イタリアのホテル事情

これからイタリア旅行に行くけれど、どんなホテルを取ったらいいのか分からない。確かに、初めて行く国でホテルをあらかじめ予約するというのは、少し緊張するものです。

今回はそうして悩んでいる人のために、イタリアのホテル事情を紹介します。

イタリアのホテルの星はあてにならない

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通常ホテルにはその国や、州などによって定められたランクがつきます。それがいわゆる1つ星、5つ星といった星で示されるものです。

日本やカナダなどの国の場合にはそういったランク付けがかなり厳密に行われており、サービス、設備、広さ、スタッフ数などによって正確に評価されています。そのため、ランクによって選べばさほど問題なく、そのランクに応じたステイをすることができるわけです。

しかしイタリアでは話が別。

イタリアのホテルは星のランクがあてにならないということで有名です。例えばリーズナブルな値段帯と、比較的良いサービスが期待できるということで、ホテル選びでは検討されやすい4つ星ホテルについて見てみましょう。

例えばフィレンツェのアルバーニ・ホテル。

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こちらは駅から近いこともあり、多くの人が利用するでしょう。このホテルは比較的小さいながらもスタッフが3人ほど常駐するカウンターがあり、エントランス付近にもスタッフがいるため、基本的に安心して利用することができます。

またエントランスから客室に至るまで調度品は豪華で、全て清潔であり、またセンス良くコーディネートされています。しかし決定的に部屋が狭く、他の4つ星ホテルに比べるとかなり値段が高いにも関わらず、スタンダードの部屋は他の4つ星の半分ほどしかありません。

居住スペースはなく、ほとんど寝るだけといった感じですね。

逆にボローニャのグランドホテル・エリート。

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こちらはかなり部屋が広く、独立したワークスペースの他、ソファとテーブル、バーカウンターにキッチンまで付いています。広さでいえばスイートルーム並です。しかし、どうもこれはアパートメントを階層したホテルらしく、調度品は安っぽく、なんとなく落ち着きがありません。

しかも写真で見るとなかなか豪華に見えるというおまけ付きです。

フロントの対応はまあまあ、といったところで、かなり狭いですがスタッフが二人ほど常駐しており、基本的な相談には乗ってもらうことができます。

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次にミラノのアタホテル。こちらは4つ星で、部屋はそこそこの調度品を使っており、居心地は悪くありません。しかしこれもまた、アパートメントを改装したらしい内装で、違和感があります。

さらにフロントにはスタッフが1人しか常駐していない上、ワイングラスなどといったものは用意がなく、日本の4つ星に比べると対応や用意はかなり粗雑です。

そんな具合で、4つ星の中でもさまざまなホテルがあります。4つ星に共通して言える特徴は以下の通り。

・日本で言うと、3.5つ星といったレベル。

・当たり外れが大きい

・アパートやビルなど、専用設計の建物でないことが多い

・フロントは小さく、常駐は1〜3人ほど。

・立地が良いものはかなり高く、悪いものは安い

・ワイングラスやケトル、アイロンなどの備品は殆ど無い

・建物は古いもの、新しいものがあるが、基本的には清潔

といった感じです。

これが3つ星になると、さらに部屋が狭く古くなったりするかもしれません。何件も見ましたが、エントランスは一流な3つ星ホテルも、建物自体が年代物のぼろい3つ星ホテルもあります。

また2つ星などはいかにも古いものや狭いものが多く、普通のテナントの間にエントランスがあったり、階段で上って2階以上にフロント(ドア)があったりします。

正直なところ、最低限

・清潔

・眠ることができる

・まともなスタッフがいる

・朝食が出る

といったことを望むのであれば、4つ星以上が最低ラインです。

イタリア街ごとのホテル事情

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イタリアに行く際には、街によって表情があまりに違うことで、驚くでしょう。それに伴って、ホテルの方も街によって相当異なります。

