感覚に訴えかける香水、Odeur 53 /オデュー 53

今回ご紹介しようと思っているのはコムデギャルソンの香水である”Odeur 53”(オデュー 53)。

ブランド自体は1969年に川久保 玲が製造販売を開始したことによりスタートしました。コムデギャルソンと聞くと服のイメージが強いかと思いますが、香水も販売しているのです。

筆者はコムデギャルソンの服に関しては一着も持っていませんが…、どの香りも今までにない斬新なコンセプトとセンシティブな香りで、香水が苦手な方には是非トライしていただきたいもの。

それでは今回はもう廃盤となってしまった香水ですが”odeur 53”(オデュー 53)についてご紹介しようと思います。

Odeur 53 / オデュー 53

 

odeur53_01

ゴロっとした厚手のビンのように重厚感あるボトルにその香りは詰まっています。空気に触れて香りを放つ瞬間を待っているようですね。

ボトルは角のしっかりした長方形です。

何故、角っとしたボトルに詰まっているのに現実感がなくふわふわとそこに漂う感じに見えるのだろう?と疑問を持ち、ジーっとボトルを眺めていたら、ボトルの各面が少しずつ内側に押されるように湾曲していることに気づきました。

どのような手法で作られたかは定かではありませんが、上はこの湾曲が王冠のように3つ波打つようなアクセント。ボトルの見た目が大変美しく、インテリア性も高いです。

実際にわたしもこの香水をリビングにぽいっと置いておいても、ふと目に入ったときに美しいなあと改めて眺めてしまうことがあります。

無機質なのに感情的な香り

odeur53_07

文章で香りのことについて書くのは難しいものですが、どんな香りかできるだけお話ししようと思います。

まずオデュー53について驚くことといえば、100%合成成分で作ってあるという一見すると非常にキワモノな香水であること。

「酸素、金属のフラッシュ、火エネルギー、風、鉱物の炭素、砂丘、マニキュア液、セルローズ、高い山脈の純粋な空気、最終の融合、焼けたゴムのノート。」というヒント程度の香り説明がまた謎とキワモノ感を深めます。

しかし、いざ香りを嗅ぐとこの説明に納得してしまうのです。

またこのオデュー53は人によって違う印象を持つという面白い代物。

筆者はお茶を淹れる際の茶葉を金箔に取り替え、金箔から出た謎のお茶を飲んでいるようなイメージを持ちました。

香りは嗅覚に訴えかけるのが当たり前ですが、このように多くの感覚を刺激してくるのがオデュー53の香りなのです。日常に落ちている感覚や匂いを集めて香りにしたといえばイメージしやすいでしょうか。

主張があるようで具体的な香りがなく香水としての本来の香り方とはまた違った漂い方で、五感や感覚に気づかないうちにすっと入ってきます。オデュー53をつけるのではなく、香水をスプレーすることにより、雰囲気をまとうということに近いかもしれません。

15mlのミニサイズ

odeur53_03

筆者がはじめて買ったのはミニサイズである15ml。ミニサイズのボトルも透明感の高い薄めなガラス製。残念ながら落として割ってしまったので、それまでのお付き合いとなりましたが…。

これを新品で買った時に開封して面白いなと思ったのは、箱を開けた次にこの銀色のクシャクシャが出てきたこと。

odeur53_04

わたしは「うわ、宇宙服着てる。」と思いました。一目みた時、いかにも耐火性の高そうな宇宙素材をすぐにイメージしてしまいましたから。笑 こういった部分からのコンセプトづくりをきっちりとしている点は興味の無い人からはとっつきにくくも、伝わる相手にはしかりと伝わるような面白さを感じますね。

かっこいい女性につけて欲しい香水

ユニセックスとして販売されたオデュー53についてわたしが思うことは、是非ともカッコいい女性につけていただきたいということ。無機質ゆえに醸し出される色気を、香りに敏感な女性という生き物に上手く扱ってもらいたくも、色々なものをまとい何にでも望むように変化できるという、女性の幅広い可能性を思い出させてくれると思います。

強く生きる女性の何かのキッカケまたはこの香水をつけている時には、普段はまだできなくてもバキッとクールになれる気がする、そういったことでしょうか。

またもし本当にそうなれた時にはこの香りはもう飛んで消えてしまっている、そんな優しさをも併せ持っているのだと思います。