているので、現物の価格が新車価格からこれほどまで乖離する事態になりました。旧車は台数が限られているので、数年前に200万円あれば買えたZ2(750RS)やZ750FXなどの名車は、軒並み600~1,000万円超えになってしまいました。海外での需要増加も影響しているかもしれませんが、ビットコイン並の高騰具合です。

ポケモンカードや遊戯王なども高騰しているそうですが、商品が簡単に個人間で売買できるようになった今、全ての売買できる物質は株のように資産になり、今まで海外の人などポケモンカードを100万円で欲しい人を探すのが難しかった時代は個人をつなぐようになり流動性が低い商品が資産になる時代が到来したといえそうです。

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