イタリア製の服は日本製よりも質がいい?

雑誌のなどでは大人気なイタリア製のジャケットやシャツ、パンツなど。でもそのお値段といったら、日本製のジャケットなどに比べると2倍近いものも少なくなく、そのくせ生地や仕立ての具合はどちらも似たような感じだったりします。

本当は売りたいからイタリアの服をごり押ししているだけじゃないの?と気になっているあなたのために、イタリアのジャケットと日本のジャケットを比較しながら品質を比較してみます。

ジャケットに見る、品質の違い

イタリアの服というのは、世界で最も品質やデザインで選ばれ愛されている服です。スーツの最高峰と呼ばれるブランドはbrioni、kitonなどとどれもイタリア製ですし、世界的なデニムブランドのディーゼルや若者の好きなモード服のドルチェアンドガッバーナやアルマーニのようなデザイナーズブランドも、イタリアです。

今回はその中でも、品質の違いが顕著に出るトラッドブランド=クラシコブランドの本格的なジャケットを比較してみようと思います。

jackets

上の写真のジャケットは手前が日本の大手セレクトショップであるBEAMSの大人向けドレスラインである、BEAMS Fの日本製ジャケット。

定価は9万円ほどで、ロロピアーナというイタリアの最高級生地ブランドによる最高級生地であるカシミア&シルクの生地を使っています。各所にステッチが施され、アンコン仕上げながらも非常に本格的な仕上げです。

そして奥はサルトリアパルマ、別名ラファエルカルーゾというイタリアのやや高級なブランドのジャケットで、定価13万円ほど。ノーブランドのウール100パーセント生地で、トロピカルウールならではのざっくりとした質感が心地よく、着心地が涼しくてありがたいジャケットです。

この二つを見てみると、BEAMSのジャケットが「なかなかやるなあ」という印象です。ラファエルカルーゾのジャケットよりも数万円安いのにも関わらず、イタリアのブランドでは30万円以上のハンドメイドのジャケットにしか用いられないような超高級生地を使い、仕立ても本格的に作られています。

ラファエルカルーゾのジャケットも作りは良く、着心地が軽やかで素晴らしいジャケットですが、そfれでも良質ながらオーソドックスな生地なので、贅沢な感じはありません。

なるほど日本製、特にセレクトショップのオリジナルというのはイタリア製のジャケットのシルエットや素材感などを研究し、日本の仕事が丁寧なファクトリーに作ってもらっているため、コストパフォーマンスが良く作りのしっかりしたジャケットになっているわけですね。

イタリア製ジャケットの魔力

DSC_7256

それに対してイタリア製の服は、高いのに全然良くない?日本製に劣るのかと言えば、そうではありません。例えば上の二つのブランド、Stile LatinoとSartorioのジャケットを見てみます。

仕立てはまるっきり簡素です。全体的にマシンメイドによるものですし、肩や袖などのAMFステッチは省略されていてます。もちろん値段が安いのであればそれも仕方がありませんが、上の二つのジャケットはあろうことか20万円ばかりもするものです。

9万円の日本製ジャケットの方がよほど本格的で手の込んだ仕立てに見えますね。しかもこの二つのジャケットは特別生地が贅沢な素材なのかといえば、ぱっと見そういうわけでもない。左はコットンリネン、右はコットン100%と世界で最もスタンダードな素材達です。

いよいよ「ボッタクリだー!」「詐欺だー!」「通報だー!」とわめき散らしたくなってしまうところですが、ちょっと待てよ、ジャケットなんだから着てみよう。

とこういったジャケットを着てみると、イタリアのジャケットの魔力が分かります。シルエットが恐ろしく綺麗なんですね。表から見ても大してぱっとしないジャケットも、着てみると体のラインにぴったりと沿うように立体的に裁断されている。

それだけではありません。もちろん立体的に裁断するだけであれば、日本の職人だって負けてはいません。しかしイタリア人の、例えばナポリ人は世界で最も器用(かつ手癖が悪い!)と言われています。

イタリア人の職人達はまず、体に沿うだけではなく、体を実物以上に色気があるように魅せるようなラインを考え出します。これがイタリアのジャケットの凄さです。イタリア人のバランス感覚と美的センスが生きています。

そしてイタリアの良質なジャケットの驚くような快適な着心地を生み出しているのは、動きを服にする能力です。

例えば体を包み込むようなフォルムは、高い技術力を持った職人たちならできます。しかしイタリアの腕の良い職人はさらに、着た人がどんな動きをして、どの部分にどのくらい、どの方向へ力が掛かるかも経験から知っている。

すると、例えば力が入ったときにすこし伸びた方が着心地が良くなる部分は少し甘めに、緩めに縫うことでマージンを作っておく。逆に力が入ると負担がかかる部分はミシン縫いよりも頑丈に縫う。そのような絶妙な技が、イタリアの服の魔力となって、着心地の良さやシルエットの良さになっているわけです。

もちろん日本のジャケットは非常に丁寧に誠実に作られていて、イタリアの服よりも安く良いものを手に入れられることが多い。しかし、特に一定の価格以上のイタリアの服には、まるっきり神業のような技術とイタリア人の一級の美的感覚によって生み出される、魔力のような着心地の良さと美しさがあります。

普段使いに使うような服であれば作りの良い日本製を、一張羅にはそういった魔力をもったイタリアの服を試してみて頂きたいところです。

 

いかがでしたか?

今回はイタリアの服と日本の服を、ジャケットで比べてみました。