ハイレゾって何??

最近、電気屋さんのオーディオコーナーやインターネットなどで良く耳にするようになった言葉、ハイレゾ。

「あー、あれでしょ。 なんか音が良いやつ。」

といった認識の方もいれば、そもそも何なのか知りませんといった方も多いのではないでしょうか。

今回はそのハイレゾについての簡単な解説、また筆者自身の意見も交えたハイレゾの在り方について述べてみたいと思います。

アナログとデジタル

まずハイレゾ云々の前に、音おけるアナログとデジタルの違いを説明しておきます。

アナログというのは、連続的なものであると考えてください。

我々が普段聞いている人間の声、雨がアスファルトに打たれる音やお寺の鐘の音は、連続的に変化する空気の波を起すことで耳へと伝わってきます。

アナログ信号を記録できるものとして、レコード、カセットテープなどが挙げられます。

次にデジタル。

デシタルというのは、連続的なものではなく、離散的なものであると考えてください。

連続でないので、飛び飛び、といったほうが感覚的にはわかりやすいでしょうか。

例をあげるとすると、実数の中の整数がそうです。

小数点以下の値を整数で表現するとなると、どんな小数点以下の数値が存在しようにも1、2、5等といった値でしか表現ができません。

アナログ信号が綺麗な波を描くのに対して、デジタル信号は波のように見える連なった棒グラフの集合体、つまりギザギザの波を描きます。

デジタル信号を記録できるものとして、CD、DVD、ハードディスク等が挙げられます。

細かいことはさておき、CDはアナログ信号でなくデジタル信号が記録されたものであるとざっくり理解していただけるだけで大丈夫です。

ハイレゾ=ハイレゾリューション

「ハイレゾ音源」とは、CDを超えてよりマスターが持っている情報量に近い高解像度の音源(データ)のことを指します。
CDよりも情報量の多いハイレゾ音源ではきめ細やかな音になり、CDでは再生できない空気感と臨場感を表現する事ができます。(VICTOR STUDIO HD-Musicより引用)

ふむ…とにかくCDより情報が沢山入っているんですね。

そもそもマスターって何?と思われる方もいらっしゃると思いますが、レコーディングからいくつかの編集を経て最終的に完成した音源のことを指します。

現在レコーディングスタジオは基本的にPCで音を録っているのですが、テープマシンでの録音が主流だった頃にはマスターテープ、CDの音になる元になる音が記録されたテープのことを指していました。

CDでは再生できない、といった記述がありますが、正確にはCDには記録できない情報がハイレゾでは記録することが出来るため、きめ細かい音の表現が可能となっているのです。

また、ハイレゾと一言に言ってもその中に多くの種類が存在します。

解像度の高さが色々ある、とざっくりわかっていただければ問題ありません。

ハイレゾの定義そのものを日本オーディオ協会が定めていますが、ハイレゾにおいて大切なのはそのような規格ではないので割愛します。

CDでは記録できない音とは

まずはCDについて簡単な説明をしておきます。

CDに記録されている音というものは、人間が聞こえる音の範囲が入っていれば良いだろう、ということで人間に聞こえないといわれている音(正確には音域)が記録できない規格になっているのです。

具体的にCDの音の規格は16bit/44.1kHzとなっています。

突然何その数字…?と思われた方も多いでしょう。

ハイレゾではこの2つの数字によって解像度のグレードが決まってきます。

~bitというものは量子化ビット数と呼ばれ、簡単な言葉で説明しますと音の大小(ダイナミクス)の解像度の高さになります。

この量子化ビット数が小さくなるとどういった音になるかと言いますと、例えばファミコンのサウンド。荒れたといいますか、歪んだような音になります。音の強弱も細かく表現されません。

~Hzといったものがサンプリングレートです。簡単に言うと、1秒間あたりに何回音量を測定(量子化)をするか、ということを示した値になります。CDでしたら、kはキロなので1秒間に44100回測定をしていることになります。

また、このサンプリングレートの約半分の値までの音の高さを表現することができます。つまりCDでしたら約20kHzまで、人間の可聴域は約20Hz~約20kHzと言われていることから、人が聴ける音を再現出来ると言う考えの元にこのCDのサンプリングレートが定められています。

さて、ここで疑問が浮かぶと思います。

人間が聴くことの出来る音を表現できているなら、何も問題は無いんじゃないの?と。

しかしここで最初のアナログとデジタルの話が関わってきます。

量子化・サンプリングというものがアナログ信号をデジタル信号に変換するための仕組みの一部なのですが、この時点でどれだけアナログの音に近い音を表現出来るかが重要です。

