ローマからフィレンツェ、ナポリの日帰り旅行は可能?②

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napoli coast

ローマからナポリへの日帰り旅行

「なぜ、ナポリに行くんだい?」

「それは、彼らが言うからさ。ナポリを見て死ね、とね」

「いや、ナポリに行くと死ぬよ」

「Come?(はい?)」

という会話を現地イタリア人としたことのある人もいるかもしれません。イタリア人の行きたがらない「治安が悪く犯罪が多い、ごちゃごちゃした都市ナポリ」はその一方で、独特の文化や歴史、太陽のもとに明るく輝く美しいモザイク画のような町並み、地中海の開放的な空気感などで人を惹き付けて止まない都市でもあります。

何を隠そう筆者もまた、ナポリの魅力に取り憑かれてしまった人間です。

ナポリは観光地としては見所の多い都市とは言えません。ある友人曰くナポリのミュージアムは「スタッフが足りないから半分以上閉鎖」という最悪な状態だったと言います。また名所と言われ、駅前の危険地区であるフォルチェッラから始まる名物通りスパッカナポリは、歩けばせいぜい20分でもう一つの危険地区であるスペイン地区に突き当たってしまう。

街のメインストリートであるトレド通りは若者向けのよくあるショップが多く、キアイア通りだってそれほど他の都市と代わり映えする訳じゃない。

卵城やヌォヴォ城は美しいですが、ある観光客を1時間引き止めるような仕掛けはありません。

「んじゃ、ナポリなんか何でわざわざ危険な思いをして行くの?」と疑問を持たれるかもしれません。そりゃ決まっているでしょう。「ナポリを見て死ね」と、彼らが言うからです。

さて、そんなナポリは街全体を歩いて回れてしまうフィレンツェとは、様子が違います。ナポリで歩いて回ろうとすると、退屈で少し危ない雰囲気の人気の少ない通りを歩くことになってしまうことが多々あります。

何よりも大きな問題は、ナポリ中央駅の位置です。もしナポリ中央駅前から歩いてスパッカナポリに向かおうとすれば、ナポリマフィアの本拠地であり、恐ろしく危険なフォルチェッラという地域を通ることになります。もちろん大きな通りを歩けば無理ということはありませんが、危険な雰囲気をぴりぴりと感じることになるでしょう。

そんなナポリですが、ローマからの日帰り旅行はもちろん可能です。イタリアの新幹線Frecciarossa フレッチャロッサを使えば、ローマからナポリの所要時間は1時間10分。料金もItaliarail.comで予約すればUS45ドル程度で、それほど高くはありません。ケチな人はローカル線をうまく使えば、片道12ユーロ、所要時間2時間30分という方法もあります。

ナポリでの日帰り旅行を成功させるのに大事なことは3つ。

まずはナポリ中央駅についたらとりあえず、ガリバルディ駅(ナポリ中央駅目の前の地下鉄駅)からトレド駅までメトロに乗ること。

ナポリの地下鉄(メトロ)の中でもラインAは駅も車両も非常にクリーンで、治安もそれほど悪くありません。 駅がそれぞれ別のテーマの現代アートを施したデザインになっており面白いですが、地下鉄駅からプラットフォームまでが長い難点です。写真の駅はSalvatore Rosa。最もイカれた現代アートが見れる駅です。
ナポリの地下鉄(メトロ)の中でもラインAは駅も車両も非常にクリーンで、治安もそれほど悪くありません。
駅がそれぞれ別のテーマの現代アートを施したデザインになっており面白いですが、地下鉄駅からプラットフォームまでが長い難点です。写真の駅はSalvatore Rosa。最もイカれた現代アートが見られる駅です。
ナポリの地下鉄(メトロ)の中でもライン1は駅も車両も非常にクリーンで、治安もそれほど悪くありません。 駅がそれぞれ別のテーマの現代アートを施したデザインになっており面白いですが、地下鉄駅からプラットフォームまでが長い難点です。写真の駅はSalvatore Rosa。最もイカれた現代アートが見れる駅です。
ナポリの地下鉄(メトロ)の中でもライン1は駅も車両も非常にクリーンで、治安もそれほど悪くありません。
駅がそれぞれ別のテーマの現代アートを施したデザインになっており面白いですが、地下鉄駅からプラットフォームまでが長い難点です。写真の駅はSalvatore Rosa。最もイカれた現代アートが見れる駅です。

