コンテンツへスキップ

ダージリン・ファーストフラッシュ【レビューその1】

皆さんは今年のダージリン ファーストフラッシュ(以後FFと省略)は既に飲みましたか???

今年のダージリン FFは当たり年です。どれも味わいに深みがあり、それぞれのキャラがたった風味に仕上がっていると思います。

また温度や茶葉の量に敏感ですので、多彩な味わいを楽しめるのも一つの魅力です。

それでは、レビューをしていきます。

2372

マリアージュフレール ナムリング キングアッパー EX1

こちらのナムリング(ナムリン)茶園は欧米の期待に応え、シーズン早くから茶摘みを始めた茶園です。僕自身もこれほど早いダージリン FFの入荷を目撃したのは初めてです。

ダージリンのロットナンバーは基本、DJなのですが(例:DJ1など)こちらは標高の高い地域しか冠することのできない、EXが使われています。ジンランとプーモングという特別な区画の茶葉しか使用されていません。

まず、茶葉の毛茸(茶葉の表面のうぶ毛のようなもの)がすごい!袋の内側も毛茸だらけで、指でそっとなぞるだけでびっしりつきます。等級はFTGFOP1で、シルバーチップをたくさん含んでいます。

さて、本題の味ですが、凄くクリアな味わいです。雑味が少なく、とても飲みやすいです。ファーストフラッシュを飲んだことがない方もごくごく飲めると思います。

ただ、FF独特の青みやクセ、渋みがほぼ無いので、フレッシュ感を重視する方にはあまりおすすめできません。

ナッツのような香りやパイナップルに近い香りが強めですが、花の香りも少なからずします。コクは普通よりも少ないですがボディがとてもふくよかです。全体的に丸く仕上がったという印象です。

とても淹れやすい、扱いやすいお茶だと思います。95℃で淹れても85℃ぐらいで淹れてもヨシなお茶です。

筆者評価 60点

香り★★★☆☆ 渋み☆☆☆☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★★☆☆☆ ボディ★★★★☆ 50g  4320円

 

ルピシア マーガレッツホープ DJ9

こちらも等級はFTGFOP1です。今までのマーガレッツホープとはかなり変わった味わいとなっています。

焙煎(火入れ)が強く、とても香ばしいです。好みが分かれそうです。

このお茶、茶葉の状態から凄く香るんです。

売り文句どおり「瑞々しい」状態に仕上がっていると思いますが、焙煎が強すぎてFFを飲んでいる気がしません。

超個人的な意見で、香ばしさが去年のサングマのセカンドフラッシュに似ている部分があるなぁと感じました。

コクもFFにしては強めで、ボディもしっかりしていますが…….。

特徴的なパーツ(口に含んだ時に感じる果実感、強めの香ばしさ、舌にまとわりつくような旨みなど)が揃いすぎていて、とても自己主張が激しいお茶だなと感じました。よって協調性が無く、全体的にまとまっていないと感じました。旨味は強めでした。

正直僕は苦手ですが、もちろん好きな方はたくさんいらっしゃると思いますし、これほどまで鮮烈に香るお茶は、恵まれたダージリンの気候が生み出した逸品と言えるでしょう。

筆者評価 55点

香り★★★★★ 渋み★★★☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★★★☆☆ ボディ★★★★☆ 50g 3000円

 

ルピシア ピュグリ アハーナ DJ5

こちらはAV2というクローナル品種から作られたお茶です。茶葉もシルバーチップが多く、綺麗に撚られているので丁寧に仕上げられたのが分かります。

基本的にAV2は渋みがなく、飲みやすいです。また、かなり華やかな香りが特徴的です。

このお茶も飲んだら一発でAV2だと分かる程AV2の特徴が出ています。また、青さも出ているので、FF感も十分楽しめると思います。

コクはFFにしては強めですが、すっきりした印象もあります。ボディは軽くてふわふわしています。しかし、どこかに飛んでいきそうなふわふわ感ではないので、安定して淹れることができると思います。また、飲みやすいのでFFを飲んだことが無いという方にもおすすめできる一品かと思います。

特筆すべきは表現力。一口飲んだだけで、鮮やかな緑の茎を持つ濃すぎも薄すぎもしないピンクのユリのような花が、日の出をバックに咲き誇っているような印象が浮かんできたので「うお~」とか思っていました。

後々聞いたところ、「アハーナ」とは「日昇」を意味するそうで…。初めて名前(?)に共感できた気がします。FFらしい青さと、華やかなAV2の香りのバランスが取れていると思います。

店員さんにどれが一番美味しいかと訊いたところ、このお茶を挙げた店員さんが最も多かったです。

筆者評価 70点

香り★★★★☆ 渋み★☆☆☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★☆☆☆☆ ボディ★★★★☆ 25g 2250円