デジタルではアナログとまったく同じものにはなりません。

最初の説明にあったように、小数点も含んだ値の移り変わりを整数だけで表現するとなると、小数点以下の値が失われることになるのがお分かりいただけるかと思います。

これを音楽においてみましょう。

同様に、音程の微妙な変化や微妙な音量の変化もが失われることが考えられます。

そうしてもう一つ、聴くことのできない音でも人間は感覚として捉えることが出来るといった話があります。

それならば、聴こえないからといってデータに記録されていないのは、本来の音楽の表現力を狭めていることになりますよね。

ハイレゾのサンプリングレートにはCDの44.1kHzを超える48kHz、96kHz、192kHz等が存在するため、このような人間の可聴域外の音も収めることができます。

逆にアナログはどうなの?といった話になると、こういったより細かい表現まで失われること無く記録されているわけですから、素晴らしい媒体であると考えても良いですよね。

アナログほどでは無くとも、そんな細かい表現まですることが可能なデジタルサウンドがハイレゾなのです。

必ずしもハイレゾ、アナログが素晴らしいわけではない

これだけアナログに近い表現力豊かなハイレゾなのに、何を言い出すの?と思われたかもしれません。

しかし考えてみてください。

細かな表現まで記録できる=ダラダラとした表現も忠実に表現される

ということです。

表現というのはざっくりまとめているだけで、それは録音時の演奏、時間をかけて完成までに作りこまれた音や楽曲の世界観等楽曲に関すること全てに関して言えることです。

CDの場合、そんな細かい表現が失われているが為、逆にメリハリのあるサウンドになっているものも数多く存在します。

近年はPCのみで完結するような打ち込み音楽も多くなりました。

果たしてそういった音楽がハイレゾである必要はあるのでしょうか?

ハイレゾだの、CDだの、あくまで音楽を収める為の箱の違いに過ぎません。

その箱を選択し、どう箱に詰めていくかは表現者次第です。

アナログだって同じです。

近年またLPレコードなどでのアルバム販売も見掛けられますが、果たして箱に合った音楽になっているのか、全ては聴いてみなければわかりません。

CDでさえも、粗悪な音楽が収められているものだって存在するわけですから。

つまり、ハイレゾだからどう、アナログだからどうといった話ではなく、ハイレゾ音源であるならばそこに至るまでの理由や過程までもしっかりと記述されるべきであると考えます。

自分の耳を信じる事

もしこれからハイレゾを楽しもうと考えているならば、粗悪なハイレゾで満足してしまわない為にも、まずは自分の耳、感覚を育てることから始めましょう。

近年はiPhone等のスマートフォン、ウォークマンなどのポータブル音楽プレーヤーに多くの音楽を入れることができますが、それらはほぼCD以下のクオリティの音になっていることを忘れてはいけません。

もちろん、そういった圧縮ファイルという狭い箱をうまく利用して表現されたものも存在はしています。

しかしどうでしょうか?

CDからリッピングした時に既に失われた情報(設定次第でもちろんCD同等のクオリティを保つことができます)、また沢山楽曲を入れるがために変換し、失われた情報。

多くの方がこういった音楽を聞いている訳です。

そのままでは粗悪なハイレゾでも満足してしまうことでしょう。

ある意味、音楽を売っている側(出版社等)はそれだから売れるとも考えているのでしょうが。

ですから、データサイズとしては大きくなってしまうのですが(当然ながらハイレゾはもっと大きいです)、まずはCDを同等のクオリティ(WAVEファイル)で取り込むこと、また取り込むのではなく、CDプレーヤーで直接再生してじっくり聴くようにすることから始めるのが良いと思います。

