日本の薫香紅茶、富士山小種とは

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紅茶研究家のはっしーです、こんばんは。
さて、久々の紅茶レビューは静岡県で作られる薫香紅茶の富士山小種(すーちょん)です。

中国福建省にルーツを持つ正山小種(ラプサンスーチョン)からヒントを得て作られた、国産燻製の紅茶です。
色々な香りがありますが、今回はウイスキー樽を使って作られたものを選んでみました。

お勧めポイント

テイスティングに入る前に、要点を。

・日本茶の葉っぱをベースに作った紅茶
・ウイスキー樽を燃やして香りをつけている
・かなり珍しい製法のお茶

といった和紅茶の中でも珍しいお茶なんです!

商品名 富士山小種(ふじさんすーちょん)
製造者 カネロク松本園
ティーバッグ 12個入り

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テイスティングノート(マニア向けのお話…)

内容量3.3g(TBナイロン含) 抽出時間 2分 150ml
水硬度 100mg/l前後の水道水

グレードはおそらくBOPでヨリは少ないように見えます。
テイスティングカップで蒸らして、日本茶用の審査碗で試飲しました。

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感想ですが、燻製は本家の正山小種と比べると、薫香はかなり控えめと言えます。
まず、やぶきたを萎凋した時の特有の香りが漂ってきます。
やぶきたの紅茶を飲む人はわかると思いますが、完全なブラインドテストでも分かるほどの特徴的なニオイを有します。
そして次に着香された燻の薫香が続きますが、スモークウインナー程度の香りの強さです。

ある意味、万人受けして飲みやすい紅茶と言えます。
あまり本場の正山小種そっくりに、濡れた松でがっつり着香するよりも、ほのかにウイスキー樽の香りがする位の方が飲みやすいです。

 

おそらく萎凋の時間は短く、やぶきたベースにしては技術が高い紅茶と言えます。
紅富貴などのべに系と比べると、本来やぶきたは紅茶には不向きで、失敗する茶農家さんも多いです。筆者は製茶をしたことがないので確実とは言えませんが、やぶきたは萎凋が難しく傷みやすいように思えます。
この富士山小種は、そのあたりうまく作ってあり、やぶきたなのにすっきりと飲むことができます。

余韻は短く、すっと消えてゆく感じがあり薫香茶としては飲みやすいと思います。

ウイスキーでなくとも…?

ウイスキー樽特有香りがあるかと聞かれれば、少し怪しい所です。
聞くところによると、山梨県の某ウイスキー蒸留所のモノらしいのですが、◯州特有の香りは燻ではつかないようです。
処分されるウイスキーの樽は、バーボンやシェリーなどが入っていたものを熟成に何度も使い、リチャーといって内側の表面をバーナーで焦がして再利用されます。
そして微生物が活動しないくらいに使い古されたものがバラされて処分されると聞いたことがあります。
ウイスキーの成分自体はかなり染み込んでいるはずです。

それでもウイスキー様が付かないのであれば、逆にアイラモルトのように開き直ってピート(泥炭)で焚いてしまうほうが早いのかもしれませんね。
◯州もそうですが、アイラモルトを始めとするウイスキーは、麦芽を乾燥させる燃料にピートを使うので、薫香の紅茶の製法と少し似ています。

話がウイスキーへとずれてしまいましたが、つまり通常の薫香の紅茶と言えます。
温度が下がると薫香よりも、やぶきたの醗酵臭が強く出てきてしまうので、温かいうちに一気に飲むのが美味しいですね!

特殊な煙たい香りなので、一般人にはあまりお勧めしにくいですが、それでも飲みやすい部類のお茶ですので興味があればぜひ。紅茶マニアであれば一度は飲んでおくべきです。

 

追記:富士山スーチョンのりんご味?があった気がするけど、あちらの方が美味しいと思う!見つけたらおためしあれ

世にも珍しいラプサンスーチョンBOTはこちら→ https://twitter.com/lapsang_tea