トレド駅に降りて、北に向かえばスパッカナポリ、東に向かえばヌォーヴォ城、南に向かえばプレビシート広場やキアイア通り。トレド駅のすぐ近くには、ナポリを展望できるヴォメロ地区やカテドラルに行くためのケーブルカー、フニコラーレの駅もあります。

なので、もし効率よく観光をしたければ、トレド駅まで行くのが良いですね。

次に、危険な地区には入らないこと。よく言われる中央駅から見て前方にあるガリバルディ駅の向こう側、フォルチェッラ地区。それからトレド通りに面したスペイン地区。

どちらも外から見ても明らかなほど雰囲気が違うので、注意していれば入っていってしまうことはないかと思いますが、常に意識しましょう。

ナポリの危険地区として有名なスペイン地区。筆者も何度か立ち入りましたが、しっかりと気をつけて、目立たないように歩けばもちろん犯罪に遭う確率も言われているほどは高くないと思います。 旅慣れしていない人や、夕方以降は絶対に立ち入らないようにしましょう。
ナポリの危険地区として有名なスペイン地区の通りの一つ。筆者も何度か立ち入りましたが、しっかりと気をつけて、目立たないように歩けばもちろん犯罪に遭う確率も言われているほどは高くないと思います。
旅慣れしていない人や、夕方以降は絶対に立ち入らないようにしましょう。

最後にエスプレッソとピザを試すこと。ナポリのピザは有名ですが、ナポリのエスプレッソは知る人ぞ知る逸品。どこのバルで飲んでも大抵美味しいですし、個人的にはイタリア一のエスプレッソはナポリにあると思います。

濃厚で香り高く、滑らかなクレマを伴ったナポリのエスプレッソに、スティックシュガーを一本加えて一気に飲む。どんなスイーツよりも美味しいデザートではないでしょうか。

ちなみに夏にナポリに行くのであれば、カプチーノフレッド(冷たいカプチーノ)を試すのもお忘れなく。驚くほど濃厚なアイスカフェラテです。

baba cuppucino freddo

ちなみにナポリのスイーツ、ババのクリーム添えは激甘なので、カプチーノフレッドと一緒に食べるには相当な甘党である必要があります。

日帰り旅行は積極的に

ponte vecchio

時間をゆっくり使うのが難しいし、移動の多くなってしまう日帰り旅行は賛否両論ですね。ローマにいて日帰り旅行をするくらいなら、ローマをもっとしっかり見た方が良い。あるいは、フィレンツェやナポリは日帰りじゃ楽しみきれない!という意見も多いでしょう。

しかしこれは私の意見ですが、日帰り旅行は積極的にすべきだと思います。

例えばフィレンツェに日帰りで行ったら、全部見切れなくて、まだまだ見所を残したまま帰らなきゃならなくなってしまった。

それでも良いのではないでしょうか。

なぜなら日帰り旅行に行かなければフィレンツェがどんな街かさえ分からなかったあなたが、日帰り旅行に行ってフィレンツェがとても魅力的な街であること、そして再度訪れたいと思える街であることが分かるようになった、それが大事だからです。

次の旅行でもしイタリアに来れなかったとしても、フィレンツェを見たことがあるかないかでは、やはりそれからの旅行で感じることや、思うことは違うのではないかと思います。

十分に楽しめないからやめておいた方がいい、という考え方よりも、とにかく見てみよう、という考え方が個人的にはおすすめですね。

しかしそのためにはしっかりと下調べをし、日帰り旅行という時間に制限がある中で効率よく観光ができるように、またどうしても見たいものをしっかりと見れるように、準備をしましょう。