ランス美術館展「シャンパーニュの夕べ」に参加してきました。

「ランス美術館展 美しきフランス バロックからフジタへ」関連イベント
「シャンパーニュの夕べ」(展覧会レクチャー&シャンパン試飲会)

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「ランス美術館展 美しきフランス バロックからフジタへ」関連イベント。
当館学芸員のスライドトーク、および講師によるシャンパン(シャンパーニュ)についてのレクチャーと試飲を行います。

[日  時]2016年10月8日(土)18:30~20:30(開場 18:00)
[講  師]<スライドトーク> 当館学芸員
<レクチャー> 長谷川浩美氏(ラ・ソムリエール)
[会  場]当館多目的室
[参 加 料]3,500円(チケット制・展覧会観覧券付き)
[定  員]60名
[協  力]静岡日仏協会、ラ・ソムリエール (有)長谷川和洋酒、G.H.マム

ランスとシャンパーニュ

舞台はフランス北部シャンパーニュ地方のランス(Reims)
ノートルダム大聖堂で有名なこの街ですが、ランスはシャンパーニュと深いかかわりがあります。
シャンパン・メーカーで有名なポメリー社の経営者であったアンリ・ヴァニエは、シャンパーニュで財産を築き上げ、生涯に渡って美術品のコレクションをしていました。

子供を残さなかったアンリ・ヴァニエは、死後は全てのコレクションを市に寄贈するという遺言を残し、その通りにランス市は1913年にランス美術館を開館しました。

ロマン主義から印象派など19世紀のフランス美術作品が多く、クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、ルノワールなど多数の有名作家の作品が収蔵されています。

ポメリーから話が変わりますが、フランスのランスにはもう一つシャンパーニュメーカーがあり、それがG.H.マム。
1827年の創業以来、「Only the Best.(最高のシャンパンだけを)」という理念を掲げているメゾンです。

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実はマムにも美術品には深い繋がりがあり、渡仏した日本人画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ)がランスの地で、当時のマムの社長ルネ・ラルーと深い親交がありました。
ルネ・ラルーは、シャンパーニュの蓋を飾る薔薇の絵をフジタに依頼して、その作品を甚く気に入ったようです。

そのシャンパーニュがカンヌ映画祭で振る舞われてフランス全土だけでなく、シャンパーニュの味わいを海外からの高い評価を得たと言われます。

ルネ・ラルーとフジタの関係は続き、南米を転々として一度は日本に帰国したフジタですが、老いてからはフランス国籍を取得して日本国籍を放棄しました。
心残りであった、キリスト教徒に改宗する際は国内外から多くのメディアが集まりました。

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そういった経緯もあり、現在でもマムのメゾン敷地内には「フジタ礼拝堂」と言って、フジタが建築物と内部のフレスコ画を絵描いた小さな礼拝堂が残されています。
入り口の上にはキリスト磔刑図、正面は平和の聖母、旧約聖書を主題に製作されたステンドグラスも飾られています。

中でも晩年のフジタを支えた君代夫人の肖像や、ルネ・ラルーとフジタ自身の肖像画も残され、如何に感謝と敬意が払われていたかが分かります。

今回このランス美術館展の開催に当って、アンリ・ヴァニエの残した収蔵品や、フジタによる原画や作品などが展示されています。

トークショーの後半には、長谷川氏によるシャンパーニュの解説。
作り方や、品種による種類の分け方などを解説して、実際にG.H.マムとポメリーの試飲が行われました。
G.H.マムのコルドンルージュは、爽やかなイエローで、青リンゴやレモンのような果実の香りに、ブリュットでありながら優しい味わいです。

一方、マムロゼは美しいサーモンピンク色ですが、少しドライでぴりっと辛味があります。
香りはピンクグレープフルーツと説明されますが、若いトマトのような香りもあり、ザクロのような甘い香りも併せ持ちます。
ポメリー社は、マムよりも甘みの強い香りで、酒麹のような米のような香りもあります。

この広大なぶどう畑と、シャンパーニュがあったからこそ、ランスの美術、延いてはレオナール・フジタの作品が有ると言っても過言ではありません。

ランス美術館展は2016年9月10日(土)~10月30日まで静岡市立美術館(静岡駅から徒歩3分)で開催されています。
中々フランスの美術館へ出向くことは難しいので、興味があれば、ぜひともこの機会にフランス絵画、フジタの作品に触れてみて下さい。