本物の『イタリアファッション』完全入門

最近何かと話題となっている、イタリアファッション。

セレクトショップで見かけるのはイタリアからのインポートブランドが主流となっており、メンズファッションは完全にイタリアに注目しています。

日頃よりイタリアのファッションやブランドを紹介している私『大人になれる本』のライター田中ですが、今回は今からイタリアファッションに挑戦する人のために、改めてイタリアファッションの基本や着こなし方、注意点などを徹底的に解説していきます。

イタリアファッションとは?

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イタリアファッションはイタリアクラシコ、クラシコイタリアなど様々な呼ばれ方をしますが、いずれもイタリアの男性が着こなしているようなドレスカジュアルのスタイルを差していますね。

ジャケットやスーツを用いながらも、普通のジャケパンスタイルやスーツ着こなしとは一線を画す、鮮やかさやカジュアルさを盛り込んだ彼らの着こなしは、大人っぽくも遊び心がありお洒落なので、世界中が注目しています。

実はイタリアのファッションが流行ったのは、これが初めてではありません。もう十数年も昔に、クラシコ・イタリアという言葉がトレンドになったことを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

もともとクラシコ・イタリアという言葉はイタリアに存在する「クラシコ・イタリア協会」という協会を差していたもので、メンズファッション評論家の故落合正勝氏が日本に紹介し、その後「イタリアファッション」の代名詞として一般化したものです。

そういうわけで今ではイタリアファッションは「クラシコファッション」「クラシコイタリアファッション」「イタリアンクラシコ」など、様々な言葉で呼ばれているのです。

どれも意味するところは同じ、イタリアのクラシック(王道、正当)なファッションです。

イタリアファッションの基本

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では、そもそもイタリアファッションとはどんなものなのか。

海外のスナップ写真の引用を多数掲載して、どこからか拾ってきて言葉だけ書き直したかのような情報でイタリアファッションについてを紹介しているサイトやキュレーションサイトの記事はたくさんありますが、イタリアファッションの本質を紹介しているところは殆どありません。

本質を知らず、イタリアファッションの目立つ部分ばかりを取り入れようとしても、やはり失敗していまう人が多いですから、まずはイタリアファッションがどうやって生まれ、どんな目的で彼らがああいったファッションを着こなしているのかを知りましょう。

イタリアファッションが生まれた理由

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イタリアファッションはもともと、イギリスのスーツ着こなしが元になっているものです。

スーツは元々イギリスで生まれましたが、その文化はまもなくイタリアにももたらされました。貴族がイタリアでのバカンス中に服を仕立てたり、物価の高いイギリスの変わりにスーツを作っていたりしたことで、イタリアにも仕立ての文化が伝わったのです。

しかしイタリア人はいつまでもイギリスと同じ物を作っていようとはしませんでした。なぜなら、とにかくイタリアは暑いのです。

上の写真は私が夏のナポリを訪れたときのものですが、まるきり目がくらむほど暑い毎日が続いていました。空気が乾燥している分、日本の夏に比べればよほど快適でしたが、それでも年中通して涼しい西岸海洋性気候のイギリスのように過ごしやすいわけではありません。

そんなイタリアで、イギリスと同じように重厚な作りのスーツは、着ていられない。

そうして彼らは、イタリアの気候に適した柔らかく軽いスーツを作るようになる。また彼らには、イタリアの歴史と文化が生み出した彼らなりの強い美意識がありました。イタリアの優れた建築、工業製品のデザイン、芸術などに見られる美意識です。

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彼らはその美意識に従って、その柔らかいスーツに合わせた軽快さとイタリア的な色彩感覚を取り入れた着こなしをするようになりました。

それがイタリアファッションの始まりなのです。

本物のイタリアファッション

このイタリアファッションがどういったものかは、あとで詳しく解説していきますが、とりあえずどんなものなのか見てみたい人は、サルトリア(仕立て屋)の職人や、仕立てに携わる人達の着こなしを見ると良いでしょう。

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こちらはナポリの老舗ロンドンハウスの現当主マリアーノと、その息子のルカです。

流石世界最高峰の注文服を作るサルトリアの二人だけあり、着こなしは一流です。イタリアらしい色彩に富んだ着こなしや、ナポリの紳士が好むウィンドウペインのスーツ、ニットタイなど英国の着こなしを手本としながらも、そこに独自の感性を取り入れていることが分かりますね。