まず最も大きな差が出るのは、値段。

ベネチアなど土地や建物が限られている上に、観光地として人気な場所は最も料金が高いです。また売り切れも早く、まるでホテルが取り合いのようになっています。ベネチアの島内に宿泊することを考えたら、たいしたことのないホテルでも5万円ほど、高級ホテルであれば10万円ほど掛かることも多いでしょう。

またベネチア島内は常に人が多く、ごった返しているため、落ち着きにくいのも難点です。

それよりはベネチアから比較的近い場所にある、文化都市パドヴァなどに宿泊するのがおすすめ。

またミラノやローマなどの大都市は、基本的に田舎や中都市より宿泊料が高いことが言えます。ただしランクはピンキリとなっています。ランクの低いホテルは安く、ランクの高いホテルは高い。また同じ4つ星でも値段に開きがあったりと、いろいろなことがあります。

総じて言えるのは、大都市のホテルは高ければ高いほど良い。高いホテルには理由があり、外れません。ですので、大都市で確実に快適なステイをしたければ、ある程度値段を出した方が良いでしょう。

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またフィレンツェなどの古都の場合、町中にあるホテルであればあるほど、建物の構造が古く、部屋が狭かったり、バスルームが不便だったります。これは歴史的建造物を保護する観点から、大規模な改装などが認められておらず、また土地の状況から拡張ができない場合などが多いからです。

そのためそういった、街自体が世界遺産となているような都市に宿泊する場合にはやや郊外のホテルを選ぶのも良いかもしれません。

ボローニャなどの中堅都市の場合、最もおすすめは5つ星ホテルに宿泊すること。こういった中堅都市では4つ星ホテルに当たり外れが大きく、思ったようなステイができない場合があります。

逆に5つ星は大都市に比べると幾分安く泊まれるうえ、特に街に1つか2つしか選択肢がないこともあって、「その街の王道ホテル」という雰囲気がある。そういったホテルは、著名人やお金持ちも泊まるため、それなりのサービスを提供していることが多いです。

最後にトスカーナを始めとした田舎町をどうしたら良いか。おすすめはワイナリーなどに併設されているファームステイ、あるいはB&Bです。

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どちらも親切なオーナーが夫婦で、経営しているペンションのような形態のものが多く、評価の良いところを選べば、イタリアらしい一流のホスピタリティを受けることができます。

いずれも最低限のマナーをわきまえ、他の宿泊客とひとつのテーブルについて会話ができる程度の語学力、教養がある人におすすめ。B&Bは積極的なステイです。

ちなみにイタリアでB&Bにステイする場合には2種類のパターンがあり、1つは上に書いたようなもの、もう1つとして全く干渉無しの放任B&Bがあります。

後者の場合は特に、朝食も付かずB&Bではないjust Bの場合もあり、また言葉はイタリア語しか通じません。到着してさっそくI have a reservationと言っても通じず、カーメラ(部屋)、プレノタッツィオーネ(予約)などといったイタリア語を駆使してコミュニケーションを取る必要があります。

それも含めて、B&Bの魅力と言えるでしょう。

イタリアのホテルで重要なこと

いかがでしたか。

今回はイタリアのホテル事情をランクの星や、地域による傾向などをメインにお話してみました。イタリアを旅行するとき、実際に一番重要なことは、ホテルに色々と期待しすぎないことです。

試しに、ホテルだからワイングラスもコルクオープナーも借りられるだろう、フロントに頼んでみましょう。5つ星なら確実ですが4つ星だと裏で必死に探しまわって見つけてきてくれたりします。

ホテルのフロントは必ずしも丁寧で、親切で愛想が良いわけではありません。それを期待できるのは世界でも、日本の4〜5つ星ホテルだけでしょう。

もちろん親切で素晴らしいスタッフにあたることも多いですが、その逆もあります。

ホテルにいろいろ期待しすぎない、ホテルで少し不満があるからといってイライラして旅を台無しにしてしまわない。これが重要です。

イタリア人のように適当に、ラフに、全ては「イタリアだから」と許すつもりで宿泊しましょう。