【特集】ZRX1200 DAEG インプレッション

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ZRX1200 DAEG(ダエグ)のフォトレビュー&インプレッション

今回はカワサキの伝統的なネイキッドであるZRX1200ダエグを紹介したいと思います。
発売してから早5年経ちますが、今ではカワサキの唯一のオーソドックスなネイキッドです。

カワサキのビッグバイク主力がZ1000やNinja1000と北米やヨーロッパ市場を意識したデザイン・性能のモデルが中核を担い、昔ながらの古いデザインの大型バイクはダエグ・W800だけとなってしまいました。

ゼファー750,1100、ZRX1200など今となってはオールドな形状なバイクで育ってきたため、個人的にはダエグが残ってくれるのが非常に嬉しいです。
今回は、ダエグの2014年の特別モデル”Black Edition”の試乗記をお届けしたいと思います。

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過去のZRXシリーズとGPZ900Rを意識したカウル

新しいクリアなマルチリフレクターヘッドライトと共に装着されているのが、このZRX特有のフロントマスク。ZRX-2という丸型ライトのモデルもありましたが、このカウルを見ると「ZRX!」と気づくおじさま方も多いはずです。

今回はダエグに進化するに当たって、なんと往年の名車GPZ900Rのフロントマスクを掛けあわせた美しいデザインになっています。

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牙のような部分が以前のZRX-1200と比べても鋭利な印象を与えています。
(上記写真はGPZ900R)

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タンクの容量は18Lと以前のモデルと変更はありません。
シャーシなど基本的な部分の多くもZRX1200Rと共通となります。
キャブレター仕様だったものが、インジェクション仕様となり冷間時の始動性の向上や燃費向上など改善されました。

ダエグは完全な日本国内仕様であり、メーターなども180km、ミッションのギア比も日本で走りやすいようにクロスになっています。

国内仕様ですがパワーはZRX1200Rの95馬力から15馬力アップの110馬力。
トルクも10.9 kgになりました。
フラッグシップモデルのZZR1400には及びませんが、公道では十分すぎるスペックを保持しています。

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特別仕様としてカラーリングとシートの変更

ブラックエディションの特徴は、パーツのカラーリングがブラック一色に変更されている所です。
インジェクションカバーなどメッキ仕上げであった部分などもブラックになっています。

また、シートが旧車の雰囲気のあるタックロールシートになっています。
今までのダエグはレーシングなイメージのあるシンプルな仕上がりでしたが、タックロールになることで昔ながらのネイキッドの印象になります。

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エンジンカバーとラジエーターはリンクル塗装

通常はブラック塗装やヘアライン仕上げになるエンジンカバーとラジエーターがリンクル塗装という特別な塗装に変更されています。
チヂミ塗装や結晶塗装とも呼ばれますが、高温で圧着されているので強度が高く温度が高いパーツでも綺麗なブラックにすることができます。

角度によって光り方が異なるので、純正品でありながら社外パーツのようなかっこよさもあります。

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巨大な純正マフラー+エキパイ

排気系のパーツも大型化されて1200Rと比べるとより滑らかな丸みを帯びた形状になっています。今まではノーマルマフラーというと野暮なイメージがありましたが、ダエグであれば純正でもかなりカッコ良いデザインであると言えます。

1200cc、一気筒あたり300ccもあるのでエキパイも太く、ビッグバイクとして満足感が高いです。ただ音量が抑えられているので80年代や90年代の旧車で慣れてしまっているオーナーからすると少し物足りないかもしれません。

インジェクション仕様になってからは認定証が付いていない社外マフラーは一切禁止されたりと、車検が非常に厳しくなりました。
ZRXの系譜であるZ1000Rのようなカーカーのメガホンマフラーが無いというのは寂しい限りです。

ただヨシムラやツキギなど往年のメーカーから手曲げマフラーなどリリースされているので、物足りない人は交換してしまうというのも良いかもしれません。

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ダエグのホイールはZZR1400と共通のようです。
今までのシンプルな3本ホイールと違って、少し前の社外品のようなデザインになっています。
薄くなると引き締まったような足元に見えるのでスポーツ感が演出されています。

フロントブレーキは6ポッドから4ポッドに戻され、ディスクはウェーブに変更されました。特に足回り系に関しては、細かい部分が「人気の社外品」を意識して作られている気がしますね。しばらくしたらブレーキホースまでもステンメッシュホースに純正で変更されそうな勢いですね。

ブレーキキャリパーも6ポッドから4ポッドに変更されています。
タッチや容量も十分です。気になる場合はブレーキパッドの交換で好みに変更できます。

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ZRXといえばフトコロ(車載容量)の大きさ!