彼らは非常に上質で、クラシックなシルエットのスーツやジャケットを身につけ、完璧なドレススタイルとの距離を常に確認しながら着こなしをしています。

彼らはいくら洒落者であったとしても、あくまで職人的な立場にいます。彼らは自分の着こなしで世界中の人々を魅了しながらも、同時に世界中の人々から「ここにスーツを頼みたい」と思われる(信頼される)必要があります。

そのためには、お洒落な色彩で着こなしをしたり、着こなしにアクセントを取り入れたりをしながらも、守るべきルールは守り、あくまでクラシックなものを身につけます。

そしてその着こなしは、まさに本物のイタリアファッションと呼ぶにふさわしい、上品でエレガントなものです。

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こちらはフィレンツェを代表するサルトリア、LIVERANO&LIVERANO リヴェラーノ&リヴェラーノの大崎氏。

常に素晴らしい仕立てのリヴェラーノ&リヴェラーノのジャケットを、暖色と寒色、温かみのある素材とさらりとした素材をミックスした着こなしでコーディネートしています。

彼は着こなしのヒントをフィレンツェの町並みや美術館の絵画に求め、その洗練された着こなしから、世界中の人々に信頼されています。

誇張されたイタリアファッション

そして、こういったイタリアファッションを更にデフォルメし、トレンド性やカジュアル性を強くしたものが皆さんがよくスナップなどで見る、こういった着こなしです。

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http://www.askmen.com/fashion/fashiontip/style-guide-going-sockless.html

比較的安価でトレンドを重視したシルエットのジャケットを、イタリアではスポルディーヴァ(クラシコの対義語)と呼ばれるカジュアルなシャツに合わせ、さらにパンツのロールアップ、ソックスレスなどドレスダウンを重ねたスタイルです。

こういった写真は主に、ピティウォモと呼ばれるイタリアのフィレンツェで毎年2回開催されるメンズファッションの祭典で撮影されたスナップであることが多いですね。

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この祭典に集まるのは全員ファッション関係者、すなわちセレクトショップのバイヤーや、ファッションブロガー等なので、一般の人が真似をするにはふさわしくないスタイルも少なくありません。

また、ファッション関係者達は着こなしで注目を集めることによって、自分のセレクトショップやブランドを話題にしようと必死になっています。そのため、特に最近では「話題狙い」の着こなしもかなり増えていると言います。

こういった着こなしはいわば、「誇張されたイタリアファッション」なのです。

このようなスナップの人達が着ているアイテムは、日本でもセレクトショップで扱われていることの多いものが主流です。ラルディーニ、ボリオリ、タリアトーレといったジャケット&スーツのブランドや、PT01やインコテックスといったパンツブランド、フィナモレのようなシャツブランドなどです。

日本のセレクトショップで「今季はウォッシュ加工で熟れ感のあるこのジャケットがトレンドです」「このホリゾンタルカラーがヨーロッパで主流です」「スーパースリムテーパードじゃないと、今っぽくないです」など店員さんに言われることがあるかもしれませんが、その情報源もまたピティウォモのスナップにあります。

彼らが着ているものをとにかく「良し」として何でも取り入れるべきなのか。本当にスキニーのように裾の細いスーツがかっこいいのか?ジャケットはウォッシュ加工のものでなければカジュアルに着られないのか?

しっかりと考えてみる必要があると、個人的には思います。

クラシコイタリアの5つの特徴

上ではイタリアファッションについて、どんなものなのかを紹介しました。

ここではそんなイタリアファッションの中でも、先ほど本物のイタリアファッションとして紹介したクラシックなもの、クラシコイタリアと呼べるような着こなしの特徴を5つ紹介していきましょう。

1. 上質なジャケットやスーツを着ること

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クラシコイタリアファッションの最大の特徴は、素晴らしい仕立てのスーツやジャケットを着ることです。

そもそもスーツやジャケットを中心としたドレススタイルは、品質の良さ=お洒落と言われるほど品質にシビアな世界です。良い素材のものを着ること、丁寧に仕立てられたものを着ることこそが、クラシコファッションの最大の特徴なのです。

先ほど本物のイタリアファッションとしてサルトリアに携わる人々の着こなしを紹介した最も大きな理由はここにあります。彼らは自分で、もしくは自分の工房で仕立てた大変上質なジャケットやスーツを着ています。

ピティウォモに参加しているセレクトショップのバイヤー達も、人によっては素晴らしい仕立てのものを着ていますが、トレンドを重視したシルエット、個性の強い生地などを採用したマシンメイドブランドのスーツやジャケットを着ている人が半数以上です。

