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【紅茶の女王】ダージリン・セカンドフラッシュ【レビュー その1】

皆さんこんにちは!だーじ凛です!

今回は2015年のダージリン・セカンドフラッシュのレビューをしていきたいと思います。

ダージリン・セカンドフラッシュとは数多くあるダージリンの収穫時期の中でも最も上質なダージリンが収穫できる夏に摘まれた、夏摘みのダージリンのことです。ダージリンの最高級品もこのセカンドフラッシュから輩出されます。

特にマスカテルフレーバーという特有のマスカットの果実やマスカッ甘い蜜のような香りを持つものがセカンドフラッシュの中でも高値で取引されます。

マスカテルフレーバーとは「ウンカ」という緑色の小さい虫が葉を噛むことによって得られる特有の香りのことを指します。噛まれた部分が自然発酵し、とても甘い香り「マスカテルフレーバー」を生み出すのです。

世の中に出回るダージリン・セカンドフラッシュは、マスカテルフレーバーを売り文句にしているものが多いですが、マスカテルフレーバーを顕著に持つダージリン・セカンドフラッシュはごく僅かです。マスカテルフレーバーを持つダージリンのほとんどは、農園の名が冠され、ロットナンバーが付いたもので大体50gで3000ぐらいが相場です。安価なブレンド物で「マスカテルフレーバー」を名乗るものはほとんど紛い物ですのでお気を付けください。「マスカテルフレーバー」は、試したことが無い方でも一発で分かるぐらい特徴的な、蜜のようなマスカットのような甘い甘い香りです。是非お試しください。(一般的にマスカテルフレーバーを持つダージリン・セカンドフラッシュは中国種/チャイナから製茶されるみたいです。)

しかし、「マスカテルフレーバー」を持つダージリン・セカンドフラッシュだけが良質といったわけではございません。ダージリン・セカンドフラッシュ自体が水色、渋み、香りの高さ等々、紅茶としての本質が優れているのです。マスカテルの点や本質的に優れている点から、ダージリン・セカンドフラッシュは「紅茶の女王」や「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。

焙煎度の低いファーストフラッシュに比べ、セカンドフラッシュは焙煎がしっかりと入っているものが多いので、焙煎香を楽しめるのも特徴的です。

また中には、マスカットに似た香りではなく、プラムやシトラス系の果実に似た香りや花に似た香りを持つものも多くあります。

それではレビューをしていきます。

ルピシア キャッスルトン マスカテル DJ149

こちらはルピシア商品内で唯一「マスカテル」の名を冠した一品。もちろんといってはあれですが、今回テイスティングしたセカンドフラッシュ(以後SFと省略)の中では最も顕著にマスカテルが現れた品です。

口に含むと、焙煎香がトップノートから存在感を発揮してリードします。その後にマスカテルが追いかけてくるような味わいが印象的です。やはりここ数年の中ではボディが軽めかな~といった感じのボディです。去年はキャッスルトンSFの中でも焙煎香が他の要素と調和せず、違和感だらけのロットが飲んだ中で一つ程あったのですが(もちろんその他のロットには美味しいものがありました)、これはかなり上手く焙煎香と味わいの調和が取れているロットではないかと思います。

ボディもふくよかですが、余分なところが全て削ぎ落とされたような洗練された印象があります。シンプルでかなりおしとやかなマスカテルです。

余韻は強烈に残すといった表情は無く、ふんわりと残すような余韻が印象的です。流れるようになめらかなノートとのど越しで、飲んだ直後にスッと感じる雑味のない余韻です。

水出しでもマスカテルが分かります。

美味しいのですが予算と折り合いが付かず、他の商品を購入しました。「THE マスカテル」といった感じのSFをお求めの方にはとてもおすすめです。

 

筆者評価 70点

香り★★★★☆ 渋み★★★☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★★★☆☆ ボディ★★★☆☆ 50g 3180円

 

