冒頭の通り、28年間暮らしていた静岡市を離れ、つい先月に東京へ引っ越しました。
人口70万人を切って息してない静岡市と比較して東京の生活がどんなものか書いてみたいと思います。
1.意外に快適な東京生活
「まだ東京で消耗しているの?」の某ブログのように、地方=快適、東京=消耗戦。というイメージが強かったので、かなり緊張しつつ引っ越しをしました。
しかし、引っ越してみると思いの外に快適で、静岡市内に住んでいた時と大差ありません。むしろ便利な事ばかりです。
引っ越した先は23区でも中心に近い港区地域ですが、周辺には緑が多く、観光地に行かない限り人通りもさほどありません。休日に渋谷や新宿に行くと地獄のように混雑して心身共に疲弊しますが、平日の昼間に広尾や白金で過ごすのは静岡市と変わらず快適です。
2.住む場所によっては電車は不要
ネットで「東京 住むなら」「東京 引っ越す」などと検索すると、地獄のように混雑する満員電車に死ぬと書かれていますが、私の場合は東京に来て1ヶ月以上、一度も電車に乗っていません。
都心部に限ってはタクシー、バス、徒歩で事が済んでしまいます。
私の住んでいる麻布周辺から六本木までは徒歩で数分。例えば十番から品川駅(新幹線)まで都営バスで210円。新橋や目黒、新宿へも都営バスやちぃばすを乗りこなせば安く空いていて便利です。タクシーを使っても1,500~2,000円で品川・恵比寿・渋谷・銀座まで出ることができます。
池袋などはいささか遠く感じますが、普通に生活(買い物・食事)する分には徒歩で全て済んでしまいます。むしろ静岡市の時はタクシーに乗ると街の距離が長くてあっと言う間に2,000~3,000円を越えてしまいますし、静鉄バスも不便だったのでとても快適に感じます。つまり生活の拠点を決めて引っ越せば、徒歩だけでの生活もできるということがわかりました。
3.車生活は富裕層か元々住んでる人しか難しい
静岡市では、ほとんどの人が車を持っています。好きこのんでバスや電車で通勤しているのは、御幸町・呉服町・中町など、お町の一部だけです。(多分)
つまり多くの人が車で会社に行くわけです。そのせいで平日の朝と夕方は道路が激混みです。静岡県立美術館や総合運動場にいたっては無料駐車場が400台以上完備されているなど、車社会を体現していますし、安倍川の河川敷などには無限駐車場(無料・1,000台以上)があります。

東京の港区に到っては月極駐車場が4〜6万円、コインパーキングも1時間600〜1,200円以上…。車の維持費に最低でも年間48〜72万円が必要です。そこから車検や税金、整備代など掛かります。
つまり東京で車生活している人は年間100万円近いコストを出せる富裕層か、もともと駐車場(家や土地)を持っている人と言えます。
4.地方より自炊生活は便利
スーパーが多く、デパ地下(三越・伊勢丹)から紀伊国屋のようなハイソな高級食材を買えるお店から、明治屋や、マルエツ、成城石井のような中堅スーパー、手頃な価格の地元向け商店街、びっくり屋のような100円野菜まで様々なスーパーが揃っています。地方に住んでいると手に入れるのが難しい食材や調味料が簡単に手に入ります。
しかし、野菜は静岡のJA系列やファーマーズマーケットの方が圧倒的にモノが良いです。自産自消の野菜は形こそ規格外でも、安くて美味しく新鮮なものばかりです。地元で買い物していると、「東京に住む娘に送ってるの〜」などと言うオバサンに出会いますが、友人とさながらUberMaman(ウーバーママン)だねと揶揄しています。
5.東京のレストランは二極化?
しばらく住んで少し外食に出かけましたが、美味しいレストランはあります。しかし安くて美味しいレストランというのはまだ見つかっていません。
非常に高くてウマイ、もしくは安くてマズい、の二極化しているように思えます。
それもそのはず、地方と比べると賃貸が遥かに高いので、その分が上乗せされ食材に掛けれるコストに限度があります。
つまり「千円で美味しいものを食べたい。」というのであれば、静岡市や高知県にでも移住するべきなのです。