こういったブランドは日本でクラシコブランドとは呼ばれるものの、ほとんどデザイナーズブランドと変わりありません。毎シーズン新作を着用しているバイヤー達が着る分には問題ありませんが、数年後にはやや古くさく見え、十数年後にはもう着ることができないでしょう。

例えば現在であれば、細いラペルに短い着丈、高いゴージといったシルエット。アンコンにウォッシュ加工、目立つように太い糸でピッチをあけてジャケット全体に施されたAMFステッチなどが時代性を現しています。

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(実際に所持しておらず、こちらは借り物の写真で失礼します)

しかしサルトリアに携わる人達が着ているような上質なジャケットやスーツは、十年後にだって当たり前のように着ることができます。

事実、既製服の中では大変クラシックだとされるチェザレ・アットリーニのジャケットやスーツなど、十年以上前の古着が相当な高値で取引されていますし、熟練の仕立て職人の作る仕立て服や、それを製品化して極少量だけ展開された既製服など、古着でも20万円近い値段で取引されているのです。

イタリア製のジャケットを着れば、クラシコイタリアファッションだというのは間違いです。同じイタリア製でもオモチャのような大量生産のジャケットもあれば、職人の手で作られる芸術的なジャケットもあるからです。

逆に日本製のジャケットを着ていたとしても、それが流行り廃りの無い、イタリアの仕立て服を研究して生み出されたシルエットで、素晴らしい仕立てであったとしたら、それはクラシコイタリアファッションなのではないかと、個人的には思います。

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上質な服、クラシックな服には普遍的な価値と美しさがあります。そしてそのように「流行の外に」存在する服を身につけるのが、普遍的なファッションであるクラシコイタリアファッションの第一歩なのです。

もちろん必ずしも何十万円もする最高級既製服や仕立て服を買う必要はありません。

ジャケットやスーツを買うときに、ブランドネームやブートニエールなどの飾り、仕様や謳い文句に惑わされず、シルエットや縫製、生地などの「品質」に注目して、予算内で最も良いものを買うことが大切です。

2. 英国の着こなしを取り入れること

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『ローマ人の物語』で有名な、イタリア在住の歴史小説家である塩野七生さんが、あるイタリア人にお洒落の基準を尋ねたところ、「英国のお洒落をイタリアのフィルターに通したものがお洒落だ」といったように返答があったと言います。

もともとイタリアのお洒落が、イギリスのスーツに起源を持つことからも、イタリアの洒落者は「英国調」が大好きです。

例えばヴィンテージのイタリアの最高級生地には、イタリア製であるにも関わらずMADE IN ENGLANDの記載があると言います。上の写真のネクタイ、イタリアで最もエレガントとされるマリネッラのネクタイには、英国調のプリントの施されたデヴィッド・エヴァンス社の英国製の生地が使われます。

またイタリアのお洒落な靴屋に行くと必ずのように置いてる靴の一つが、Church チャーチ。007のジェームズ・ボンドも愛用した、英国の革靴ブランドです。

イタリア人はイギリスのトラディショナルな物を愛し、それを自己流に解釈します。イタリアのテーラーはイギリスのスーツをアレンジしてイタリア独自の仕立てを生み出しましたが、実はイタリアの洒落者は個人単位で、それと同じようなことを行っているのです。

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ですからクラシコ・イタリアにはイギリス的なエレガントさが不可欠です。

セレクトショップやファッション雑誌などでは、イタリアのブランドが数多く紹介され、個性豊かな新進気鋭のブランドや老舗ブランドの全く新しいコレクションなど様々な情報が入ってきますよね。

これは結果的に、ある種の洗脳になっています。

「彼らの受容能力は非常に限られており、忘却力が理解力を凌駕している。全ての効果的な宣伝は、重点を簡潔にし、それをスローガンのように利用することで、その言葉の目的としたものが彼らの最後の一人まで思い浮かべることができるようになるまで、継続的に行われなければならない」

これはアドルフ・ヒトラーが『我が闘争』で述べていることですが、ヒトラーはこの著書で、断続的に短く、簡潔で、新しい情報を人々に与え続けることによって、人を洗脳することについても記しています。ちょうどテレビCMが、この手法に当たりますね。

さまざまな雑誌やメディアで次々と新しいものが紹介されてくる上、どのメディアでも同じようなものを繰り返し目にすることになる。すると、無意識にそれを選ばなければいけないような気になってしまうわけです。

