【検証】イタリア製生地のスーツ・テーラードジャケットは実用的??

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イタリア製生地は美しいけど繊細??

 

スーツやテーラードジャケットにこだわっていくと、いずれ必ず選択肢に入ってくるのがイタリア製生地のもの。

美しい光沢感と、滑らかな手触りに感動した人も多いはずです。

でも噂によれば、イタリア製生地はイギリス製などに比べて「メツキが悪い」つまり耐久性におとり、シワになりやすいらしい……。

今でもイタリア製生地の実用性は低いの??

そういうわけでいくつかイタリア製生地を使ったテーラードジャケット、スーツジャケットを用意してみました。

上の写真の左から

・CERRUTI PRESTIGE チェルッティ・プレスティッジ

・CANONICO  カノニコ(春夏もの)

・MARLANE PRIMATIST マーレーン・プリマティスト

・CERRUTI PRESTIGE チェルッティ・プレスティッジ 130’s

・Valditaro ヴァルディターロ(今回は省略=詳しくはこちらの記事で)

・CERRUTI チェルッティ(シルクリネン)

となります。

イタリア生地で言えば入門〜中級グレードの生地たちです。特にこれからイタリア生地のテーラードに挑戦する人にとってCANONICO カノニコやCERRUTI チェルッティは大きな選択肢でしょう。

それではイタリア生地のテーラードジャケットやスーツは実用的か??

メーカーごとにいってみましょう。

 

 

CERRUTI チェルッティ

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CERRUTI チェルッティはイタリアのビエラ地方で創業された高級服地メーカー。

Loro Piana ロロピアーナやZegna ゼニアに次いでイタリアきってのインターナショナルブランドとされていますが、日本では他の二つに比べるとマイナーなのがCERRUTI チェルッティですね。

まずはそんなCERRUTI チェルッティの中で、日本でも様々なブランドでさりげなく使われている定番スーツ生地、PRESTIGE プレスティッジを見てみましょう。

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光沢が美しい薄手のオールシーズン生地です。

手前はPaul Smith London ポールスミスロンドンのスーツで、CERRUTI チェルッティ・プレスティッジの中でも細めの糸を使用した130’sウールの生地を採用。

どちらかと言えば手触りや着心地を重視したものですね。

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一日着用してみたところ、フラップがかなりのシワになってしまいます。

これは着席しているときや車の運転中などによく着いてしまうシワで、どんな生地にもありがちなこと。それでも生地が薄手な分ややシワが鋭角になりますね。

特にオールシーズンもので薄手の生地だとシワがくっきりと出てしまいやすいのかもしれません。

次は奥のスーツ。

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こちらはイギリスから輸入されたもので、CERRUTI チェルッティ・プレスティッジのSuper 100’sを使ったもの。Paul Smith London ポールスミスロンドンのスーツに比べるとやや厚手な生地感で、光沢もちょっと控えめです。

使っている糸が太く生地がやや厚手な分、シワになりにくいのが嬉しいところ。襟の形を見ていただけると分かりますが、ハリがあって常に立体的になるのも特徴。

着たときに美しく決まるのは糸が細かく薄手の生地かもしれませんが、それとなく置いておいても型くずれしにくく折れ目などがつきにくいのは一般的に「バランスが良い」と言われているSuper 100’s ウールのメリットです。

ちなみに耐久性に関してはどちらも問題なし。

Paul Smith London ポールスミスロンドンのスーツは、丁寧にスチームを使ってシワを伸ばし、ちょっと背伸びした良いコースでクリーニングに出していれば生地が痛むことはほとんどないと思われます。

Super 100’s の方はそれほど着用していないので定かではありませんが、さらにタフなはずです。仕事で毎日着用する方でオールシーズンだと生地を休める時間かないので、Super 130’s よりは Super 100’s が向いているでしょう。

手元にあるオースティンリードのジャケットと比較してみても、イタリア製だからといって特別CERRUTI チェルッティが繊細なようには見えません。

 

もうひとつCERRUTI チェルッティの生地。

こちらは聞いただけで身の毛もよだつ、実用性から180度回ったところに存在するシルクリネンの生地です。

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シルクと言えば、それはもう水に弱い・連続着用できない・アイロンを掛けれないと三拍子揃った贅沢極まりない生地。

ベントレー・コンチネンタルGTしか運転しない人や、ロールスロイス・ファントムの後ろの席にしか座らない人ならともかく、一般人である我々にそんなもの使ったジャケットなんか着れるか!と思うのが普通です。

でも実際には意外と問題なく着用できてしまうのが驚き。

もちろんクリーニングが自宅で出来ないのはもちろん、クリーニング店でも特殊料金だったりしますから、着用の際には襟袖の汚れに注意しましょう。

シルクなので雨の日には着用しないことにし、雨が降りそうな日には予備のジャケットを持つのがおすすめです。

もう一つ意外なのはアイロンがかけれないということはいつでもシワシワを覚悟していましたが、1日着用後ハンガーに掛けて1〜2日置いておくとほとんどのシワが自然に伸びていること。

これはシルクの復元力が高いことが理由です。

ですから、シルク混のイタリア製生地に関しても、「濡らさない、汚さない、下手に自分でクリーニングしたりしない」ということ守ればOKです。

そんなの服に着られてる、って??

