LUIGI BORRELLI ルイジボレッリ 世界を魅了するシャツ

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圧倒的な美しさ

FRAY フライのシャツがいかに贅沢であろうとも、Anna Matuozzo アンナマトッツォのシャツがどれほど技巧的であろうとも。常にイタリアシャツのトップとしてその地位を守り続けているのが、LUIGI BORRELLI ルイジボレッリです。

イタリア南部、仕立ての街と言っても過言ではないほどいくつもの独創的な職人技やサルトリア文化が生まれた街ナポリ。

ジェンナーロルビナッチがナポリ仕立てのメッカとも言えるロンドンハウスを開業した1930年から27年後の1957年に、ルイジボレッリはシャツブランドとして創業。しかしその歴史はブランドの創始から読むのでは足りない。物語の始まりはルイジボレッリを一流のシャツ職人へと育て上げた母アンナにあります。

彼女はヴェスピオ火山の麓の街で馴染みの人たちだけにシャツを仕立てていましたが、そのシャツは瞬く間に評判となり、ナポリ中の洒落者達の心を掴むこととなったわけです。

そしてそのシャツ作りを最も長く最も近くで見ていた人物、すなわち息子のルイジが1957年にシャツブランドとして創業すると、そのシャツはついにナポリの街から飛び出し、イタリア全土から始まってヨーロッパ、広がりに広がって東の果てのアジアまでを魅了し、ルイジボレッリを一流ブランドにのし上げました。

その魅力は一言で言えば、圧倒的な美しさ。

上質な生地も、丁寧で精巧な手縫いによる縫製も、芸術的な立体感を持たせた襟のシェイプも、一切無駄の無いシルエットを生み出すカッティングも、全ては美しさのためにある。

そんな徹底した美意識から生まれる抜け目のない、圧倒的な美しさこそがルイジボレッリの魅力なんです。

ルイジボレッリが世界を魅了する理由

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では具体的に、ルイジボレッリがなぜ世界を魅了しているのかを見ていきましょう。まず注目すべきは、そのブランドの個性がもっとも強く現れる、ボタンホールの仕上げですね。

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分厚いパールのボタンを支えるボタンホールは、非常に上品で端正な仕上がりになっています。手縫いのボタンホールにしては温かみという言葉とはほど遠く、むしろミシン縫いに限りなく近い精度を実現した精巧さが特徴ですね。

非常に目が詰まったこのボタンホール、ちょうどキートンのジャケットを思わせるボリューム感ですね。同じくナポリのシャツブランドで、手縫いの温かさと表情豊かさが魅力のサルバトーレピッコロのシャツのボタンホールと比べてみれば、その洗練された具合がすぐに分かります。

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もちろんどちらが優れていて、どちらが劣っているという話ではない。

個人的にはサルバトーレピッコロのボタンホールに大変な魅力を感じます。しかし一流のスーツに合わせる、例えばキートンのスーツに合わせることを前提としたルイジボレッリのシャツには、その洗練されたボタンホールこそ似合います。

また襟の立体感と造形の美しさについては写真でも一目瞭然です。襟の大きさと硬さ、カッタウェイのバランスなど全てが完璧で、センツァクラバッタ(ネクタイ無し)でもネクタイをしても、非常に美しい形に決まりますね。

ルイジボレッリのシャツはイタリア的な華やかさのある造形でありながら、まるでイギリスのシャツのような堂々とした雰囲気を持っています。

これはフィナモレやピッコロを始め、他のナポリシャツからはそれほど強く感じられないことなので、世界のラグジュアリーブランドたるルイジボレッリの個性なのかもしれません。

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袖付けや襟付けなどは勿論手縫いによるものです。繊細なステッチワークで紡がれる袖と肩は、人間の動きに合わせて伸縮して可動域を広げます。サルバトーレピッコロやルチアーノロンバルディのシャツのようなリラックスした柔らかさはありませんが、常に人の動きをフォローしてくれますね。