本当にお洒落な人たちは、実にベーシックな小紋柄や伝統あるチェック柄を身につけている。

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英国の紳士のように控えめで、ほんの少しだけ懐古主義で、現代から見ても実はすごく魅力的な色柄やシルエットを着こなすのです。

何が本当にお洒落なのか?トレンドに飲み込まれてしまいそうなときや、情報が多すぎて混乱してしまったときには、これを思い出せばクラシコ・ファッションの軸を取り戻すことができるでしょう。

3. シンプルなお洒落を極めること

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まったく、イタリア人は適当です。受けた注文は忘れるし、時間や期限は守らないし、ご機嫌によって仕事の能率も質も変わってしまいます。

しかしそれなのに彼らの着こなしはお洒落で、彼らの入れるエスプレッソは世界中のどこを探しても変わりが見つからないほど美味しく、彼らの作るピッツァとパスタが世界を制した。

イタリア人はシンプルに、少ないもので何か極めることを知っており、だからこそ素晴らしいものを作ることができます。

例えばイタリア人が大好きなパスタである、スパゲッティ・ポモドーロ。

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オリーブオイルにニンニクの香りを移し、塩ゆでしたパスタ麺とフレッシュトマトをあえて生バジルをのせる。こんなにシンプルに作られるのに、日本で食べる大概のパスタよりも美味しいのです。

ピッツァ・ナポレターナとも呼ばれ、世界一美味しいと言われるピッツァ「マリナーラ」も、ニンニクとオリーブオイル、オレガノだけで作られる大変シンプルなものです。

ファッションも同じです。彼らは力を抜いて、少ないもので最大限お洒落に着こなすことを知っています。

それに対し、私たち日本人には本当に多くの物を手に入れる機会があります。また常日頃から、イタリアや日本のファッション関係者のスナップを見ています。

するとついつい、盛りに盛ったファッションをしてしまいがちです。

タイトフィット&着丈短めのアンコンジャケットに、同系色のニットベストと同じ色を含んだギンガムチェックで、製品洗いを施したホリゾンタルカラーのシャツ。タイトフィットのチノパンは裾幅18cmで、くるぶし丈、ダブルのカブラ巾は4cm。

大きめのノットで結んだニットタイをネクタイピンで止めてふんわりと首もとに立体感を作り、パフドとクラッシュドを足した折り方でシルクのペイズリー柄ポケットチーフをのぞかせる。

フルブローグのイギリス靴を編み込みのベルトと色を合わせ、チーフから色を拾ったアクセント色の靴下で履く。フェルトで出来たブートニエールを付けて、手元には革のブレスを少々……。

あれがお洒落、これがお洒落、と書かれているものを一挙に実践しようとすると、こういう風になるわけです。ほんのディテールの話ですが、様々な要素で溢れています。着丈短め、裾幅細めといったディテールだって、クラシックな着こなしから距離をとる「足し算」なのですから。

これはファッションに限らず、作曲をするとき、映画を作るとき、料理をするときなど多くの場合がそうですが、足し算を重ねていくと、本当の良さからどんどん遠ざかっていくことが少なくありません。

お洒落なイタリア人はそのかわりに、使い古したツイードの上質な手縫いジャケットを着るでしょう。柔らかい無地の厚手のコットンシャツを着て、ネクタイともスカーフとも取れるようなリラックスした結び方で、ウール混の無地か小紋柄のネクタイをする。ポケットチーフは、そのジャケットに突っ込んだままのアイボリーのチーフ。

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本当はそれで十分なのです。そしてそんな無造作でシンプルなお洒落はまるで、ニンニクとオリーブオイルとオレガノだけで世界一のピッツァとなったマリナーラです。

マリナーラがそれほどまでにシンプルなのにうまいのはなぜか?