ルピシア セリンボン DJ76

去年は素晴らしいマスカテルを生み出してくれた、こちらのセリンボン茶園(確かDJ44だったかな)。それまでは香ばしいSFが特徴という印象でしたが、こちらのロットは去年のセリンボンSFとそれより前のセリンボンSFを1:1で混ぜたような味わいがします。

鮮烈なマスカテルといった表情はないものの、赤葡萄系(巨峰ではなくレッドグローブ系の香りで、渋味もレッドグローブの皮を弱くした感じ)の表情を持っているロットです。それほど強くなく心地良い焙煎香に、アクセントとして赤葡萄系のフルーティーさが入っており、香りとしてもとてもバランスが取れていると感じました。

味わいとしてもかなりバランスが取れています。渋みはそれほど強くないのですがキレがあり、余韻として後味に渋みが残ります。

こちらは「チャイナ」特有の香りや味わいの繊細さや複雑さがとてもよく出たロットだと思います。また、本質的な味わいの観点ではかなりのクオリティだと思います。

チャイナ特有の味わいや香りをお求めの方や、バランスが取れているSFをお求めの方にはかなりおすすめできるロットです。

 

筆者評価 70点

香り★★★☆☆ 渋み★★★★☆ 甘味★★★☆☆ 余韻★★★☆☆ コク★★★☆☆ ボディ★★★☆☆ 50g 2080円

 

ルピシア サングマ DJ163

こちらのロットは物凄くしっかりした重厚なボディと焙煎香が特徴的です。香りは、フルーティーさといった要素が主体ではなく、キャラメルや焦がし砂糖にも似たビターな香りが主体で、強めです。あくまでフルーティーさ(こちらも赤葡萄系)はサブといった印象です。

去年の同社のシーヨクのSFに似ていると感じました。余韻も強く残るほど、インパクトのある味わいです。ボディとコクが重厚でしっかりしているので、商品説明通りミルクティーにしても美味しく味わえそうなロットです。

水色も今回頂いたものの中では群を抜いて濃かったです。香ばしいSFや、香りや味が強いSFや、渋いSFをお求めの方におすすめできるロットです。

 

筆者評価 65点

香り★★★★☆ 渋み★★★★☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★☆☆ コク★★★★☆ ボディ★★★★☆

 

ルピシア シンブーリ DJ192

限定区画で摘まれたというこちらのロット。おそらくティンリンではないだろうな~といった味わいです。こちらは少し発酵度が浅めで、茶葉に所々青いところが見られます。

香りは淡いピンク色の小さい花をブーケにしたみたいな印象で、とてもフラワリーな香りを備えています。味わいや香りは柔らかいけどしっかりとしている印象です。渋みもしっかり付いています。今年の同社のFF、アボングローブ ユーフォリアの味わいを強くして、発酵と焙煎を強くして青さを少し抜いたような味わいです。

渋味は持続系の渋味で、ミドルノートからラストノートまで少しのっぺりとした渋味が続きます。

花のような香りを持つSFや、柔らかい輪郭を持つSFや、少し青さが混ざったSFをお求めの方にはおすすめできるロットです。

 

筆者評価 60点

香り★★★★☆ 渋み★★★★☆ 甘味★★★☆☆ 余韻★★★☆☆ コク★★☆☆☆ ボディ★★★☆☆

 

ルピシア リザヒル DJ12

SFにしてこのロットナンバー…。しかし味わいのクオリティはなかなかのものでした。渋味のレスポンスが早く、トップノートから渋味がやってきて主調します。キリッとした爽やかな渋味です。「軽快」という言葉が似合うロットです。

甘さはミドルから始まり、すっきりとした甘味がひっそりとしたままラストへと続きます。

後味に赤葡萄系のフレーバーと若草のようなグリニッシュさやブリスクなフレーバーがひょっこりと顔を出てきて、飲んでいて物凄く心地よく感じるバランスです。このグリニッシュさやブリスクなフレーバーは、余韻としてというよりかは後味として続きます。

爽やかなハーブにも似た渋味から、紅茶が植物から作られていることを身をもって実感させてもらえるような紅茶です。

爽やかな渋味のSFをお求めの方や、少し変わったクローナルを試したいと思っている方や、キレのあるSFをお求めの方におすすめです。

 

