誰も知らない場所

ヨーロッパの多くの街は観光地となっていて、有名なところにはいつも観光客が押し寄せています。もちろん有名な場所や有名なものは見てみたいし、それも良い。

けれど少し人ごみに疲れたら、今度は観光客がいない場所へ。大量の人の中から出たら、静かに時が流れる観光地ではない特別な場所に行ってみましょう。

エクスクリューシヴ・ライフは贅沢をすることだけではなく、誰も知らない場所へと進んで旅していくことでもあるのですから。

エジンバラの港町 – Scotland

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独立の問題でにわかに有名となった、スコットランドの首都であるエジンバラ。

その中心街は新市街と旧市街に分かれており、新市街のプリンセス・ストリート、旧市街のロイヤルマイル共に非常に多くの観光客が訪れます。またエジンバラ城、スコッツ・モニュメント、美しい公園、国立のギャラリーなどはすべてこの周辺に集まっており、観光は非常に便利。

しかしこのエジンバラの魅力は中心街だけではありません。

新市街のメイン通りであるプリンセスストリートを、ウォルドルフ・アストリアホテルのあるヘイマーケットとは反対の方向に進み、エルムロウを超えてリースウォークと呼ばれる通りを行く。そして突き当たったところを左に行く。

そこはThe Shoreと呼ばれる美しい港町の一角です。最高のビールとフィッシュ&チップスが出るレストランが数軒並び、港を眺めながら料理を食べることができます。

観光客はおらず、エジンバラ大学の活気ある学生たちや、旧友と再会した紳士や、穏やかな夫婦がその場所を訪れ、思い思いの時間を過ごしています。

さあ、一番手前のレストランに入って、バーカウンターでギネスやマグナーズを頼んだら、中二階の席へと上がりましょう。そこはまるで隠れ家のようにひっそりとして、あなただけの時間を過ごすのにぴったりな場所です。

アッシジの平原 – Italy

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聖フランチェスコの街として有名なアッシジは、中世の町並みがそのままに残る美しい古都。そのおかげで、この地方では人気な観光地となっています。

聖フランチェスコはもうご存知でしょう。金持ちの商人の家に産まれながら、清貧な生活を送るようになり、最後には小鳥にまで説教をするようになったという話はあまりに有名です。

街は非常にコンパクトで、メインの教会までも下からすぐに歩いていけるほど。街の上の方へと歩いていけば、現地の人たちが住む、ほとんど観光客のいない地域もあります。有名な観光地ながらも、ローマやフィレンツェに比べれば、微々たるもの。

特に秋冬には落ち着いて観光のできる、素晴らしい街です。

そして小高い丘の上にあるアッシジから眺める景色は、非常に牧歌的。

ですがその景色はもう、多くの人が見ています。今度は逆にアッシジのその下に広がる平原から、街を見上げてみましょう。アッシジから出て、車を走らせて15分。

すると、こんな景色が広がる草原へとたどり着く。ツアーバスの観光では来ることのできない、秘密の場所です。少しだけエンジンを止めて、草原のざわめきを聴きながら、その奥に広がる中世そのままの街並みを眺めましょう。

そのとき、当時の人々が見ていた景色ともっとも近い景色を、あなたは見ているはずです。

オルテ – Italy

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同じくイタリアで、時の止まったような静かな街を訪れたいなら、アッシジからさらに南へと向かいましょう。オルテは突如として姿を現す、崖の上の街。

切り立った岩山の上に要塞のように作られた小さな街には、今でもひっそりと人々が住んでおり、普通の生活を送っています。そしてこの街は、オルヴィエートのように大きくもなく、チヴィタのような名所でもないために、観光客にはほとんどその存在を知られていない、現地の人だけの街です。

そんなオルテにたどり着いたら、入り口の駐車場に車を停めて歩いて中心街を目指しましょう。

もちろん中心街といっても、バルが一件と小さな広場、開いているかどうかも分からないツーリストインフォメーションがあるのみです。この広場を超えた先には、聖フランチェスコ教会。

あまりにも質素で、素朴な街ですが、こんな街を歩いているときこそ、人は旅をしている喜びを心の底から感じることができるのです。

リュブリャナの小路 – Slovenia

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オーストリアの首都ウィーンからグラーツへと向かう鉄道は、世界遺産に登録されていることで有名なゼメリング鉄道。この鉄道から降りて、グラーツからスロベニアの小都市マリボルへ。そこからまた数時間電車に揺られると、スロベニアの首都リュブリャナへとたどり着きます。

このスロベニアという国は、豊富な自然で有名な国。特に世界でもっとも有名な鍾乳洞であるシュコツィアンの洞窟群は、多くの人々が訪れる、「地下にあるもう一つの世界」とも言える場所です。

さて、その鍾乳洞を訪れる人が旅の拠点とするのが首都リュブリャナ。この街はパステルカラーで可愛らしく、まるで首都とは思えないこじんまりとした街です。

そのリュブリャナのメインストリートから、リュブリャナ城に向かって道を折れてみましょう。すると、長い階段のある小路が始まる。

それはまるで、おとぎの国へと入っていくシーンのような、幻想的な小路です。

ふと振り返ると、来た道がなくなっている。そんなような小路ですね。とにかく先へ、先へと進んでみると、ついには入り口です。まさにおとぎの国への入り口といった雰囲気ですが、今回は現実の世界をもう少し楽しむことにして、すぐに右に曲がりました。

そう、これはリュブリャナ城への近道だったのです。

 

いかがでしたか??

続編をお楽しみに。