東京の人が地方で暮らすという贅沢

都会に住みたいと思う心理/地方に住みたいと思う心理

昔からの友人に会いに九州の熊本や、北陸の石川に訪れると彼らの家族や知人はこう言います。
”東京行きたい!”
特に若い人達にそういった傾向があり、地方から都心の大学や専門学校に上京するケースも非常に多いのではないでしょうか。

政令指定都市などは緩やかに成長を続け活気を見せる地方もありますが、工業地帯や農業・酪農を中心とした地方は商業施設も収縮をして、買い物や遊ぶ所が少なくなってきています。若い人たちだけでなく、大人でさえも都会でのライフスタイルに強い憧れを抱く人も多いです。
やはり地元で遊ぶ所が限られていたり満足のゆく買い物が出来ないというのは大きな悩みとも言えます。

東京での生活

ある仕事で1ヶ月間、東京都内で生活する機会がありましたが、地方に住む人からすると想像を絶するもので驚きました。
中目黒のマンスリーマンションを拠点として生活しましたが、街全体が排気ガスに包まれたようなもので通路から時おり悪臭が漂います。
特に地下鉄は酷いもので、階段を降りている途中の換気口のようなところからは息を止めたくなるような臭いがどっと全身に降りかかります。
電車は過密で、色々な人の体臭や香水などの臭いが漂い、気をつけていてもたくさんの人にぶつかります。
仕事が終わって電車を利用するときも、30代の女性が後ろから走ってきて我先へと座席に滑り込み、何事も無いような表情をしてスマートフォンに触れます。

東京に住むことが悪いことでは決してないのですが、本心で言うとそういった感想を持ちました。
空気が綺麗かと聞かれれば、「綺麗でないですし」、人が少ないかと言ったら「多い」です。
これはただの結果であり、誰が悪いというものではありません。過密すぎるというのはあるかもしれません。

生まれ育てば故郷になりますが、田舎で育った人が東京で生活するというのは無謀とも言えます。
そういった田舎の人の”理想”と実際の東京の”現実”にはギャップが生じていると思います。
もちろん、神奈川県や埼玉県などの都内へのアクセスの良いベッドタウンや、23区以外であれば環境が良い、生活しやすい市町村もあります。

今度は反対の、東京に住むのに当たって良い所を考えてみました。

アクセスが良い

やはり何処に行くにもアクセスが良いです。羽田空港や成田空港もバスや電車を使えば直ぐに行くことができます。
また、それらの空港からは国内でも最も路線の種類が多く、国内・海外共にアクセスが良いです。
他には新幹線があることです。東北新幹線や東海道新幹線などを使えば陸路でのアクセスも優れます。のぞみなどの急行があるのも利点です。

ショッピング

冒頭で話した買い物の問題が全て解決します。
百貨店やショッピングモールの数は国内でも一番多く、多数のショップの本店や東急ハンズなどマイナーな日用品が揃うショップも多いです。
また高級ブランドのショップも多く、渋谷・原宿など50メーター起きにファッションの路面店があったりします。
高級食器専門店や輸入食材専門店の種類も多く、特別なチョコレートや紅茶なども安易に手に入ります。

テーマパークが多い

東京ディズニーランド、ディズニーシーを筆頭に、あらゆるテーマパークにアクセスが良いです。
期間限定の特別なイベントなども参加しやすく、日帰りで行けます。
他にも地方のテーマパークでも、直通のバスが出ていたり、あらゆる方面へ高速バスが低料金で揃っていたりします。

イベントが多い

ライブ公演や劇場などあらゆるイベントが東京を中心にして行われます。
特にクラシックのコンサートなどは国内でも一番多く、多岐に渡ります。
またJ-POPのライブも台場、横浜、川崎など東京近郊でアクセスが良い事が多いです。
他には美術館の展示会など世界的に有名な作品が来るのは、東京や大阪、名古屋であることが多いです。

マルチメディアに強い

例えばテレビで紹介されたお店。芸能人が通っているお店。
そういった物は都内にあることが多いです。また本で紹介されたものやインターネットで話題になるお店など
東京に住んでいる事によって、そういったメディアで紹介されたお店やイベントに行くことができます。

学校・仕事が多い

地方ではごくごく限られた種類しかないのが、東京に行くと何十倍~何百倍までの選択肢が広がります。
また学校の場合は学力のレベルが高い傾向にあり、仕事の場合は給料や職務の内容が高い傾向にあります。
例えば地方で最も上位の学校が、都内の中堅にしか相当しなかったりと、自分のやりたいこと、学びたいことが東京でしか実現できない場合もあります。

