【薬コラム連載】今から始める花粉症の原因と予防・食生活

薬剤師ライター たんぽぽむし 過去の記事はこちら

小児医療に携わって15年。主に薬関係・自然育児について執筆していきます。美味しいもの、きれい&かわいいもの、からだにやさしいもの、そして子供たちの笑顔に触れたとき幸せを感じます。


こんにちは。
随分お久しぶりになってしまいました、ライターたんぽぽむしです。
今や日本人の2~3割がかかっていると言われる花粉症。
くしゃみ・鼻水は止まらないし、目はこするほどに痒くなるし、頭はぼーっとして集中できないし、ひどいときには全てに投げやりになってしまいそうな悩ましい病ですよね。

そんなスギやヒノキのアレルギーの方もやっと落ち着いたなぁというこの時期に、なぜ花粉症の記事?!と思われるかもしれませんが、“夏を制する者は花粉症をも制す”
花粉が飛ぶ時期だけでなく、この夏の過ごし方を変えることで来シーズンのつらさが減るように、また、花粉症でない方は、その道に足を踏み入れることがないようにと、あえてこの時期にお伝えしたいと思います。
10代のころはひどい花粉症に悩まされていた私でも、今はほとんど症状なく暮らせているのには理由があったのです。

花粉症ってどうして起こるの?

私たちの身体には、もともと外部から侵入してくる異物を排除しようとする働きが備わっていて、その異物「抗原」から身体を守るために「抗体」を作りだします。
けれども、この「抗体」は、原因となる「抗原」との接触を繰り返すうちにどんどん作られて身体に貯まり、一定量を超えるとアレルギー症状を起こすのです。
花粉と頻繁に接触してその抗体が増えてゆき、ある境界線を越えると症状が出始めるので、今まで何でもなかったという人でも「今年から急に花粉症になってしまった(泣)」という事態が起こるわけです。
ただ、この「抗体」の作られやすさは、その人の体質にもよります。

体質というのは、親からの遺伝のため、自分ではどうすることもできませんが、生まれてからできるだけ花粉と接しないようにすれば、花粉症にならない、なりにくい、なる年齢を遅くできる ということなのです。

花粉症にならないために、花粉症をひどくしないために

それでは、まだ花粉症になっていない人は、何に気を付ければよいのか?また、既に花粉症になってしまった人は、どうすれば症状を軽くできるのか?考えてゆきましょう。

1.花粉の多い時期には、花粉との接触を避ける
当たり前のことですが、原因となる花粉と接触しないことが一番です。

そのためには

・戸を閉めて、極力花粉を家の中に入れないようにする。
・外出を控える。
・外出時にはマスクやメガネを着用する。
・花粉が付きやすい衣類(ニットなど)は避ける。
・外出先から帰ったら、家に入る前に花粉を落とす。
・家に帰ったら、手洗い、うがい。できるなら目や鼻も洗う。
・洗濯物や布団は外に干さない。(もし干した場合は丁寧に掃除機をかける)
←面倒だと思うかもしれませんが、このひと手間で大きく変わります。

2.身体を冷やさないバランスのよい食事を摂る
免疫機能を正常に働かせるためには、身体を冷やさないことが最も大事です。
それは、花粉症の時期だけでなく、それ以外のときも同じこと。
これから暑くなると、ついつい冷房の効いた部屋で冷たいもの(子どもはジュースやアイス、大人はビール。おそうめんや冷やし中華なども)を当たり前のように口にしたくなるかもしれませんが、ちょっと待って。
来シーズンの花粉症を少しでも軽くしたいなら、また花粉症だけでなく一年を調子よく過ごしたいなら、身体に入れる前に少し考えてみて欲しいのです。
「身体を冷やす」というのは、冷房の効いた部屋での生活だけでなく、冷たいものはもちろん砂糖の摂りすぎにも注意が必要です。

工場で精製されてビタミンやミネラルを失った白砂糖が身体によくないのはもちろんですが、原料となるサトウキビも暑い地方で採れるものですから、精製してされていないきび砂糖でも身体を冷やします。沖縄などに暮らすひとでなければ、きび砂糖もお勧めではありません。逆に、てんさい糖は寒い地方で作られるてんさい(砂糖大根)が原料です。同じ糖分ならば原料が寒い地方で採れるものの方が身体を冷やしにくいです。