最高の品質の小麦とオリーブオイル、新鮮なニンニクとオレガノを使い、熟練した技と専用の窯で焼き上げるからです。

ファッションであれば品質の良いジャケットやスーツを、その質の良さを際立たせるような最低限のコーディネートで着こなすこと。これがマリナーラから学ぶお洒落でしょう。

まずは最小限の物や色、柄でお洒落に装うことを練習する。

そして慣れてきたら、少しずつ加えたい要素を加えていく。我々がイタリアファッションを極めるなら、そのような手順を踏むのが一番です。

4. 「イタリア」に着こなしのヒントを得ること

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先ほども少しだけ紹介しましたが、リヴェラーノで活躍する大崎氏はイタリアに渡った当初、色彩を学ぶために頻繁にウフィツィ美術館に足を運んだと言います。

実はイタリア人のお洒落な人達の実に多くが、自分の故郷の町並みや芸術作品などからヒントを得てスーツやジャケットスタイルを着こなしています。

例えばナポリの人々はよく、ベージュのジャケットに薄い青シャツ、ブラウンのネクタイといった着こなしをします。これはまさにナポリの町並みに見られる黄色がかったベージュ、ナポリ湾やその上に広がる美しい空の青、そしてヴェスヴィオ火山やポジッリポ公園の自然のブラウンです。

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クラシコイタリアを着こなすのであれば、着こなしのヒントをイタリアに求めること。特に色のヒントはイタリアという場所にたくさん落ちています。

例えばナポリよりも南部に位置する地中海都市、サレルノにはパステルカラーが数多く存在し、薄い黄色やオレンジ、ベージュ、緑、青などの組み合わせがいかに美しいかを教えてくれます。

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フィレンツェやボローニャに行けば、難しいと思われがちな赤やオレンジをどのようにあしらえば良いかが分かるはずです。

非常に明るいオレンジに、青を合わせるのは間違ってはいません。フィレンツェで空を見上げれば、真っ青な空の元に光るオレンジ色の屋根がとんでもなく魅力的に見えるはずです。

5.お洒落をしていないかのように振る舞うこと

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これは最も大事なことです。イタリアファッションを極めたければ、いくらお洒落をしても何もお洒落をしていないかのように振る舞いましょう。

イタリアの本当にお洒落な人達は、毎日ジャケットを着て、毎日ドレススタイルをしています。すると自然に力が抜けて、先ほど書いたようなシンプルなお洒落をさらりと着こなすことができるようになります。

しかし日本で、特に休日だけお洒落をする人は、力が入りすぎてしまい、そのせいで服も馴染んでいないように見えてしまうなど、もったいない状況になってしまう可能性もあります。

お洒落をしてはいけない、着込んではいけない、というわけではありません。どんなにお洒落をしても、まるきりそれが毎日着ている平服であるかのように振る舞うことが、服装を馴染ませてみせるコツなのですね。

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また、いい物を着ているからといってそれを誇ったり、しきりにその話をしてもいけません。

ある女性から聞いた話ですが、とあるイタリアファッション好きの男性弁護士と飲みにいったときのこと。

男性はいつも東京都内のゼニアでスミズーラしたスーツを着ていて、「俺はゼニアしか着ない」と話したり、その女性がうっかり靴を踏んでしまったときに「この靴、高いんだぞ」と言ったりしたそうです。

せっかく良いスーツを着て、高い靴まで履いているのに、それで女性に嫌われてしまってはもったいないとしかいいようがありません。

ゼニアでスミズーラしたスーツを、あたかも量販店で買ったスーツかのように自然に着こなし、靴を踏まれたら「大丈夫?」と声をかけてあげるのが、本当に魅力的な男性でしょう。

クラシコイタリアに直接関係のある話には見えないかもしれませんが、これは本当に大事なイタリアファッションの考え方です。

クラシコイタリア服の売っているお店

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ここまで、イタリアのファッションがどのようなものか、その特徴などを解説してきました。

そろそろ実際にクラシコファッションを始めたい!と思われている方もいるかもしれませんので、ここで本物のイタリアファッションにふさわしい服を売っているショップをいくつか紹介しておきます。

ちなみに関係者ではないので、ショップの取り扱うブランドなどは変わっている可能性もあります。ご容赦ください。

BEAMS HOUSE ビームス ハウス

www.beams.co.jp
www.beams.co.jp

今注目を集めるナポリのサルトリアであるダルクォーレのスーツ、アットリーニといった世界的に認められた既製服ブランドの服、上質なオリジナルスーツなどを扱うビームスハウスは、イタリアファッションのアイテムを揃えるのには最適ですね。

東京で最も高感度なセレクトショップが集まる地域の一つ、丸の内を始めとして、六本木、神戸のラグジュアリーブランドが集まる旧居留地などにも店舗があります。

大手のセレクトショップとしては本当に品揃えが充実しています。

THE SOVEREIGN HOUSE ザ ソブリンハウス丸の内

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東京の丸の内に一店舗だけ存在する、ユナイテッドアローズの展開する上質ドレスクロージング・セレクトショップ。それがTHE SOVEREIGN HOUSE ザ ソブリンハウスです。