もちろんその他にも様々な部分が手縫いにて仕上げられています。

ルイジボレッリの手縫いはアンナマトッツォのような恐ろしく人間的で究極に手間のかかった甘い手縫いではありませんが、ミシンには出来ない「動きへの配慮」と美しさへの意識が滲み出る洗練された手縫いですね。

ルイジボレッリのシャツを見るときに忘れてはいけないのが生地ですね。

先ほど少し書いたフライのシャツなんかは、まず滅多に着たくならないほど繊細で贅沢な番手の高い生地を使っていたりしますが、ルイジボレッリは実用性と素晴らしい風合い、肌触りを兼ね備えた素材の良い生地を使っています。

この写真のシャツに関しても織柄の入った上質なコットン生地で、非常に薄く伸ばしたサマーカシミアであるかのように滑らかで軽く、普段から身につけていたくなるような気持ち良さがあります。

色合いもまた非常に美しく、上品で控えめなイエローでありながらも、素材の良さから溢れ出る高級感のある光沢を隠そうとしないのが、流石ルイジボレッリの生地コレクションですね。

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ボタンは先ほども書きましたが、分厚いパールです。シャツのボタンは装飾の一部だとされていますが、イエローの生地にこのパールは非常に相性が良く、まるっきり違和感がありません。

ナポリシャツを着てから語れ。

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ルイジボレッリは世界を代表するシャツブランドですが、それを支えているのがイタリア南部の都市ナポリの土着的な仕立て文化です。

ちょうど世界最高の既製服ブランドと言われるKiton キートンのジャケットやスーツが世界中のVIPを惹き付けるラグジュアリーさと、インターナショナルに通用する洗練した雰囲気、そしてナポリ仕立てらしさをうまく融合したように、ルイジボレッリもまた一大ラグジュアリーブランドでありながら、ナポリの「シャツ屋さん」であり続けているわけですね。

まずはナポリのシャツを着て欲しい。これは私が度々書いていることですが、その一枚目としてルイジボレッリは悪くない選択です。

例えばルイジボレッリを他のイタリア製ハンドメイドシャツと比べてみれば、ルイジボレッリのバランスの良さがすぐに分かるはずです。手縫い感が強く温かみが前面に出たサルバトーレピッコロも、それをもう少しすっきりとさせ、高い技術力に裏打ちされた品質を売りにしているフィナモレも、ルイジボレッリほどの説得力と堂々とした雰囲気、まるでイギリスのシャツのような威厳とイタリアを極めた圧倒的な美しさは持っていない。

この圧倒的な美しさと、さらに着ている人の気持ちよさと言ったら。一度着てみればやはりルイジボレッリはナポリシャツを最も上手に世界に発進しているブランドなんだ、と感じることでしょう。

まあ例えて言うのであれば、フィナモレは言動や表情に少しだけ愛嬌のある顔立ちの美しい女性。サルバトーレピッコロは一見するとシンプルに可愛いのに、なんとなく只者ではない感が漂う危うさを持った女性です。

ルイジボレッリは少しエキゾチックな香りを漂わせるトップモデル、絶世の美女です。どこに行っても美しく、常に人々の視線を一挙に集め、最もクールな男性の横を歩き、1000人の中でも一人だけ際立つ。

そんな雰囲気ですね。ナポリのシャツというのはそれぞれに個性があり、それらは何となく女性を思わせるから不思議です。

ナポリのシャツを着てから語れ。

マシンメイド最高峰と言われ、5万円を裕に超える値段で出回っているFRAY フライがいくら素晴らしく贅沢なシャツだとはいえ、手縫いのもたらす着心地のマジックを体験することはできない。

実は手縫いを知った人間は逆に、フライのような上質なマシンメイドシャツの良さが分かるようになります。

ぜひナポリのシャツを、世界を魅了したルイジボレッリを試してみてください。