珈琲入門3〜生産処理と焙煎の特徴〜

コーヒーというのは、「産地によって味が変わる」と言われています。
例えばインターネット上では「モカ・マタリが一番美味しい」など。

ところが、実はコーヒーの産地の中でもグレードというものがあります。
これはスペシャリティコーヒーという規格に基づき、数字で評価されます。

スペシャリティコーヒーとは?

今までのコーヒー豆は、味の良さを重視して生産されることが少なかったのですが、
近年では紅茶の用に品質重視のコーヒー豆が生産されるようになりました。

普通であれば、色々な農園のコーヒー生豆をトラックで全て混ぜて処理していたのですが
高品質な手摘みの農園指定コーヒー豆など、丁寧に生産している農園の豆が高価で買い取られるような仕組みができてからは、多くの国で品質の高いコーヒーが作られるようになってきました。

そこで、スペシャリティコーヒーという規格が制定されました。
スペシャリティコーヒーというのは、下記の5つを満たしてカッピングフォームというテストで80点以上を獲得したものに対して付けられるブランドです。

1.生豆350gの中に、規定を超える欠点豆の混入がみられないもの。(欠点豆=腐敗、虫食いなど)
2.輸入時点での生豆の水分値がウォッシュト精製で10~12%、ナチュラル精製で10~13%のもの。
3.異質な臭いのしないもの。
4.契約上の仕様から5%を超えるサイズの差異がないもの。
5.上記4つをクリアし、カッピングしてSCAAのカッピングフォームに基づいた基準で80点以上を付けれるもの。

これを全て満たすものがスペシャリティコーヒーと呼ばれます

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このように、ローグレード〜コマーシャルコーヒーが一般のコーヒーとして普及しています。
ですが、真に美味しいコーヒーというのはスペシャリティコーヒーとして出荷されているのです。

ウォッシュトとナチュラルとは?生産処理について

同じ生産国、同じ農園、同じ樹の豆であっても、この生産処理によって味が全く異なってしまうのです!
もちろん焙煎の違いでも味が異なりますが、このウォッシュトとナチュラルというのは、根本的に味に変化がある重要な作業なのです。

ウォッシュトとは?

コーヒーの実というのは真っ赤で果肉が付いています。
その中に2つのコーヒーの粒(ベリー)が入っているのですが、これをどうやって出すかによって生産処理が分かれます。

ウォッシュトとは、コーヒーの実をパルパーという機械に入れて皮を剥いでから水に浸します。
そこで、バシャバシャと水洗いしながら醗酵させます。
一般的なコーヒー豆はこの方法で生産処理されています。

ウォッシュトの特徴はさっぱりと爽やかな味わいになり、臭みなどが出なく飲みやすいのが特徴です。

ナチュラルとは?

ナチュラルとは、真っ赤な豆のまま天日干しして、中の豆が出てくるのを待つ方法です。
ブラジルではとても一般的で80%以上の豆がこの方法で処理されますが、他の国では殆どこの方法で生産処理することはありません。

何故なら天日干しというのは1週間近く掛かる事もあり、この間に豆の周りの果肉が少しずつ乾燥してゆきネバネバが豆に付きます。それが時間を掛けて醗酵して行くので、非常に独特な香りを持つことになります。
この香りが発酵臭で、ナチュラルの最大の特徴となります。

処理方法としては古典的なのですが、強い発酵臭が今までは一般では好まれなかったので、多くの国がウォッシュトを採用していますが、近年ではこの香りもコーヒーの良さの一つとして、わざわざナチュラルで生産されることがあります。

とはいえ、ナチュラルというのは自然で古典的な処理方法なので作業は簡単と言えます。
ただ、産地が高地や山だと傾斜により天日干しする場所が少なかったり、天候に左右されやすいので難しいケースもあります。
珍しい方法では日陰干しという生産処理もあるようです。

現在手元にある、ブラジル・サンパウロ産ティピカシティオ・ノーボ農園の豆は100%スマトラティピカ品種ですがナチュラルの日陰干しで生産されているようです。標高が1230mを超えているので、希少な生産処理と言えますね。

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焙煎(ロースト)の違いと特徴

コーヒー豆は生産処理された後に生豆の状態で出荷されます。
この状態ではまだ茶色ではなく、薄い栗色や緑なのです。

そこで、日本に入ってからお店や工場で焙煎されて、馴染みのコーヒー豆になります。
スーパーに並んでいる一般的なコーヒー豆は、焙煎されて挽いた後のコーヒー豆です。

◯ミディアムロースト・・・茶褐色。中炒りアメリカン・タイプの軽い味わい。

◯ハイロースト・・・ミディアムよりやや深い炒り方。一般的なレギュラーコーヒー。

◯シティロースト・・・一番多い焙煎の具合。鮮やかなコーヒーブラウン。

◯フルシティロースト・・・アイスコーヒーや濃い口のコーヒーに用いられる。

◯フレンチロースト・・・渋みや苦味が強くでます。プレスで入れることもあります。

◯イタリアンロースト・・・エスプレッソ用、と紹介されるローストですが最近のエスプレッソはシティで入れることも多いようです。

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このように、豆の煎り具合によってもコーヒーの味が変わってゆきます。

 

 

珈琲入門1〜コーヒーの歴史〜

珈琲入門2〜コーヒーの品種と産地〜

珈琲入門3〜生産処理と焙煎の特徴〜

珈琲入門4〜挽き方と美味しいコーヒーの淹れ方〜

珈琲入門5〜コーヒー豆屋の選び方〜