ソブリンハウスはイタリアの上質なマシンメイドブランドや、クラシックなシルエットを持つオリジナルブランドのスーツやジャケット、シャツなどを展開しており、個人的には非常におすすめなショップです。

例えばソブリンハウスが特に力を入れているSartorio サルトリオというブランドのジャケットなどは、オンラインのセレクトショップなどで展開されているものよりもクラシックを尊重したシルエット、生地感、ディテールとなっていますね。

またソブリンハウスはフィレンツェを代表するサルトリアであるLIVERANO&LIVERANO リヴェラーノ&リヴェラーノのアイテムを日本一幅広くストックしていることで有名です。

本来仕立て服でしか味合うことのできないような、芸術的なシルエットで極上の着心地のフィレンツェ仕立てを体験できるリヴェラーノ&リベラーノのスーツやジャケットは、金銭的な余裕があればもっともお勧めしたいアイテムの一つですね。

STRASBURGO ストラスブルゴ

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大阪、青山、名古屋などに店舗を持つストラスブルゴは、ラグジュアリーなアイテムを専門に扱うことで有名なセレクトショップです。

リデア(株)という輸入代理店が展開するショップなので、扱うブランドには多少偏りがありますが、エレガントで少しだけアバンギャルドな別注が多く、その一貫した世界観に惚れた、同じブランドでもここで買いたい!というセレクトショップのファンも少なくありません。

また日本の若手の素晴らしいテーラーやシャツ職人がストラスブルゴ内でオーダーを受け付けており、お洒落な人は何かとストラスブルゴに足を運ぶようになるようです。

新宿伊勢丹メンズ館

https://ja.wikipedia.org
https://ja.wikipedia.org

言わずと知れたメンズファッションの聖地である新宿伊勢丹のメンズ館は、やはり上質なクラシコイタリアのアイテムを多数扱っています。

伊勢丹のメンズ館に集まるクラシコブランドはざっと見ただけでも、他の追従を許さない数です。

キートンやアットリーニ、ブリオーニといった世界最高峰の既製服と言われるブランドから、マシンメイド最高峰として名高いベルヴェスト、イタリアで高い評価を受けているブランドであるカルーゾ、マリネッラやステファノビジといった定番のネクタイまで。

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どういったものがクラシックなのか分からない!という人はまず新宿伊勢丹メンズ館の4階を訪れてみると良いでしょう。

イタリアファッションの雑誌

最後に、正統派のクラシコイタリアファッションを学びたい人のために、おすすめのメンズファッション雑誌を二冊、紹介しておきましょう。

ちょうど創刊から1年と少しが過ぎたTHE RAKE日本版と、メンズプレシャスです。どちらもラグジュアリーなクラシックファッションを題材としており、モデルの着こなしは少しアバンギャルドながらもクラシックをベースとしたものばかりです。

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イタリアのファッションを紹介する雑誌は他にも多数存在します。例えばちょいワルで有名なLEON レオン。

もちろんお洒落な雑誌かもしれませんが、インタビューや取材を元に組まれた特集が見所のTHE RAKEなどに比べると商品紹介型の記事が多く、扱っている内容もトレンド性が強いので、特にクラシックなファッションをしたい人には向かないとかと思います。

メンズEXもクラシコファンにとっては非常に定番の雑誌ですが、こちらはより蘊蓄に重きを置く雑誌となっています。どちらかと言うと、手縫いスーツやハンドソーンの靴などをマニアックに知りたい、コレクター的なファッション好きに向く雑誌です。

着こなし方やコーディネートなどは、メンズプレシャスやTHE RAKEの方が垢抜けている印象があります。

雑誌は基本的に商品を紹介することで成り立っていますので、広告がメインです。しかし雑誌のコーディネートやアイテム選びには参考になることが非常に多いです。

是非上の二つの雑誌を手に取ってみてください。

 

いかがでしたか?

今回は本物のイタリアファッション入門ということで、イタリアファッションを一から詳しく解説してみました。

ファッションには色々な視点がありますので、一概に私の意見が正しいというわけではありません。

色々なところから情報を集め、自分で「これが正しい」と思うものを見つけたり、様々な情報を比較しながら自分なりに答えを導くことが大切だと私は思います。

ぜひこちらの記事も、その参考にしてくださいね!

皆さんが流行や広告に振り回されることなく、本当にお洒落なイタリアファッションを着こなしていくためのヒントになれば幸いです。