さらに、もっと生の音楽に触れることも大切です。

ライブやコンサートに行く、また普段聴かないようなジャンルのCDを聴いたり演奏を聞いたりする、自分で楽器を演奏してみるなど。

また、そこから同様に色々なハイレゾ音源を聴いてみることが良いと思います。

環境をお持ちの方は、レコードを楽しむのもとても良いのではないでしょうか。

良し悪しの判断は、ハイレゾかどうかやアナログかどうか、また数字がどうとかそんなお話では無いのです。

あなたが耳を信じ、どう感じたかが一番の鍵になります。

ハイレゾの楽しみ方

大切なことを踏まえた上で、最後に楽しみ方の簡単な紹介、筆者おすすめの音源などを紹介していきたいと思います。

そもそもハイレゾにはいくつか楽しみ方の種類があります。

ハイレゾ音源配信サイトで購入し、PCやポータブルプレーヤー、ネットワークオーディオ等で楽しむのが一つ。

しかし筆者がオススメするのは、Blu-ray Audioです。

Blu-ray Audioも、ハイレゾの一種ですがBlu-rayプレーヤーを必要とします。

プレーヤーだけでなく、むしろ多くの方が既に持っていそうなレコーダー、またPlayStation(3以降)等の機器でも問題ありません。

こうして手軽にテレビで聴けるハイレゾ、という点がすごく良いと思います。

スピーカーをお持ちの方は、プレーヤー等の音声出力端子を、TVに繋ぐのではなく、スピーカー(またはアンプ)に繋いでみてください。素晴らしい音が聴けるはずです。

またBlu-ray Audioには、とてもクオリティの高い作品が多いことも理由として挙げられます。

アーティストのライブや、映画のBlu-rayでも同様です。

またこれは以前から出ていたものなのですが、SACD(Super Audio CD)にも良い作品が多く存在するようです。

しかし、専用CDブレーヤーが必要な事やしっかりと楽しむためには高額なアンプが必要等、手軽さに欠けるのがマイナス点ではあります。。。

その分、Blu-ray Audioやハイレゾ配信をも超える表現力を備えているのがSACDです。

プレーヤーだけでしたら、低価格でBlu-rayもSACDも再生できるといった機器が出始めていますので、興味のある方はSACDにも手を出してみるのもいかがでしょうか?

ちなみに、筆者は最近SACDに興味を持ち始めましたので、今後取り入れて行きたいと考えております。

それでは、少ないですが筆者のオススメBlu-ray Audioを紹介します。

オーディオマニアでは無いので、なんとも薄っぺらいレビューかもしれませんがご承知おきを…

Pure Audioシリーズ

ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》・第7番  / ウィーンフィル / カルロス・クライバー

クラシックそのものを最近聴くようになった筆者ですが、このなんとも言えぬ素晴らしい表現力、臨場感。

ベートーヴェンの運命は多くの方が知っていると思いますが、普段クラシックを聴かない方にも是非聴いていただきたい一枚です。

V / Maroon 5

筆者はCD版も購入し、聴き比べたことでこのBlu-ray Audio版の素晴らしさをさらに知ることとなりました。

何より全体像がクッキリし、ボーカルのアダム・レーヴィンの声が前に出てきます。

またCD版では気づかなかった音に気づいたり。

CDになるのですが、Overexposed、Songs About Jane、この2枚のアルバムもとてもよいです。

この他、Pure Audioシリーズはとても良い物が多いです。是非。

ハイレゾ配信:e-onkyo music

Snow halation / μ’s(ラブライブ!)

突然のアニメソングですみません。

なぜこれを勧めるのかと言いますと、ラブライブのCDシングルの音が粗悪すぎるという点からです…

しかし楽曲自体とても良いものが多いと筆者は思っています。

ですが正直そもそもの全体の音が曇った印象かつ、あんまり出ないでほしい帯域の音が出ているような気がするのでオーディオ的には×ですが、ボーカルの厚みが増し、CD版の嫌な突っ込みすぎたレベルでないことが嬉しく思った為です。

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」/スメタナ:交響詩「モルダウ」(1977年録音)

ベルリンフィル / ヘルベルト・フォン・カラヤン

そもそも筆者自身にクラシックなど評価する権利も無いかもしれませんが、これまた素晴らしい作品です。。。

1970年代にこの録音技術って凄すぎやしませんか、と驚いてしまう作品。

カラヤン指揮ベルリン・フィルの音源は他にも幾つか購入して聴いているのですが、なんともまぁ、これだ!と思わせる作品がとても多いです。

このパーッと広がる臨場感、たまりません。

※e-onkyoにも粗悪品ハイレゾは存在しています。また筆者自身も騙されている可能性があります。しつこいようですが、ハイレゾという先入観にとらわれず調べ、聴くことが大切です。

いかがでしたでしょうか?

技術の進化が音楽の進化に直結しているわけでは無いのです。

ある意味で、退化している部分も多くあります。

今ではCDの売上も大幅に落ち込み、昔のような何年も大切にされる大ヒット曲もなかなか生まれてきません。

音楽が買うものどころか、配るものへと移ってすらいる時代です。

そんな中でも、多くの人が真の音楽とは何なのかを見失わないことが、衰退している音楽業界を救う手立てになるのかもしれません。