素人が現地ナポリでスーツを仕立てるのは可能か?

Fabio Sodano

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

このサイトを見ている皆様の実に99%が、イタリア好きの方でしょう。そしてその中には実際にイタリアに行く機会があるかもしれず、あわよくばナポリでスーツやジャケットを仕立ててみたい……なんてお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし何かと敷居の高いナポリ仕立ての世界。個人がぱっと訪ねて行ってナポリで服を仕立てることができるのか?

以外にそういった部分の情報は少ないですよね。なぜか、理由ははっきりしています。ナポリの服事情を知られては困る人々がいるからです。

つまり、私たちナポリ仕立てを扱うお店にとって、ナポリ仕立ての実情を話すのは手品の種を明かすようなものです。

とはいえケチなことを言っていては、せっかくナポリに行かれる方が楽しめないでしょう。ということで、今回はちゃっかり暴露してしまいます。

ナポリはサルトリアを見つけるのが難しい!?

アットリーニ本店でも、この佇まい。

ナポリで服を仕立てるのにあたって最も難しいのは、サルトリアを見つけることです。いやいや星の数ほどあるでしょう、といわれてしまうところでしょうが、本当に難しいんですね。

というのもナポリのサルトリアは日本のセレクトショップのように看板を出していることは稀で、多くの場合はアパルトマンの一室のようなところでひっそりと営業をしています。

そのため「あ、このサルトリア良さそうだから見てこーっと」みたいな具合にはなりにくいということです。

扉を押せ、然もなくば開かれぬ

手に汗を握りながら恐る恐るブザーを鳴らし、現世と来世の境目かと思われるほど大きな鉄製の扉を押して、重々しい大理石造りのロビーへと入る。普段から愛用しているはずの靴が、まるでブロンズで出来ているかのようにカツン、カツンと甲高い音を立て、それに伴って心拍が早まって行いく。

そして何の標識もない恐ろしく暗い階段を登りながら、扉一つ一つのプレートを見て、サルトリアの名前を探す。しかし見つからない。

ついにここまでか、と思うと何処かで派手な金属音と共に扉が開いて、「おーい、ここだよージャッポネーゼ、よっくきたねー♪」と声が聞こえる。

と、大まかに言うとこんな具合で一軒一軒を尋ねる必要があります。

ですからサルトリアで仕立てる場合には、予め「ここで仕立てる」と決めて、予約を取って行かなければならないわけです。

納期は…何度かナポリに行く人なら問題なし!

もう一つ、ナポリのサルトリアの難しい点はやはり納期でしょう。ナポリのサルトリアはやはりお世辞にも仕事が早いとは言えず、場合によっては一年以上待たされることも少なくありません。

しかし一番問題なのは、どれだけ待っても仕事が全く進んでいない、という事態。

仕立てに時間がかかっている分には、丁寧ということで良いのですが、忘れ去られてしまう場合も少なくないのですね。

ちなみにこの点若手のサルトリアなんかは仕事が早く、納期にしっかりとしていて良いのですが、老舗のサルトリアだと注文数が多いこともあって、時間がかかるのです。

また「後で送るよ〜」なんていうサルトもいますが、基本送られてこなかったり、オーダー内容と違うものが届いてきたりという具合です。

ですからナポリの老舗サルトリアで仕立てるときには、納期を気にしないことですね。また何度かナポリに通って仮縫い(催促)を行うのも大切です。

逆に仕事などの都合でわりと頻繁に行ける人であれば、全く問題ないと思います。

気になる値段は……?

それでは、気になるお値段はどうでしょう。

実はナポリ仕立ての値段はサルトリアによって、本当にマチマチです。

看板もあげておらず、ひどいナポリ訛りで話すローカルなサルトリアに入ると「お、安いな」という金額(20万円弱)だったりもします。逆にアントニオ・パニコやダルクォーレ、チャルディなどに行くと50万円近く、もはや日本とそれほど変わらない値段だったりすることもあります。

またナポリに仮縫いに行ったりということを考えると、むしろコスト的にはかさんでしまうでしょう。

それでもナポリで本人に採寸をしてもらってオーダーできると思えば良いのかもしれませんが、安いだろうから、という理由で行く必要はないのかもしれません。

ただ現地でオーダーすると良いのは、彼らのビンテージ生地のストックを見せてくれて、選ぶこともできるということ。

グリマルディのビスポーク

もちろん値段はかなり張ってしまうかとは思いますが、希少な生地を選べますし、何よりそのサルトにとって思い入れのある生地で仕立てられるのは、嬉しいことですよね。

個人的にも一生に一度は現地で仕立ててもらいたい、というサルトリアがいくつもあります。

現地ナポリのサルトリアで仕立てるなら

いかがでしたか?今回はナポリ仕立ての実情について解説いたしました。

結論から申し上げますと、ナポリの現地サルトリアで服を仕立てるのは、個人が直接行っても不可能ではありません。気になるサルトリアを調べておいて予約していけば、断られることはないでしょう。

その際のポイントをいくつか。

サルトに全部任せるオーダーならともかく、好みやスタイルのある方は、それをしっかりと言葉で伝え、確認する必要があります。

また仕立て服に理解を示している、ということを態度やその日の服装で表さないと、雑な仕事で納められてしまうこともあります。

ですから実際にオーダーしに行くときには、自分の伝えたいことをしっかりとし、欲しいものを確実に伝えること。そして、自分の装いには気をつけることです。

気軽にナポリ仕立てを体験する方法

プロフェソーレ・ランバルディ静岡では、サイズチャートを使用したメジャーメイドという形で、本場ナポリ仕立てを展開しています。

アットリーニやキートンで修行を重ねた Fabio Sodano ファビオ・ソダーノの作るスーツはいかにもナポリらしい雰囲気でありながら、クラシックな佇まいを忘れない美しいシルエットです。

ビスポークと同じ工程で作られるスーツですので、ほとんどの箇所が手縫いとなっており、本物のナポリ仕立てを体験できます。

もちろんラペル幅やポケット、ベルトレス、サイドアジャスターといった殆ど全てのディテールをお好みで指定していただけます。

ホーランド&シェリー生地でお選びいただいて、値段は税込み260,000円(2017年6月末まで)です。

44、48といったサイズチャートを着用してみて、必要に応じて調節をしていくため、むしろ完成像が見えやすく、希望のスタイルを作りやすくなっています。

また普段着ているジャケットやスーツを採寸して、オンラインでご注文いただくこともできます。ご希望のイメージ(紺無地の春夏シングルスーツ、グレンチェックの相物ダブルスーツなど)をお伝えいただければ、それにあった生地の写真を複数お送りさせていただきます。

ご興味がございましたら、どんなことでもお気軽にご相談くださいませ。

お問い合わせ – プロフェソーレ・ランバルディ静岡(大橋)

著者 Professore Rambaldi

ナポリ仕立て専門セレクトショップ「プロフェソーレ・ランバルディ静岡」
本物のナポリ仕立てを日本でオーダーできるビスポークやメジャーメイド、そしてナポリのサルトリアで仕立てられた既製服を扱っています。

> Professore Rambaldi 公式サイト

「大人になれる本」では、メンズファッションやイタリアのことなどについて記事を寄稿させて頂いております。