三温糖は見た目が茶色いだけで、成分は白砂糖とほぼ同じなので要注意。
子どもの食事やおやつを変え、腹部や下半身を冷やさない生活に変えるだけで、これまでずっと続いた鼻水や皮膚のかゆみも随分減らせるはずです。きっと薬も飲む機会も少なくなりますよ。

具体的には、

・免疫力を上げるため、いろいろなものをバランスよく食べる。
・タンパク質(特に肉などの動物性タンパク)や脂質は摂りすぎない。
(ファーストフードやレトルト食品は食べない)
触って冷たいもの(冷蔵庫で冷やしたもの、氷を入れた飲み物など)は摂らない←本気で治したい人は「減らす」ではなく、徹底して「摂らない」。
・甘いもの(砂糖の多いもの)も身体を冷やすので控える。
・ビタミンやミネラルの豊富な野菜や果物、青魚などを摂る。
・夏の野菜や果物、暑い地方で採れるものは身体を冷やすので、摂りすぎに注意。食べるときは外で食べるか、冷房の効いていない部屋で少量食べる。
イメージとしては、スイカを川で冷やして縁側で食べるようなそんな感じ。
・ヨーグルトや納豆、漬物など腸内環境を整えて免疫力をあげる発酵食品を積極的に摂る。
・ねぎ、しそ、しょうがなど身体を温め炎症を抑えるものを摂る。
・唐辛子、わさび、からしなどの刺激物は鼻詰まりを起こすので避ける。
・アルコールは鼻水、くしゃみを起こしやすくするので控える。
おへその上に手を当てて、冷たい空気を感じたら身体が冷えている証拠。徹底して、これ以上身体を冷やさないよう注意が必要。

3.気持ちは明るく、規則正しい生活を送る
毎日を明るく楽しく気持ちは前向きに、規則正しい生活を送ることで、自律神経のバランスが整えられます。
ストレスを受けたまま交感神経が過剰に働いている状態(興奮状態)では、布団に横になってもうまく副交感神経に切り替えられず、心身ともに休めることができません。
例えストレスがあってもなるべく短時間に自分の中でやり過ごし、質の良い十分な睡眠をとることができれば、副交感神経がしっかり働き、血液の流れもよくなり、免疫力も上がります。
できれば睡眠時間は1.5の倍数(6時間、7.5時間、9時間など)にして、日の出とともに起床し、日の入りとともに身体を休める生活を心掛けましょう。
子どもの場合は夜8時に寝て朝6時半に起きると10.5時間になりますね。

4.煙草のない生活を送る
煙草の煙は鼻の粘膜にある「線毛」の働きを鈍くし、花粉などの異物を外に出しにくくするため、症状を悪化させます。
また煙草に含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くするので、鼻詰まりをひどくします。
さらに、もし喘息治療のため「テオフィリン(商品名テオドール)」を服用していた場合には、煙草の煙を吸うことで薬の効き目を弱めてしまいます。
本人以上に、周りでその煙(副流煙)を吸っている人の方が被害は大きいです。
煙草の害についてはさんざん言われているので、「もううんざり」
という方もいるかと思いますが、自分だけでなく家族のためにも直ちに禁煙することをお勧めします。

5.薬は正しく使う
本当は、薬なんか飲まなくても症状が抑えられれば良いのですが、長年付き合ってきた花粉症を急に治すことは難しいので、どうせ飲むなら、なるべく効率的に使って欲しいと思います。

まずは、飲み始めのタイミング。

抗アレルギー薬は一定の効き目が現れるまでに時間がかかります。
花粉飛散カレンダーでご自分の住んでいる地域の情報をチェックし、
花粉が飛び始めるよりも、2週間くらい前から服用を開始してください。
鼻がムズムズ、目も痒くて・・・となってから慌てて開始しても遅いです。
症状が出てからでは、同じ薬を飲んでも効きが悪く、さらに強い薬が追加で必要となることもありますから、年が明けたらまず、かかりつけの耳鼻科を受診することをお勧めします。

 ~スギ花粉の飛び始める時期の目安~
東北:2月半ば過ぎ、関東:1月後半、東海:2月中旬 関西、九州:2月初旬

では、実際に使う薬について。

次のページでは、具体的に使用する薬の話になります!

著者 薬剤師ライター たんぽぽむし

小児医療に携わって15年。主に薬関係・自然育児について執筆していきます。美味しいもの、きれい&かわいいもの、からだにやさしいもの、そして子供たちの笑顔に触れたとき幸せを感じます。