7日で体験した「ナポリを見て死ね」の解釈・意味

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行く前までは、こんなフレーズまで目にしました。
「腕時計をしていると強盗に腕ごと切り落とされる」
「カバンを持っていると、必ず盗まれる」

行ってみたら思ったよりも遥かに治安が良く、廃墟から銃弾が飛んでくるような場所ではありません。
夜になると子供がボールを蹴りながらジュースを飲むような地域だってあります。
少しばかりのルールさえ守れば、多くのナポリの人は優しくて安全です。

ですがイタリアの南部ですので、さすがに京都を歩く観光客のような格好では危険です。
貧困層や移民も生活しているので、一見して高級品は持ち歩かず、荷物を最小限にしてテキパキと歩いていれば問題はおきにくいと実感しました。

ナポリの何が美しいか?

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旅行のレビューを見ると「ナポリ湾と奥に見えるヴェスヴィオ火山が〜」やれ「夜景が綺麗」なんて書いてあったりします。
海が見たければハワイのカウアイ島や、フィリピンのセブ島の方が綺麗ですし、夜景なんて東京でも十分に楽しめます。

ではナポリの何が美しいのか、それは「生き様」だと思います。
生き様というのは表現しずらいのですが、例えば建築物であったり、絵画や芸術の文化であったり、その時に生きているナポリ人であったり、全体的な気質や生き様です。

法治外の混沌とした一面もありますが、ナポリ気質というのはイタリアの中でも特に顕著に感じます。
治安も悪く、街にゴミもありますが、ナポリ人の優しさや拘り(気質)を感じるシチュエーションに多く直面しました。

ナポリ気質に触れる

napoli pizza

「好き勝手に自由に生きる」
日本人には絶対にできない事を彼らはしています。

日本人というには、一見とても自由に見えて、何でも出来る。
と思いがちですが本当の意味で好き勝手に生きてる人は極々僅かです。
ナポリにはテレビや新聞やメディアの影響を受けている人が少なく、筆者が見た限りでは「流行」というのがありませんでした。日本ではテレビや雑誌、ネットをはじめとしたメディアによる影響が強く、それ意外にもやれスマホアプリだゲームだ、多くの事を強要されます。

まず、スマホをしているナポレターノを見かける機会が極々少ないです。
見かけるとしたら誰かに電話をしているシーンくらいです。
日本人は飲食店や電車で座った瞬間に携帯を取り出します、一人でも多人数でも。
ナポリでは驚くほどスマホを使う人が少なく、そのかわりにその場に居る人と次から次へとおしゃべりをはじめます。

これを見たときに、日本人と違って「今を生きているなぁ」と実感しました。
彼らにとってSNSやLINEのようなアプリは全くと言ってよいほど必要のないのだと思いました。

自分の信義に従い生きる人が多い

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ナポリには悪いやつは居ます、物乞いに盗人、夜に治安の悪い地区に行けばナイフが飛び出てくるかもしれません。カモッラだって未だ居ます。
ですが、ナポリ人に騙される機会は少ないです。

ローマやミラノの方がよほど性格の悪いイタリア人に騙される機会が多いです。
例えばバルに入って、エスプレッソに3ユーロ取られたり、タクシーで何倍もふっかけられたり。
ナポリでは、少しばかりイタリア語を話せば、他の現地のナポリ人と全く同等の扱いを受ける事ができます。
日本人に2倍の金額を請求しても渋々払うだろうと、思っても正しい安い金額ばかり伝えられます。この点では余程、他のイタリアの観光地の方が酷いです。
ヴェネツィアに行けば、簡単にぼったくられます。(トルコはもっと簡単ですが…)

これは妄想も含んだ想像でしかありませんが、ナポリに少し居ると
「エスプレッソは最高の状態で提供して0.8ユーロ意外認めない!」
「必ずピッツェリアは手作りの窯が在って火の付いた薪が無いとならない」
「ジャケットは軽快な動きを考えハンドスティッチで立体的に仕上げなければならない」
などなど、何か強迫観念というか、信義を貫く人やお店がとても多い気がします。

ナポリの人がお金が好きですが、「騙して儲かれば良い」と思っている人が都会よりも少ないです。もちろん、お金や時間にルーズな人も多いので、前払いは気をつけるに越したことはありませんが。

「ナポリを見て死ね」は生き様に触れるという意味

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17〜18世紀に栄えた厳格なナポリ・バロック様式の建築と彫刻、随所に象嵌細工を施した家具、ヴィエトリスルマーレに起源を感じるタイルのペイント。
パルタメントの一室で縫っているサルトリアに、天使のように軽いナポリ仕立てのシャツ。
カンパーニャの少し哀愁の持つアリアニコ赤ワインにフィアーノのスプマンテ。
どれも本物で、何百年語も存在するような、普遍的な価値を持つものばかりです。

それにナポリ人特有の職人気質に人情の厚さ、これらは他のイタリアの都市では無い物です。
もしも目的なく「ピザが美味しいから」で訪れたら、「なんて酷い街」という感想で終わるかもしれません。ですが能動的に現地の文化に触れて、イタリア語で人々に話しかければ、「ナポリを見て死ね」の意味が分かると思います。