 

ルピシア タルボ ムーンストーン DJ20

こちらはAV2ではありませんが、クローナル(ハイブリッド)品種です。しかし、他のクローナル(ハイブリッド)とはかなり変わっています。こちらも茶葉のサイズが随分大きめです。

クローナル(ハイブリッド)というとほとんど花に近い香りがし特有のクローナルフレーバーを備えていますが、このクローナル(ハイブリッド)はマンゴーなどの果実に近い香りがすると感じました。もちろん花の香りもしますが…..。チャイナのタルボをクローナル(ハイブリッド)のタルボをブレンドしたみたいなフレーバーなのですが、単一ロットだと分かる不思議なフレーバーです。またクリアな飲み口で、雑味がありません。

茶葉も抽出液自体ももの凄く香って、冷めても香りが残るしエグい要素が全くありません。ボディも非常にふくよかで、抽出液を口に含んだだけでかなり香ります。かなり立体感のある味わい&香りです

ひとことで言い表すならば「繊細で面白い」です。こちらも渋みが少ないので非常に飲みやすいです。とても面白いので是非一度飲んでみることをおすすめします。また、85℃ぐらいの温度で淹れると繊細さが増して、より楽しめると思います。

筆者評価 75点

香り★★★★★ 渋み☆☆☆☆☆ 甘味★★★★★ 余韻★★★★☆ コク☆☆☆☆☆ ボディ★★★★★ 25g 2630円

 

ルピシア タルボ DJ6

こちらは先ほどのタルボとはうって変わってチャイナのタルボです。

このお茶は、茶葉の状態からかなり香ります。果汁を凝縮したような、蜜のような甘い芳香がぶわっとくるのが特徴的です。

中国茶にも似た深い余韻」と商品説明にありますが、きっと鳳凰単叢を意識しているのかと…。コクは無…ではないが無と言っても過言ではない。

タルボにしてはキリっとした渋みで、すっきりした飲み口です。少しタルボにしては大人しめかな…。クローナルとは、やはり一風変わった甘味渋みと甘味のバランスが取れていると思う。

THEチャイナみたいな感じなのでチャイナが好きな方は好きなフレーバーだと思います。

筆者評価 65点

香り★★★★☆ 渋み★★★☆☆ 甘味★★★☆☆ 余韻★★★★☆ コク☆☆☆☆☆ ボディ★★★☆☆ 50g 2800円

 

ルピシア オレンジバレー ブルームフィールド DJ7

こちらはオレンジバレーの中でも標高の高い地域で栽培されたチャイナしか使用されていないロットです。

筆者はこの茶園は最近成長が著しいと感じています。毎年ごとにクオリティが上がっている茶園という超個人的なイメージです。

まさしく柑橘系の香りで、茶園名にピッタリ。すっきりしたフレーバーで、とても青いです。爽やかでフレッシュなFFが好きという方にはおすすめの一品です。

また、上記のような特徴を備えているので、アイスティーにすると美味しさUPです。実際このお茶のアイスティーの試飲も頂きましたが、ものすごく相性が良かったです。

柑橘系の香り以外に特徴的なのは、キリッとした渋みです。全体的に標準的な農園物FFですが、この軽快でメリハリのついた渋みと柑橘系の香りと強めのグリニッシュさがオレンジバレーの個性をひきたてています。まぁ、全体的に丸く仕上がっていると思います。あま~いFF好きな人は苦手かも….。

今期のダージリン FFを飲んでこれが一番青い、グリニッシュさが一番際立っていると思いました。まさしく「ブルームフィールド」!

筆者評価 60点

香り★★★★☆ 渋み★★★☆☆ 甘味★★☆☆☆ 余韻★★☆☆☆ コク☆☆☆☆☆ ボディ★★★☆☆ 50g 2500円

 

第一弾はこれで終了です。

いろいろ書きましたが、百聞は一見にしかずです。試飲可能なメーカーさんも多いので是非試してみてください。きっと好みのFFが見つかると思います。そして、旬のお茶を存分に楽しみましょう!!!

第二弾も執筆する予定ですので、乞うご期待!!!

2373

私はこの度、このウェブマガジンで新たに執筆させていただくことになった、だーじ凛と申します。お茶(特に紅茶)に関わることを中心に幅広く(産地、淹れ方、ティーウェア、歴史、豆知識etc…)執筆していきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

ダージリン フグリ Phuguri茶園 – 大人になれる本 へ返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

都会の喧騒を忘れさせる『朝香珈琲』。東京各地の魅力をブレンドに込め、洗練されたデザインのパッケージで、あなたのコーヒーライフに上質なひとときを提供します。
copyright otonaninareru.net