あと、美味しいの基準が地方と東京では違うように思います。地方では「鮮度」を最重要して話をしますが、東京では鮮度はもちろん「料理・調理・サービス」を評価します。
静岡の例だと刺し身や野菜の鮮度ばかりが良く、たいした調理でなくても美味しく感じてしまいます。とある美食の男の子が「静岡の寿司はどれを食べてもネタが大きくて、温度が全て同じ」と酷評を下しましたが、どの地方でもその傾向にある気がします。逆に東京の高級店では、食材ありきでなく調理や技術、高水準のサービスを提供して「美味しい」と判断されると感じました。
とは言え、東京にも中華料理やインド料理、タイ料理などは低価格(ランチ2〜3千円)でも美味しいお店があります。
6.東京の人はお洒落か?
お洒落です!しかし驚くほど住み分けがされています。
表参道から原宿まで歩くと小さなセレクトショップ店員のようなモードなコーディネートをした男女が沢山歩いていますし、銀座や日本橋はハイブランドでありながらブランドを主張しないようなシンプルなデザインの服を意識させずにさらっと着ている人が多く、六本木や麻布界隈では洒落たジャケットを着こなす男と100メートルごとに遭遇します。1時間もあるくと、2~3人は振り返ってしまうほどカッコ良い着こなしの男にも出会えます。逆に家電製品を買いに秋葉原に行った時は未だに全身黒色コーデの男や、ブカブカのチェックシャツを着た絵に描いたようなオタクが無限に存在します。
つまり、街(場所)によって自分のしたいライフスタイルを実現しているのが特徴的でした。
7.渋谷と新宿と上野は危険
東京に引っ越しましたが、なるべく行かないようにしています…。他にももっと危険な場所はいっぱいあると思いますが。
まず渋谷、キッズが多すぎます。日本の10代の3割を詰め込んだんじゃないかと思えるほどに若者が多いです。それも髪の毛がカラフルな男女が何千人と歩いています。静岡市では呉服町通りを歩いても10~20人しか若い人がいません(しかも髪の毛は黒い)。精神的に疲れますし、若者向けのお店しかないのです。
表参道から青山に歩いたり、恵比寿に向かうと、多少マシになります。
しかし渋谷と恵比寿は「ドブ臭い」!本当です。駅の公衆トイレより臭い、下水処理施設を探検しているときみたいな臭いが時折漂ってきます。
川沿いから出る生活排水で渋谷川がドブ川化したので、フタをしてそのまま下水路として使うことになったためである。
引用元:ドブ川雑記帳 http://dobungawa.blog92.fc2.com/blog-entry-3.html
次に新宿、危険です。怪しい人がいっぱい歩いています。そして中国人観光客御一行などインバウンドがいっぱい。みんなヨドゥバシキャメラの炊飯器と便座を持っています。そして(私のように)地方から来た人がいっぱい居て過密なので疲れます。都内でも顔色が悪い人が多く、みんな疲れています。
上野も危険です。謎のインド人が多いですし、アメ横など高架下に1000件くらい飲食店があるのですが、どれも安くて謎味(マズいとは言ってない)初見殺しが多いです。ケバブの人とは目を合わせようもんなら、千円ふんだくられます。仲町通りにいたっては初代ポケモンのように、通りに男女がこちらを向いていて、目を合わせた瞬間にバトルが始まります。負けると10万円以上もぼったくられるという凄さ。ナポリのようにカバンをお腹に抱きかかえ、地面を見ながら早歩きで通りすぎるしかないのです。
8.東京の夜遊びにはお金が居る
静岡市で、「よーし!今日は遊ぶぞー!」と思った時の予算は5千円〜1万円です。夕食をビストロで済まし、深夜にバーをはしごしてウイスキーを飲んだ所で、せいぜい1人2万円あれば大豪遊できます。もしも1日に5万円も使おうものなら家康公にでもなった気分を味わうことができます。

しかし港区で、とある2階にある小さなオーセンティックバーに入ったとき、私が適当に並んでいるオールドボトルのウイスキーを頼んだ時にマスターが「高いですよ?」と聞いてくれました。これが九死に一生で、なんとウイスキーがグラス3万円…。キャバレークラブでも高級クラブでもあるまい、小さなバーです。
バックバーのウイスキーを適当に数杯飲んでしまっていたら、その日の会計で月のサラリーが飛んでしまいます。もちろん良心的なお店はいっぱいありますし、そのバーも希少なボトルなので高かったわけですが、港区界隈で美味しい料理を食べて、バーを数件はしごするのであれば最低でも1人5万円、安心して飲むには10〜20万円ほど財布に入れておかないとおちおち呑むこともできません。
その代り、どのお店に入ってもモエ・エ・シャンドン以外のRMシャンパーニュが置いてあるのです。

東京に引っ越して分かったこと
分かったこと…。住む地域によって、住む人が明確に分かれているということです。港区役所には芸能人のような茶髪ロングの美人職員が受付嬢をしていて、麻布のコンビニには「ルイ・ロデレール」が置いてあるし、スーパーには英語ペラペラの白髪のオジさん店員が居ますし、高樹町の高架下にはホコリが被ったベントレーが捨ててあり、ロールスロイスのドーンが恵比寿に路駐されていて、その隣を日の丸自動車学校の若葉マークが通るのです。