400ccのZRXに乗っていた事がありますが、地味に感動したのが車載容量の大きさです。
スクーターとは比較できませんが、同じネイキッドを他社と比べると、びっくりする位広いです。

このダエグも例外なくシート下のスペースがとても広く取られています。
ニコンD600(一眼レフカメラ)とお財布、タオル、工具など荷物が沢山乗ります。

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シート後方にも車検証や書類など入れるスペースがあり、こちらは浅いですが、ちょっとした小物なら十分に乗せることができます。
この下にヒューズボックスがあるので、電飾系に不備が出た時には思い出すと良いかもしれません。

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こんな感じでカメラが収納できます。
パニアケースを付けなくとも、ある程度荷物が収納できると嬉しいですね。

ダエグの走行性能

気になるダエグの走行性能ですが、完成度が高いです。
と言っても比べるのは昔のカワサキ車ですが…。
ゼファーの750、1100などと比べると雲泥の差で20年の違いを思い知らされます。

ボディの剛性も高く、加速も滑らかで、ブレーキの制動距離も短く、良く曲がります。
全てに置いて昔のネイキッドより3段以上性能が良いですネ。

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他者の似たようなネイキッドですと、スズキのGSX-1400(青と白のやつですよ)に乗った事がありますが、キャブレター仕様だったのでダエグよりガツンと蹴られるような加速感がありました。インジェクションのダエグは早いけれど滑らかな加速を見せます。

コーナリング時ではダエグの方が安定して乗ることができます。
とても素直なハンドリングで思ったラインを綺麗に描くことができます。
スズキのGSX-1400も十分素直なハンドリングでしたが、より操作しやすいと言えます。

昔のカワサキ、ゼファー1100なんかはへそ曲がりで、コーナリングもぜーんぜん曲がらず、体重をしっかり掛けないと曲がれなかったのですが、そんな時代とは違いますね。ダエグは昔のカワサキとは比べれないほど進化しています。

スポーツ走行をしたい場合はGPR-α13などを装着すれば、高度な走行も可能です。
サスペンションとフロントフォークも自由にプリロード設定できるのでタイヤや自分の体重、好みによって変更すると良いですね。
(昔はGPR-α10だったのに…。10年ってあっという間ですね(´;ω;`)ブワッ )

燃費が悪いのが少し気になります。まあカワサキなので…。
まだ慣らし運転で5000回転以下で走っているのですがリッター当たり12キロ程度です。
ハイオク仕様なので、意外にガス食いですね。

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総評

よく出来たバイクです。旧車乗りからすると物足りないかもしれませんが、新車で買って長く乗るのには向いているはずです。
こういうシンプルな作りのバイクが飽きが来ないものなので、お勧めできます。

個人的に強く思うのが、ゼファー750は人気でありながら規制でふっと消えて行きました、ゼファーχもZRX(400)も、惜しまれつつも絶版になっていきました。
バイクの人口が減りつつあり、各メーカー輸出を意識したモデルが占めているのでダエグのようなオーソドックスな古い形状のバイクが未だに現行で売られているだけでも素晴らしいと思います。
(その点ホンダはCB1100という完全に旧車スタイルな”新車”を出している所が凄いです。)

つまり熱心なカワサキ乗りであれば、こういったスタイルを持つネイキッドを新車で手に入れれるのが、そろそろラストチャンスなのかな?と思います。
ゼファーやZ2に似たモデルを再販するかもしれませんが、再販せずに次世代のバイクに移行してしまう可能性も高いので。

カワサキの「このスタイル」が好きであれば是非とも早めに入手しておくと良いです!
乗りやすく素直なバイクなので、手放しにお勧めできます。

 

ZRX1200 DAEG スペック
メーカー名 カワサキ
型式 EBL-ZRT20D
車両重量 246 kg
乾燥重量
全長×全幅×全高 2150 mm × 770 mm × 1155 mm
車種名 ZRX1200 DAEG ブラックリミテッド
総排気量 1164cc
定地燃費 25.8 km/L ( 60 km/h走行時)
メーカー希望小売価格(東京地区) 1,160,250 円
スペック
エンジン
型式 ZRT20AE
エンジン型式 水冷4ストローク・並列4気筒DOHC4バルブ
総排気量 1164cc
圧縮比 10.1
内径(ボア) 79.0 mm
行程(ストローク) 59.4 mm
燃料供給方式 インジェクション
キャブレター形式 フューエルインジェクション
点火方式 電子進角式トランジスタ
潤滑方式 ウエットサンプ
始動方式 セルフスターター
エンジンオイル容量 3.5 L
燃料タンク容量 18 L
性能
最高出力 81 kw (110 ps) / 8000 rpm
最大トルク 107 N・m (10.9 kg・m) / 6000 rpm
最高速度
燃費 25.8 km/L ( 60 km/h走行時)
最小回転半径 2.7 m
車体関係
フレーム形式 ダブルクレードル
キャスター 24 度 / 30 分
トレール 100mm
タイヤサイズ(前) 120/70-ZR17M/C 58W
タイヤサイズ(後) 180/55-ZR17M/C 73W
ホイールトラベル(前) 115
ホイールトラベル(後) 122
ホイールサイズ(前) J17M/C×MT3.50
ホイールサイズ(後) J17M/C×MT5.50
ブレーキ(前) デュアルディスク310mm(外径)
ブレーキ(後) シングルディスク250mm(外径)
懸架方式(前) テレスコピック(インナーチューブ径43mm)
懸架方式(後) スイングアーム(オイルショック)
ステアリングアングル(右) 38
ステアリングアングル(左) 38
変速機
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常噛6段リターン
変速比 1速 2.733
2速 1.947
3速 1.590
4速 1.333
5速 1.153
6速 1.035
1次減速比 1.615
2次減速比 2.444
無段変速車変速比

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