筆者評価 75点

香り★★★★☆ 渋み★★★★☆ 甘味★★☆☆☆ 余韻★★★☆☆ コク★★☆☆☆ ボディ★★★☆☆ 50g 2280円

 

 

ルピシア タルボ ムーンライト DJ301

こちらはタルボのクローナルのロットです。ご存知の方も多いかと思います。

商品説明通り、野生のランのような香りがあります。香りはゆったりと、ふんわりと香ります。個人的に、後味にライチや龍眼系のクセのある甘味が残るのが特徴的だと感じました。

思っていたより焙煎香が強いのが、クローナル特有の青臭さに不釣り合いだと飲み始めは感じましたが、渋味や香りのバランスが取れており、味わいとしてのバランスはなかなか取れていると感じました。渋みが少なく、飲みやすいのも特徴的です。

クローナルのSFをお求めの方やタルボの固定ファンの方にはかなりおすすめできる品です。

 

筆者評価 60点

香り★★★☆☆ 渋み★★☆☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★★☆☆☆ ボディ★★★☆☆ 25g 2080円

 

 

ルピシア シンジェル DJ56

こちらは筆者一押しの品です。

今回飲んだSFの中ではマスカテルも強く、チャイナであることが一発で分かるような繊細な渋みもそこそこ強めなことから、「王道」を感じさせる風格を持ち合わせているロットだと思います。ボディもしっかりしていて安心感が持てます。

特にコクと旨味が強いのが特徴的です。美味いというよりは旨いといった印象です。焙煎もしっかり入っていて、クラシカルな香りと味わいを演出します。筆者の舌が鈍いせいか、商品説明にあるスモモは感じ取ることができませんでした。

チャイナのSFをお求めの方や、王道といえるようなSFをお求めの方や、渋いSFをお求めの方にかなりおすすめできるロットです。

 

筆者評価 75点

香り★★★★☆ 渋味★★★★☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★☆☆ コク★★★★ ボディ★★★☆☆ 50g 2680円

 

 

ナヴァラサ キャッスルトン スペシャルチャイナ DJ125

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こちらはダージリンハウス リーフルでも取り扱っている品です。編集長さんより3g程いただきました。ピュアチャイナの樹から製茶されているそうです。

こちらも筆者一押しの品です。

こちらは細身の洗練された印象のマスカテルを持っていると感じました。しかし、細身なのは芯だけで、その周りにふわっとした感じの薄いマスカテルがあるという超個人的な意見です。

ほんの少し清涼感を伴うボディは、軽めの割にはコクが重厚です。思っていたより焙煎も強くなく、飲みやすい印象です。トップから甘味が主張するのですが、ラストには旨味が主張しているという不思議な味わいです。ミドルからは渋みもほんの少し出てきますが、角の取れた丸い渋みで、じんわりと広がる感じが印象的でした。弱い渋みですが、中国種特有の繊細かつ複雑な渋みです。余韻にはゆったりとしたマスカテルが残ります。

中国種のSFをお求めの方や、弱い渋みで飲みやすいSFをお求めの方におすすめできるロットです。

 

筆者評価 80点

香り★★★☆☆ 渋み★☆☆☆☆ 甘味★★★★☆ 余韻★★★★☆ コク★★★☆☆ ボディ★★★★☆ 50g 1500円

 

 

レビューは以上です。第二回2015DJSFレビューは、インドから個人輸入したものをレビューする予定です。到着、投稿までもうしばらくお待ちください。

以上だーじ凛より、2015DJSFレビューその1でした!

「【紅茶の女王】ダージリン・セカンドフラッシュ【レビュー その1】」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: ダージリン キャッスルトン Castleton茶園 – 大人になれる本

  2. ピンバック: ダージリン リザヒル Liza Hill茶園 – 大人になれる本

  3. ピンバック: ダージリン セリンボン Selimbong茶園 – 大人になれる本

  4. ピンバック: ダージリン シンブリ Singbulli茶園 – 大人になれる本

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