友達が作りやすい

人口も多く、若い人も多いので友達が作りやすいと言えます。
例えば田舎であると、10代~40代まで殆どが都心に出てしまい中抜けしていたり、少子高齢化が進んでいるのを強く実感します。
また友達の価値観というのも都会に住む事の強さです。
地方ではファッションが”しまむら”と”ユニクロ”しか無い事も多く、ファッションが好きな人は、その街のセンスやレベルに対して不満を持つこともあります。また例えば紅茶が好きであっても、マリアージュやフォションどころかオシャレな食器を売っている場所もないので、紅茶好きの友達を持つのは難しいと言えます。
出会いが地方より豊富なのも東京ならではです。
現在ではFBのイベントやネットのお見合いなどで出会う人も居たりと、ネットでの出会いというのも一概に否めません。
もちろんアナログな手法で飲み屋での出会いや麻布や六本木などのクラブでも出会うことができたりします。

東京や東京近郊に住む利点

上記のことからも東京に住む利点というのも非常に多いと言えます。確かに住んでみて便利さを実感しました。
仕事や学校や買い物の事を考えると東京が一番強いというのは周知の事実です。

ですが、同時に”地方で住む”というのが”贅沢”と強く感じました。
東京を出て熊本で生活する友人がいますが、毎日がとても幸せらしいです。
海外に滞在するということで、1ヶ月程彼の家を拠点として借りて九州を滞在した時に全く同じ感想を持ちました。

地方の魅力

仮に”仕事が地方でも何とかなり”、”お金に少し余裕があり”、”人間関係の問題が解決できる場合”は地方での生活は魅力的なものです。
毎朝起きると、俵山から阿蘇山を毎日一望でき、窓を開けると新鮮で良い香りのする空気が部屋をいっぱいに満たします。
近所には泥が付いたままの採れたて野菜が毎日入手でき、キッチンの水道をひねると、ミネラルウォーターより美味しい新鮮な水が出ます。

水の味というのは非常に繊細なもので、そこの土地の素晴らしさを表します。
九州は色々と車で周りましたが、熊本・天草・鹿児島・霧島・都城・大分など、殆どの地域で美味しい水が飲めます。
人口が少なくて自然が多い地方であれば、本州であろうとも水道からそのまま良い水が出ると思います。

アクセス

東京と比べると、比較にならないほどアクセスは悪いです。
ですが道は空いているので、たとえ空港まで40キロあっても1時間かからず車で行けたりします。
繁華街だけは休日少しだけ混雑しますが、市外は平日・土日関係なしにスムーズで車が非常に少ないです。

本州でも田舎であればあるほどに、道路が空いてゆく傾向にあります。
高速道路なども毎日ガラガラな地域もあります。

ですので、ドライブや移動は苦にはなりません。
空港から東京に行けば、そこから色々移動できるので、地方に住んで、用事があるときに東京に行くというスタイルは贅沢です。
近年では格安航空などで九州から東京間が片道1万円を切る値段で用意もあり、名古屋から東京の新幹線料金と同等です。
空港まで遠い場合は別の手段を選ぶ必要があります。

買い物

ショッピングはインターネット通販が非常に充実しているので、アマゾンや楽天などで色々な物が店舗より安く手に入ります。
他にも地方ではアウトレットモールがあったりするので、そういった場所で買えばブランド品さえも安く正規のものが買うことができます。

テーマパーク・イベント

残念ながらこれらは非常に不利です。
ですが、年間に数回しか行かない人であれば、先ほどのように飛行機で往復2万円で移動できるので、それで十分対応できると思います。

自然へのアクセスは非常に良く、例えば熊本の例だと天草や離島へ簡単に連絡船で遊びに行けます。他にも長崎の五島列島も都心よりは圧倒的に近いです。
また温泉巡りという楽しみもあり、霧島や宮崎、大分の別府などの旅館めぐりが簡単です。

最も魅力的なのは毎日のライフスタイル

朝起きて窓を開けると新緑がなびく音と鳥の歌、かすかな花の匂いがして、広い家のキッチンでマイセンのテーブルウェアで紅茶を入れます。
スコーンやカンパーニュパンを焼きながら、ステレオで音楽を楽しんだりできます。
1時間早く起きれば、涼しい庭で雲を眺めながら読書ができます。
ほんの平日の朝でさえ毎日のように幸福な時間を過ごすことができます。

もともと住んでいる人はその環境に慣れすぎて価値を見失ってしまう人もいますが、都会から自分に合った文化だけを持ち込み田舎で過ごすというのは素晴らしく贅沢です。

夜になれば静寂が訪れ、満天の星空が姿を見せます。秋になれば枯れ木を集めて庭でBBQを行い。冬は暖炉に火を入れます。
四季を感じるのがどれだけ幸せか、都会から出て地方で生活すると実感できます。
もちろん、そのライフスタイルが合わない人も多いかもしれません。
ただ、都会で疲れきってしまった人にはこういった生活が何よりの至福に感じる事も確かです。

rinc1