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BMW 218d ActiveTourer

BMW 218dは何のためにある?

車に何を求めるかは人によってそれぞれ異なります。
多くの荷物が積める、家族で出かけたり送迎に使う、キャンプ場など悪路を走る、などなど。中でもBMWは”駆け抜ける歓び”をキャッチコピーにしていて、ドライバーの楽しさ(歓び)を重視しているブランドです。

冒頭から厳しい事を言うと、この218dはBMW史上最もつまらないシリーズです。
なぜダメなのか、何が良いのかを追って説明したいと思います。

日本市場を意識したスタイリング

この2シリーズですが、マツダの新作?と思えるようなスタイリング。
ずんぐりむっくりしていて、BMWとは思えません。これならば1シリーズ(F20型後期)や3シリーズ ツーリング(F31型)の方が遥かにデザインが優れています。
国内で爆発的に売れているミニバンを意識して作ったシリーズと言わざるを得ません。

室内空間とインテリア

外観はひどいのですが、インテリアは意外にも良くラグジュアリーモデルのためか、トリムがウッドであったり落ち着きのあるデザインになっています。
1シリーズの泣ける程にダサい内装と比べると大幅に改善されています。

後部座席はとても広く、3シリーズ ツーリングや5シリーズGT並に広いです。体感的には7シリーズの後部座席のように足元の余裕があります。
天井も高いため、身長180cmでもストレス無く乗車できます。

しかし色合いがダサく、座った時のポジションがいまいちピンと来ません。
車内で子供のオムツを交換するのには良さそうです。(他社の同クラスと比べると狭くコレでミニバンに勝てるのか…?と疑問が残ります)

ラゲッジスペースは思ったよりもスペースが無く、320i(E90)のトランクを一回り大きくした程度です。3シリーズツーリング・5シリーズ ツーリングの「おお!広い」という感覚もありません。
つまり、全体的に思ったのが、「広い車のはずが狭い!」という感想です。一体全体どこを目指しているのだろう。

付属のナビは年を追うごとに快適でサクサクに動作します。2013年頃のBMWとくらべてもナビの基本操作は同じですが、中身はフォームアップされており、今どきのスマホのようにサクサクと動作して気持ちが良いです。

BluetoothなどでiPhoneを連動すれば、その場で音楽を楽しむことができます。
ちなみに標準のスピーカーは中々音質は良いです。ただ、低音が少々微妙なので設定で低音を控えめにすると良いかも。

BMW 218dの走行性能

走行性能はBMW至上もっとも酷いです。しばし車専門の週刊誌やウェブマガジンで、「FFにしてはまあまあ良い」「走行性能の高いミニバン」「駆動方式が変更されたのに走行性能と居住性を両立」などと書かれていますが、「ホントに乗ったんかい?!」と思います。

ここまで厳しく記事を書いているのは、あまりにBMWが好き過ぎて信者でもあるからです。1シリーズから7シリーズ、Z4、M6など全て試乗した経験がありますが、この2シリーズは良くない運動性能です。1シリーズ(F20型)と218dをどちらかあげるよ!と言われたら一瞬の迷いなく1シリーズを貰います。

今までのBMWとは異なる

BMWの素晴らしさの一つに、どのグレードでも”駆け抜ける歓び”があることです。クーペやスポーツモデルが楽しいのは当たり前だとしても、例えばX1やX3などのSUVでさえダイレクトなハンドリングで、舗装路や高速道路を走っていてもワクワクします。買い物に使うような120iといった低価格の1シリーズでも山道を走るときは運転の楽しさがにじみ出ます。
7シリーズでさえ小型船舶を操縦しているような、ゆったりな動きでありながら、大きな車を動かす楽しさがあります。つまり、今までのBMWは全てのシリーズで楽しさがありました。

ところが、2シリーズのFFは国内のファミリーカーと同等の運動性能です。
駆動方式の違いからか、ちょっとした街中の角を曲がるだけで、ハンドルをぎゅっと握っていないと押し戻されます。わずか20分走るだけで肩がこるほどに疲れます。これが郊外の時速50~60キロの道だとより疲れます。国産ファミリーカー(フィットやデミオ)などと同じ感覚です。

駐車場に止めるときも、ハンドルをぐるぐると回して、しがみつくようにしないと、車が直線方向に戻ってしまいます。こればかりは言葉では上手く説明できないので、普通の3シリーズと2シリーズを乗り比べてみて下さい。何を言っているか分かるはずです。

エンジンと加速、ミッションは優れている

運動性能が悪いと書きましたが、加速はとても優れています。218dは150馬力、33.7kgのトルクですが、低速からトルクが効くので3リッターのセダンのように加速が早くパワフルです。
エンジンの排気音こそバスのようですが、吹け上がりは心地よく滑らかです。

ミッションに関しても2世代前のBMWとは比較にならない程に優れていて、わずか一瞬で切り替わるので低速と中速が何度も切り替わるシーンでも快適です。
このパワーとミッションのおかげで合流するときは何ら問題ありません。

高速道路は微妙?

高速道路でも走りましたが、100キロも出せばハンドルがふらつき、まっすぐの道なのに少しの路面状況で右へ左でハンドルを細かく修正しなければなりません。
今までの3シリーズや5シリーズの、ハンドルを軽く握れば安心して走れる。というBMWの快適なドライビングとは異なります。

これに関してはxDriveとFFとで違いがあるので、両方のモデルを試乗してみてください。
街中の買い物専用であれば良いのですが、3シリーズのような感覚で、長距離を時速100キロ出すのはやめておいた方が賢明です。

総評

冒頭の「何のためにある?」という意見しか出ません。
美しくなく、運動性能が低く、荷物も乗らない、BMWとはとても思えない中途半端な車です。これなら荷物が沢山乗る国産ミニバンを選ぶか、走行性能の良い1シリーズを、もしくは少々高いけれど3シリーズ ツーリングを買うのが得策と言えそうです。

追記:6月15日

オーナーの方より感想を頂いたので追記させて頂きます。

どうやらxDriveのモデルは、高速道路でのふらつきも少なく、とても快適のようです。年齢が上の方ですと、車への乗り降りのしやすさというのは重要で、その点では218dはドアを開けて、すっと降車できるのでストレスフリーと言えます。
(BMWの多くのセダンやクーペ、SUVは気合を入れて乗り降りしなければいけないので…)

またシートの感覚などもモデルによって異なるそうで、2シリーズのシートが最適という感想も頂きました。

公式サイトで紹介しているように、登山やトレッキング、アウトドア、サイクリングなど屋外で多目的に使うのには良さそうです!
筆者がスポーツモデルばかり乗っている、走行性能至上主義であったため誤解を招き申し訳ありません。

どのシリーズが一番合っているかは人それぞれ異なるので、2シリーズを検討している人は、併せて1シリーズ、3シリーズ ツーリングなど含めて色々と試乗して一番最適なものを見つけてみて下さいね!

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