まあ服に限らず、あらゆるものは高級になるほど手がかかっていくもんです。特に「バランスが良い」と「美しい」の間の一線を超えたものは……。

 

 

MARLANE マルラーネ

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次に紹介するのは、イタリア製生地の中でもエントリーとして最適なMARLANE マルラーネの生地。

MARLANE マルラーネは数あるイタリア服地メーカーの中でも中堅に位置するコストパフォーマンスの高いブランドであり、その中でもPRIMATIST プリマティストは実用性を兼ね備えた生地です。

まあ包み隠さず言うのであれば超絶入門生地というわけです。

でも実際には、非常に高性能なのが特徴。

先ほどもちらっと解説したように、「バランスが良い生地」というのは「最高級」の生地とは違うわけです。

こちらのMARLANE マルラーネの生地は滑らかな手触りを持ちつつも、イオンのスーツにも採用されていて2万5000円〜とお手軽な値段で買える。その点から言えば、MARLANE マルラーネの生地はお得感満載と言っても良いはずです。

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このPRIMATIST プリマティストSuper 100’s は特にシワに強く、手でぎゅっと掴んで離してもほとんどシワが残らないほど。

ハリが強く、どんなふうに取り扱っても形が崩れないタフさがあります。

急いでいるときや、ビジネスシーンでは家の中で思っているほどジャケットに気を使っていられません。そう考えればアクティブなビジネスマンには、このようにタフである程度上品な生地が適していると言えるでしょう。

このMARLANE マルラーネの生地はいかにも「イタリア生地だ!」という感じの光沢感や、滑らかな手触りのあるものではありませんが、その代わりに耐久性や実用性のレベルは非常に高いです。

 

 

CANONICO カノニコ

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CANONICO カノニコと言えばイタリア製生地の中でもコストパフォーマンスが特に優れているとされる、高級服地メーカー。

そこそこの値段ながらも、いかにもイタリア製らしい滑らかな手触りと光沢のある生地感がファンを作っていますね。

「本当に1流ブランドなの??」という声もあるかもしれませんが、実はCANONICO カノニコの生地は世界の有名ブランドがこぞって採用しているのです!

Zegna ゼニアを始めBurberry バーバリー、ARMANI アルマーニ、Ralph Lauren ラルフローレンなどのブランドもCANONICO カノニコを採用しています。

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そんなCANONICO カノニコのテーラードジャケットは、いかにも高級感のある光沢が魅力。

生地が光の加減で立体的に見えシルエットが強調されるので着ても掛けても、どんなシチュエーションでもしっかりと映える生地と言えるでしょう。

そして今回取り上げる夏用の生地は、オックスフォード地にも勝るほどシワになりにくいのが特徴。

1日ハードに着用しても、小じわは一切できません。もちろんフラップのあたりには幾分のシワができてしまうものですが、シルエットが崩れることもなく綺麗なまま。

表面がざらざらとしているため何かに引っかかることもあるかもしれませんが、基本的には問題なく着用できます。

春夏のテーラードジャケット選びは麻一択になってしまいそうなところですが、キッチリとしたシェイプで決めたければやっぱりウールが良い!

そういうわけで、イタリア製らしい風合いと涼しさ、強さを兼ね備えたCANONICO カノニコがおすすめになるわけです。

 

 

友情出演

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ところで重要なエントリークラスのイタリア服地メーカーが出ていないって??

REDA レダのことですね。

もちろん忘れてなんかいませんよ!なぜREDAレダを取り上げなかったかと言えば、それには訳があります。

つまり編集部にREDAレダのジャケットのストックが無かったということです。

そういうわけで一応、REDA レダの生地を使ったシルク製ネクタイがありましたので友情出演ということです。REDA レダは特に日本で言えばUnited Arrows ユナイテッドアローズと仲がよく、スーツなんかでREDA レダの生地が良く使われていますね。

 

 

イタリア生地を日常生活に!

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こうやってざっと見てみると、意外とイタリア製の生地も強度や耐久性、防シワ性能があるということが分かります。

十分実用的!……なものばかりではありませんが、特にCANONICO カノニコやMARLANE マルラーネくらいの生地であればバランスがよく、美しい風合いと滑らかな手触りを楽しみながらも日常使いできる手軽さがありますよね。

使うときには、水に濡らさないように気をつけたり、毎日着用しないように気をつけたり、あるいはスレや引っかかりに気をつけたりと当たり前のことに注意を払えば意外と問題なく着れてしまいます。

もちろんブラッシングやクリーニングも必要ですが、これって詰まるところ「手入れすればちゃんと乗れる」イタリア車とほとんど同じです。

何より、イタリア製生地を身にまとって仕事をしたり、休日を過ごしたりすることの幸せさ!これに尽きます。

ぜひ日常生活にイタリア製を取り入れて、ちょっと気を使うけれどお洒落な生活を楽しんでくださいね。